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マスター:さとう綾子
シナリオ形態:ショート
難易度:普通
参加人数:6人
サポート:1人
リプレイ完成日時:2014/07/22


みんなの思い出



オープニング


 とある場所で花々が咲う。
「私と同じようなおもてなしをする人間が居るのですね」
「挑戦を受けたけれどきっと私の勝ちだと思う」
「掃除や手入れは慣れてるみたい。メイドの素質があるのかしら」
「戦ってて面白かった!」
「私の正体を見破るモノもいたわ」
「情報も早ければ対応も早いですわね」
 漂う香気はそれぞれのカップから。好みの茶を飲みながら笑いさざめく女性達。


 とある場所で花達が囁く。
「協力しあってことを運ぶようです」
「人は手伝いあったり想いあったりする生き物」 
「ちゃんと、気を配る人が多いですね」
「意見がぶつかってもそれを譲りあうことを知っている」
 ひそひそと語る声はどちらも楽しげ。


 とある場所で花は見据える。
「手合わせの前にメイドならではのおもてなし、ですか」
『ですが、彼らを招くべくフィールドをどうすればいいのかが…』
 言葉の向こう、微笑んで首を傾げる亜麻色の娘の姿が見えるようだ。
「…確か、近くミーシュラ卿のお茶会がありましたね」
 呟く声には感情らしきものがまるで無い。
「卿に連絡をとりなさい」


 とある場所で悪魔が笑む。
「ほ、こうきおったか……随分と楽しんでおるようじゃのぅ」
 報告を受け享楽の大悪魔はぺろりとその唇を湿らせる。
「ならば、盛大にやるがよい。宴は、華やかなほうが見ごたえがあるというものよ」


 とある場所で人々は息を呑む。
 届けられた封書。手に取ったアリス・ペンデルトン(jz0035)は眉を跳ね上げた。
「お茶会の招待状、ぢゃと!?」


 悪魔達からの招待状だった。




 篝さつき(jz0220)はアリス先生から渡された封書を手に困っていた。


『ボクは紅茶を用意しておくよ。
 キミたちは甘いものを用意してきてね。

 セーレ』


「……どういう風の吹き回しでしょう」
 さつきは今までセーレの事件を何度か担当している。
 どうにもいい印象のない悪魔だ。罠の可能性もある。あまりお願いしたい案件ではない。
 とは言え、相手はセーレ。行かなければまた何か悪さをする可能性もある。
 迷っていると、後ろからむぎゅうと抱きつかれた。
「どうしたの、さつき?」
 その人懐っこさですっかり仲良くなったはぐれ悪魔のエメだった。胸のあたりがむぎゅむぎゅする。
「エメはセーレって悪魔、知ってる?」
「セーレさ……ん?」
「敵だから『さん』はいらないかな」
 さつきが苦笑してみせると、エメは「学園生じゃないんだね」と頷いた。
 さつきはかいつまんでセーレのこと、最近のメイド悪魔のことをエメに説明する。
「メイド悪魔! コスプレみたいだね!」
 ゴスロリ悪魔が自分を棚に上げて言った。
「あたし、そのセーレって悪魔、会ってみたいなあ」
「え!? とても危険よ!?」
「だってお茶会なんでしょ? 戦闘じゃないなら大丈夫だよ」
「でも、もし戦闘になったら……」
「大丈夫だよ、甘いもの好きな人に悪い人はいないって。あ、悪魔か」
 てへぺろ、とエメはしてからさつきに笑いかける。
「甘いもの、いっぱい持って行くよ。そしたらきっとセーレもわかってくれると思う!」
 さつきはしばらく考えてから言った。
「……じゃあ、私もクッキーを焼くから持って行って」
 せめてものお守りとして。




「見極めたいのはメイドたちだけじゃないんだよ」
 セーレは大きな獅子の召喚獣の首元に顔を埋め、呟く。

 人同士が争っても絶望など感じないと言った撃退士たち。

「ボクは……撃退士も悪魔と同じ『感情』があるって、信じていたいんだ」

 それはひねくれ者の、小さな、小さな、願い。


リプレイ本文



「ようこそ。歓迎するよ!」
 意外なほどフレンドリーなセーレの一言でお茶会は始まった。
 各自やや遠慮がちにセーレと距離を取る中、一歩進み出たのはエイルズレトラ マステリオ(ja2224)だ。奇術士であるエイルズの正装、黒いタキシード姿で恭しく一礼をする。
「奇術で戦う撃退士、奇術士エイルズでございます。本日は茶会にお招きいただき、身に余る光栄」
「初めましてだよね、エイルズ。ボクはセーレ。今日はよろしくね」
 ちょっと拍子抜けするほどのフレンドリーの意味はセーレが召喚獣の横に座ってからわかった。
「約束どおり、紅茶を用意しておいたよ。みんなの甘いものは?」
 どうやら目的は甘味らしい。
 エイルズが苦笑しながら駄菓子を並べると、
「私も駄菓子なんだ」
 と美味しい棒状スナック菓子を並べる蓮城 真緋呂(jb6120)。
「あとね、これ。セーレさんに」
 差し出したのは黒い紙っぽい……お菓子?
「酢昆布。美味しいのよ」
 食べてすっぱそうな顔をするセーレ。味覚もお子様だ。
 たこ焼きを差し出したのは詠代 涼介(jb5343)だ。
「ボク、これ知ってるよ。熱くないと美味しくないんだ」
「果たしてそうかな」
 涼介が涼しげに笑う様子にセーレはむ、と頬を膨らませてパクリと一口で食べる。口に広がるのはカスタードクリームの甘い味。
「シュークリームだ!」
(いわゆる本物そっくりスイーツ。ふ、外見という一つの側面だけを見て、他の面を知らずに判断しているようではまだまだ甘いな)
 第一勝負は涼介の勝ちのようだ。
 今回、甘味は持参しなかったのは牙撃鉄鳴(jb5667)。セーレの非難がましい目も気にせず、紅茶に山盛りの砂糖を入れている。慌てたのは今回様子見参加のエメだ。
「あの、これね、チョコチップクッキー! あとマフィンとパウンドケーキ焼いてきた!」
「偉い!」
「あと、この紅茶って春摘みのダージリンファーストフラッシュだよね? 軽やかで花のような芳香が」
「ますます偉い!」
 鉄鳴に言わせればそんな呪文のような紅茶だろうが紅茶は紅茶だ。味など区別がつかない。
(僕に甘いものを要求するとは愚かな)
 自信たっぷりに森田良助(ja9460)はもってきた大きな包みを広げた。
 白く、ふんわりもっちりと、燦然と輝くは大福。しかも手作りなので柔らかさは折り紙つきだ。
「和菓子だ! すごい!」
「全部食べてもいいよ。まだまだあるから」
 トートバッグの中にまだ大福が眠ってるのは内緒だ。
 口を大福の粉まみれにして美味しそうに頬張るセーレを見ながら、ウィズレー・ブルー(jb2685)は複雑な感情を抱いていた。
(まさか彼女と茶席をご一緒する日が来るとは思いませんでしたね……)
 セーレを追えば追うごとに憎悪はつのっていった。剣を交えたこともある。
 セーレもそんなウィズレーを覚えていたのだろう。まっすぐに見て笑った。
「キミに会えて嬉しいよ。そんな遠慮しないで、もっとこっち来て」
「貴女が、こういう風に人と話そうとするとは思いませんでした」
 苦笑しながらウィズレーはセーレの傍の召喚獣を見た。持ってきたスコーンやマカロンをテーブルに丁寧に並べると、スコーンを割り獅子の召喚獣の口元へ運ぶ。獅子は大人しい猫のように大きな舌でスコーンを平らげた。
(そう思っていた私もまた偏見に満ちているという事でしょうね)
 内省しながら獅子の頭を撫でると、獅子はゴロゴロと喉を鳴らした。


「お茶会を開いたのは理由があるんだ」
 美味しい棒をもぐもぐ食べながらセーレは車座になって座った撃退士たちを見渡した。
「質問したいんだけど、答えてくれるかな?」
「答えないと言ったら?」
 鉄鳴が甘い紅茶をすすりながら問うとセーレは間髪入れずに答えた。
「死んで?」
「脅迫などしなくとも答えられるものは答えましょう」
 エイルズが紳士的に仲裁に入った。
「けれども一方的なのはよくないですね」
「じゃあ、僕たちが答えたら、質問をしてもいいかな」
 良助が提案するとセーレは大福と良助を見比べた。
「大福美味しかったから、答えられるものだったらいいよ」
 手土産とはかくも大事なものだったらしい。そっと良助が大福を追加するとセーレはにんまり笑った。
「じゃあボクからね」
 セーレはぐるりともう一度全員を見渡す。
「『人間は人間同士で殺しあっても悲しまないのか』」
 何かの資料を読むような抑揚のない声で、セーレは告げた。一同は静まり返る。
「……あたしは人間じゃないから、パスしてもいいかな」
 小声でエメが告げるとエメと距離を取って座っている真緋呂も頷いた。
 冥魔に言いたいことは沢山ある。はぐれ悪魔のエメともできるだけ距離をおくくらいの真緋呂だ。過去にセーレの起こした事件にも関わっている。いくらだって文句なら出てくる。
 けれども、うまく言葉にならない。
「ごめんなさい、私は……すぐに言葉が纏まらないわ」
 せめて全員の言葉を聞いた後なら、何か言えるかもしれない。
 たこ焼きシュークリームをぽいと口に放り込んで、セーレは目を細めた。
「本当のことを言うと、キミとキミとキミとキミ……」
 セーレは良助とウィズレー、涼介、真緋呂を指さした。
「キミたちが見せてくれた答えをボクは知ってる。勿論言葉に出して聞いてみたいけれどね。だからエイルズと甘党のキミの答えを最後に聞いてみたい」
 甘党のキミとは鉄鳴のことのようだ。
「じゃあ、僕から話そうか。この間は僕が気絶している時に出てきたようで、やっと姿を拝見できたよ」
 茶目っ気たっぷりに良助が口火を切った。セーレはにやにやして大福を頬張る。
「キミの質問だけど僕なりに答える。僕は戦わなくてすむなら、殺し合いしなくてすむならそうしたい」
「だからあんな大怪我をしてまであの子を説得したの?」
「ああ。あの時、もし彼女の命を奪っていたら、少なくとも僕は虚しさや悲しみを感じていたよ。人間同士が争って悲しまないなんて冗談じゃない。でもね」
 良助はセーレの顔を覗き込み、ゆっくりと口にする。
「人間だろうと何だろうと中にはどうしょうもない輩もいる。僕だって感情がある。許せない奴は許せないんだ。だから、そういう奴の命は奪うことがある」
「うん」
「……でもそういう歪んだ奴だって、元は普通の人間だったと思ったら、やっぱり命を奪うのは辛いかな」
 セーレはじっと良助を見た。
「あと一つ言っておくけど、それは天魔に対しても同じだ。天魔と人間だって分かり合えると思う。だから天魔とだって殺しあうのは悲しいことがあるよ」
 俺個人の意見だ、と断ってから涼介が次に口を開く。
「覚えてるよ。キミは1人と大勢、どちらも助けようとした数少ない人間だ」
 その1人を殺した本人が言うなと憤りを感じるが、涼介は目を伏せる。
「悲しくないか、という問いに対しては答えは『NO』だ。できることなら戦いたくはない。戦わずに済む方法があるなら、それを全力で探す」
「うん」
「だがな、それは相手が人間に限ったことではないんだよ。相手が人間でも悪魔でも天使でも関係ない……誰が相手でも俺は戦いたくない。殺されるのも、誰かを殺すのも嫌だ……常にそういう思いを抱えている」
 涼介は紅茶で唇を湿らせ、次の言葉を吐き出す。
「それでも戦うのはそれ以上の想いを背負ってるからだ。俺にはやりたいことがあり、それを成せる可能性がある……だから俺は戦える。悪魔が相手でも、天使が相手でも……例えそれが人間が相手であってもな」
「キミは」
 セーレはたこ焼きシュークリームを摘んで微かに笑った。
「やっぱり優しいんだね」
 侮蔑の響きは感じられない。涼介は面食らい、セーレから視線を背けた。
「だからこれからも俺は、心の中では『戦いたくない』『殺したくない』と訴えながら、『許せない』と口に出して叫び、そしてお前に銃口を向けるだろう……セーレ」
「うん! 待ってる」
 まるで戦いすらも遊びかのように。セーレは涼介に笑顔を見せた。
「では、私は別種族から見た形でお答えしましょう」
 3番手を引き取ったのはウィズレーだ。
「確かに悲しまない者はいるでしょう。でも、悲しんでいる方はいます……私が知るだけでも沢山」
 セーレはじっとウィズレーを見た。ウィズレーは穏やかにスコーンを割り、片方をセーレに差し出す。
「悲しみ悩みつつも尚、それを乗り越え、進み、生きる為に戦っているだけではないかと。悲しくないから殺す訳ではないのです。きっと……人間はそんな単純ではない」
「キミは……」
 セーレはスコーンを受け取り、少しだけ嬉しそうに少しだけ悲しそうに笑った。
「ボクをどこまで理解してるの?」
「セーレ……」
 ウィズレーは思う。
 そう、人は複雑なのだ。天使や悪魔が羨むほどに、短すぎる生には眩しいものも暗いものも詰まっている。
(だからこそセーレは人を使った遊びをしているのではないのでしょうか。……何かを試すように)
 だとしたら。
「セーレ、貴女はどうなんですか? 悪魔同士で戦っても悲しくはない? 悲しいのなら、それはきっと人間も天使も一緒だと思うんですよ」
「今はボクの質問の番だよ。でも……ひとつだけ言うなら」
 セーレは召喚獣を撫でながら言った。
「人間は複雑だ。それを捨ててしまったかのように思えたから、ボクは悲しかったんだ」


「……うーん、これはあくまで僕の考えですが、敵であるなら、そこまで悲しくはないですね」
 4番目に口を開いたのはエイルズだった。
 セーレは興味深そうにエイルズを見る。
「僕は人間ですから、天魔と人間なら、人間の命の方が重要です。ですが、仲の良い天魔と見ず知らずの人間の命なら、見知った天魔の命の方が重要です。要は、重要なのは人間とか天魔とかの区別ではなく、その人が自分にとってどんな人か、あるいは立場の違いの方が重要なのです」
 うんうんと駄菓子を食べながら頷くセーレ。
「それが、ただ操られて戦わせられているのなら、助ける努力もしますが、自分の意思で敵対するのであれば、その意思を尊重して敵として殺します。人間だから悲しい、天魔だから悲しくない、そんなお話ではないのです」
「……複雑なんだね」
「ええ。……あなたは、はぐれ悪魔と戦うとき、一々悲しんでいるのですか?」
「哀れんで嗤ってはいる、かな。キミたち、馬鹿なことしたなあって」
 エメが隅で小さくなった。
 エイルズは気づかないふりをして言葉を続ける。
「あなたは立場上僕の敵ですから、戦場で出会えば、殺します。僕の敵でなくなれば、もっと交友を深めていきたいと思います。貴女は、とても魅力的な女性ですから」
「敵でなくなれば魅力的?」
「ええ、魅力的ですよ」
 にっこりと笑うエイルズにセーレもご満悦そうに笑った。
 そんなセーレをため息をついて見て、鉄鳴は口を開いた。
「問いは人によるとしか答えられん。悲しむ奴もいれば、俺のように敵と割り切って気にもかけない奴もいる」
 セーレは背筋を伸ばして鉄鳴を見た。
「人類は知性を身に着けた時から同族同士で殺しあってきた生物だ。理由など関係ない、感情の赴くまま戦争で多くの人間を殺してきた」
「そういえばそうだったね」
 セーレはまだ若い悪魔だ。人間の歴史には疎い。
「人類全体で見れば人間同士で殺しあっても悲しまないと言えるかもな」
 依頼で動く鉄鳴にとっては依頼がすべてだ。こうして茶を酌み交わした仲間でさえ、依頼が来れば情を挟まずに殺すことができる。
「だが、心の奥底では悲しんでもそれを表に出さない奴もいる。絶望せず前を向き続ける奴もいる。だからどちらにせよ貴様がいくら人間同士で殺し合わせようと人間は絶望などしないぞ」
 セーレは目を丸くした。
 真緋呂が力強く頷く。
「私も人間は絶望なんてしないって信じてる。ううん、人の強さを信じたい」
 傷つくのは怖い。大事なものを失うのは怖い。でも失ったままはもっと怖くて、もっと辛い。
「あなたに絶望なんて作れない。私は、そう思う」
 セーレはにこにこと笑った。
「まぁ俺の意見など気にするな。金で動くただの一丁の銃だ。銃は撃つ相手を選ばないし、撃つ相手のことなどいちいち考えない」
 鉄鳴はそう締めくくってセーレを正面から見据えた。


「俺からの質問だ。何故こんなことを聞いてきた。まさか今更分かり合えるなどと思ってないだろう? ついでに最近見かけるメイドについて知っていることも聞かせてもらおうか」
「駄目だよ。ボクも質問はひとつだったんだからキミもひとつだ」
 セーレは真顔でルールを提示する。
「まあ、後者に答えるとして。キミは撃退士について知っていることを教えろって言ったらどう答える? 撃退士みんながキミのような銃ではないんだろう?」
 鉄鳴は少し迷った。撃退士とは天魔を退治する能力を持つ者――それでは自分の求めるメイド悪魔に対しての答えに充分ではない。
(少し焦ったか)
 舌打ちをして、一つ目の質問はどうだろうとセーレを見るとセーレは一口紅茶を飲んだ。
「さっきも言ったとおり、人間は単純じゃない。絶望も希望も生きる意味も立場も本音も建前も色々複雑に交錯して、そして結論を出す。その葛藤がボクは興味深い。ただ敵だから殺すじゃディアボロと一緒だ。そんな相手と遊ぶのはつまらないからね」
「遊ぶためか」
「ボクはね、人の命が好きなんだ」
 セーレはうっとりと言った。
「儚くて脆くて、でも強い。絶望すれば乗り越えようと尚輝く。だからそれを考えもなしに殺すのは許せなかった。人の命に対する侮辱だ」
「あなただってその命を砕くのに?」
 真緋呂が強い調子で詰め寄る。
「綺麗なものほど自分で壊したくない?」
 セーレの笑みは残酷なほど無邪気だ。
 ウィズレーは小さくため息をつく。やはりセーレはセーレなのだろうか。人は単純でない――その気持ちは同じなのに、どうして、いやだからこそ憎悪するのだろうか。
「じゃあ、僕の質問だ」
 良助が殊更に明るく問いかけた。
「キミは悪魔と人間がわかりあえる日が来ると思う?」
 セーレはうん、とはっきりと頷いた。
「少なくとも、人間に恋をした悪魔は沢山いるよ」
 はぐれになった青年悪魔や恋をして旅だった道化師と猫。
 それを聞いて良助はずい、とセーレに身を乗り出した。
「最後にもう一つ質問があるんだけど」
「大福くれたからいいよ」
 大福の効果はこんなにも大きかった。
「お茶会が終わったら僕と付き合わない? 人間に興味があるなら一日くらい付き合ってもいいと思うよ!」
 セーレはポカンと口を開いた。じーっと良助を見る。
 それからアハハと笑い出した。
「……やっぱダメ?」
「嬉しいけど、ボク、おにーさん、殺しちゃうかもしれないから」
 どうして付き合う=殺すになるのか良助は一瞬考える。
 けれども次の瞬間、セーレの唇が良助の頬に触れた。
「だから今日は大福と回答のお礼。また素敵なもの、見せて」


依頼結果

依頼成功度:成功
MVP: セーレの友だち・ウィズレー・ブルー(jb2685)
重体: −
面白かった!:8人

奇術士・
エイルズレトラ マステリオ(ja2224)

卒業 男 鬼道忍軍
セーレの王子様・
森田良助(ja9460)

大学部4年2組 男 インフィルトレイター
セーレの友だち・
ウィズレー・ブルー(jb2685)

大学部8年7組 女 アストラルヴァンガード
セーレの大好き・
詠代 涼介(jb5343)

大学部4年2組 男 バハムートテイマー
総てを焼き尽くす、黒・
牙撃鉄鳴(jb5667)

卒業 男 インフィルトレイター
あなたへの絆・
蓮城 真緋呂(jb6120)

卒業 女 アカシックレコーダー:タイプA