.


マスター:ガンマ
シナリオ形態:ショート
難易度:普通
参加人数:6人
サポート:2人
リプレイ完成日時:2014/10/13


みんなの思い出



オープニング

●恐るべきハンター
「う、うわぁーーーっ でっかいモミジだーーー!!!」
 夜の街におじさまの悲鳴が響いた。
 はわはわしているおじさまリーマンの見開かれた目に映っていたのは、そう、モミジである。だがただのモミジではない。でっかいのだ。そして分かれた葉っぱを手足代わりにカサカサ動いているし、葉っぱの真ん中には凶悪な口がある。
 天魔だ。モミジみたいな天魔が出たのだ。モミジ狩りのこの季節に、モミジがオヤジを狩りに来たのだ。

 すっごい一大事だ!
 おじさんが、そして日本の未来が超危ない!
 おじさんはこの先生きのこる事ができるのか!


●スクールのルーム
「諸君、オヤジ狩りを行うモミジ狩りだ」
 先生、初っ端から意味不明です。
「うん……だから、オヤジ狩りを行っているモミジみたいなディアボロをやっつけて来いって任務だ」
 教師棄棄は至って真面目な顔である。
「このディアボロ『デスモミジ』には奇妙な行動パターンがあってな。中年・壮年の男性ばっか狙うんだよ。オヤジ狩りだな。何て奴だ、卑劣だぜ!
 ちなみ見た目で判別していると思われるから、中身がオッサンでも見た目がロリなら襲われないと思う。でもロリ衣装着てるだけのオッサンは襲われると思う。見た目ショタで年齢が凄いとかは襲われないと思う。
 うーん……その場におじさんが完全に居なくなったら、適当に狙い定め始めるんじゃないかなぁ。予想だけどね!」
 何にしても、任務内容自体は非常にシンプルだ。
 そしてディアボロが一般人を襲っているという事も事実、撃退士としては気合の入れ所である。
「さぁ、世界の秩序を護る為! 撃退士諸君よ、出撃したまえ!!」


リプレイ本文

●モミジハント
「はわわわわーーー!」
 ディアボロ『デスモミジ』に追い詰められ、涙目のおじさまはもう駄目だと思った。心の中で妻と子供に謝罪して、目を閉じようとした――瞬間である。

 視界に、一閃の銀。

「撃退士です! 天魔はさっさと退治しますので、落ち着いて誘導に従ってください!」
大きな声を張り上げた橋場 アイリス(ja1078)の背中が、おじさまの目に映る。彼女の手には白雪一色の大剣が握られていた。返り血すら拒む冷気を纏った高潔の大剣は、問答無用先手必勝とデスモミジを『薙ぎ払った』後で。
「あ、ありがとうございますっ……」
 わたわたしながらおじさまが逃げて行く。そのおじさま、そして他の一般人へは、戦闘以外の処理班が避難させてゆく。
 公園の出入り口にも狩野 峰雪(ja0345)とシャルロット・アルヴィエ(jc0435)の提案で立ち入り禁止の看板や張り紙が設置されたので、一般人がここに紛れ込む事も無いだろう。デスモミジ自体も3体とも噴水広場に居るので捜索の手間も省けた。更に峰雪の指示で処理班は見た目が若い者で結成されたのでデスモミジがそちらに向かう可能性も低いだろう。お陰で戦闘班は気兼ねなく戦いに専念できそうだ。
 そしてもっと戦いを有利に進める為に――峰雪は隠れていた物陰から姿を現す。中年・壮年男性ばかり狙うとのデスモミジの習性を聞いて囮になれるかと作戦に参加したのだ。
 囮、それは危険な役割だが、彼の表情には余裕あるナイスミドルスマイルが浮かんでいる。しかしその余裕に裏付けられた豊かな経験を持つ峰雪でも分からない事がある。それはディアボロがおじさんだけを狙う利点だ。
 それはアイリスも同様で、「歩きたばこでボヤでも起こされたとか……?」と生前復讐説を提唱する。
「おじさんだけだと栄養分が少なそうだけど……胃腸の弱いディアボロなのかな」
 峰雪も等と考えたが、違う気がする。ともあれ、罪無き善良なおじさん達に危険が及ばぬよう、しっかり冥魔の気を引き付けていかねば。
 おじさまの登場。迸るナイスミドルオーラ(?)を察知したデスモミジ達が峰雪を見遣る。シャーッと牙を剥く。
 が、そんなディアボロを邪魔するかの如く、峰雪とデスモミジの間に立ったのはフェリクス・アルヴィエ(jc0434)だった。鉄壁なる加護のオーラを身に纏い、峰雪とは対照的に笑みの無い静かな表情を浮かべたままディバインランスをその手に構える。
「微力ながら。全力を尽くしましょう」
「うん。まぁ、頑張っていこうじゃないか」
 そんな二人を視界に収め、矢野 胡桃(ja2617)は彼等に聖なる刻印を施してゆく。
「どうぞご武運を、ね」
 準備を整えてゆく紳士と騎士へ相対するデスモミジ。
 その横合いより、ふわりと花弁の様なステップで迫る人影があった。

「ハァイ、坊や。それともお嬢さん?」

 シャルロット・アルヴィエ(jc0435)である。ニコヤカな言葉とは裏腹に、禍々しい双剣を持った手は攻撃態勢。そこに集うは星の輝き、凶星を思わせる不吉な光を宿した刃が、一体のデスモミジを天の力を以て斬り付ける。そのままシャルロットは軽くバックステップで間合いを取った。
「日本の秋らしい風流な見目形……に見せようとしているのでしょうか。それならば勉強不足と言わざるを得ないでしょう、実に残念だ」
「私は好きよ、あの紅葉達。可愛らしくてとても素敵だわ」
 デスモジミを見遣るアルヴィエ兄妹が言葉を交わす。

 その間にも撃退士は着々と準備を整えてゆく。礼野 智美(ja3600)は金焔の光を纏うと共に阻霊符を発動し、血の如くアウルを循環させる――彼女の体に浮かぶ真紅の紋様、更に脚部へ特に集中してアウルを集めれば、陽炎の如くアウルが立ち上った。
「中年壮年って事は一家の大黒柱が普通だよな……亡くなったら家族が路頭に迷う事も多いだろうし、母親が既にいなくて孤児になる子が出る可能性だってあるし、とっとと迷惑な紅葉に退去してもらわないと」
「同感、ね……無粋なモミジには、お引き取り願いましょう、か」
 剣の少女として能力を限定解除した胡桃が応える。聖なる刻印を峰雪とフェリクスへ終えた今、彼女の仕事は敵を薙ぎ払う事だ。
「知ってる? 枯葉はよく燃えるらしい、わよ?」
「聞いた事があるわ。日本の秋は落ち葉を使って焼き芋をするんでしょう?」
 シャルロットがくすりと笑い、「ねえフェリクス、美味しそうよね」と再度のレイジングアタックを仕掛けながら言った。胡桃も僅かに口角を擡げる。
「そうそう……いい焼き芋が焼けるでしょう、ねぇ? 誰か、火種を持っている人はいた、かしら?」
「……よく燃える……。この時期……。……おいしい焼き芋! 矢野さん私、炎燃使えますよ」
 と、反応したのはアイリス。「あら」と胡桃は専用改造済個人防衛火器【八咫鏡】で敵へ狙いを定めながら言葉を続ける。
「それじゃ、燃えるかどうか、試してみましょう、か?」
「了解です。おいしい焼き芋のために!」
 剣を握り直し(そしておっかない女子トークを終え)アイリスがデスモミジへ襲い掛かる。

 心眼・真――人生全ての戦場を生き延びた経験に基づく致命的攻撃技術。
 退魔【虚数】<ブラッディエクソシズム>――人間の技術に悪魔の血を足し、対冥魔殺傷力を高める攻勢魔術。

 その二つを併せ、アイリスは刃を力強く一閃する。
「知っている? どうしても鍛えられない場所、というものがある、らしいわよ? さぁ、貴方のそこは……頑丈かしら?」
 その同時、胡桃の照準はデスモミジの口へと定められていた。引き金を引く。赤褐色を帯びた弾丸が、針穴をも潜らんばかりの精密さでデスモミジの口の中へ滑り込んだ。胡桃の文字通り、柔らかい箇所を穿たれた冥魔がギャッと悶絶する。
 智美も、同対象へ地を滑る様に間合いを詰めていた。噴水を蹴り、中空に飛び上がる――背後に月光、彼女の顔には防護マスク。凄くヒーローっぽい。でも智美的には不本意だった。
(対束縛用に抵抗力をあげるにはなりふり構っていられないんだよな……お財布の中身だって無限大じゃないし実家に頼るのも面目ないしきょうだいもたくさんいるし……そうそう、それに、こういう目標が決まっている相手の場合は変化の術が使える鬼道忍軍が便利なんだろうけど……いかんせん阿修羅ずっとやってきたから、一撃の攻撃力考えるとどうしてもなぁ……)
 脳内でぶつぶつ。悩みの種とは尽きないものだ。取り敢えずモヤモヤをディアボロにぶつけよう、そうしよう。
 という訳で宙でくるりと回った智美はそのままデスモミジへと峻烈な急降下キックを喰らわせた。その鮮やかさで敵の目を引き、一般人への危険を少しでも削ぐ。
(一応囮してくれる方もいるけれど、一人に3体群がると流石にきついと思うし……)
 1体位は、とデスモミジの様子を窺った。
 撃退士から次々と攻撃を受けるデスモミジであるが、3体はいずれも峰雪を襲おうとしている。
 しかしそれは立ちはだかるフェリクスが許さない。彼は盾、今日の居場所は峰雪の居る場所。そして敵の性質が中年壮年男性を狙うとあれば、愛しい妹(シャルロット)に攻撃が及ぶ事は無いだろう――そう確信しているが故の今回の行動だ。
 同時に、フェリクスは一般人が避難して行った方向へも注意を怠らない。万が一でもそっちに飛び火してしまったら本末転倒だ、と。
「あれ程の巨大な姿。必ず一定のものが見えてくる筈」
 最大限以上の護りを行わなくては。フェリクスは具にデスモミジへ目を据える。ディアボロに知性の類は無くタクティカルに動く事も無い、巨体や蛮声は意識に留め易い。
 振り下ろされる舌の一撃をフェリクスは槍で払う様に受け止めた。肩に重い衝撃が響く、額にぢっと攻撃が掠める。怪我をした場所が場所故に赤い血が垂れるが、文字通りの掠り傷だ。
「嗚呼、餅のように包まれる事のないようにも気をつけましょう」
 噴水に葉が濡れ動作が鈍れば幸いなのだが――天魔が濡れた程度で弱体化する事は無いか。
 何にせよ、己は盾。粛々と盾。徹底して護り抜く盾。そうである事に躊躇いなど無い。額の生暖かさを感じながら、フェリクスは仄暗い笑みを浮かべた。
「僕が皆の様な可憐な女の子ならば兎角――護って貰ってばかりじゃいけないからね」
 飄々と言葉を並べながら、フェリクスの背後で峰雪は漆黒の自動拳銃をデスモミジへ向けた。目やそういった器官は見当たらないが、先ほどの胡桃の攻撃を見るに口の中は弱いらしい。
 さて、周囲に狭い場所が見当たらない以上はこの場で真正面から戦う他にないようだ。良いだろう。引き金を引く。武具の専門知識によって力を更に効率化した弾丸は、鋭く素早くデスモミジの口の中に突き刺さる。
「オジサン、良い趣味ね。私も大好きなの。きっと私達はとても趣味の合うお友達になれるわ」
 悲鳴を上げた冥魔の足元へシャルロットは潜り込む。緩く波打つ金の髪を靡かせて。飛び上がり、半月の軌跡を描いて一閃。両断。残るは二体。
「悪いが、容赦はしない」
 自己強化を切らせない智美は戦気をその身に迸らせ、矢の如き速度で鋭くデスモミジへと迫る。吶喊速度は緩めない。構えた太刀が、彼女の一纏めにした黒髪が、夜の光に刹那の輝きを散らした。
 速く迅く――護神姫流。礼野一族に代々伝わりし、姫神に仕える巫女を護る為の術。それは荒々しい剛の技ではない、しなやかな女の強さを体現するかの様な柔の剣技。
「そこだッ!」
 一瞬にて吹き抜ける烈風の如く。点として集中された衝撃が炸裂し、一体のデスモミジを強かに吹き飛ばした。更にその激しい一撃でディアボロの意識をも沈黙させる。

 隙だらけだ。
 ならば――これで決める。
 そう、早く終わらせて美味しい焼き芋を食べる為にも。

 アイリスの左頬に浮かぶ冥殺魔術の紋様が暗く赤く輝いた。大上段に構える大剣、その白雪を纏う純白が月蝕の如く赤い赤い血の色に染まり始めた。
 Regina a moartea。それは血に塗れた死を纏う、死国の女王を冠する一撃。
ただ振り下ろす、斬撃自体は言葉にすれば単純だ。
だがしかし単純故に無駄は無く、全てが破壊に特化している。
 ただでさえ凄まじい一撃、そこに対悪魔の魔術も乗せられ、更に相手はスタン状態。耐えろと言う方が無理難題。両断など生温い、少女の一撃にデスモミジが木っ端微塵に砕け散った。
「残り一体……最後までキッチリやりきりたいね」
 峰雪は支援と攻勢の銃弾を使い分けながら最後のデスモミジを見遣った。しかし最初から最後までデスモミジは若者に目をくれず、おじさまである峰雪にまっしぐらである。
「これが人間の女の子なら嬉しいんだけどねぇ……いや、襲われるのはやっぱり困るかな」
 なんて、軽口一つ。
 そんな峰雪目掛けて、デスモミジがまた舌の攻撃を繰り出した。すかさず射線上に立つフェリクスであるが――一手に3体からの攻撃を引き付けていた故にもうシールドを行う体力が残っていない。束縛に対抗してくれていた胡桃の聖なる刻印も消えてしまっている。
 それでも彼は盾であった。臆して逃げる選択肢は最初から無かった。
 そして彼は一人でなかった。頼もしい仲間がそこにはいた。

「枯葉風情が。私の目の前で、それは許さない、わ」

 仲間を護る、『鐘の音』が響く。
 暗き戦場に一筋の光を。胡桃が構える【八咫鏡】から撃ち出された避弾【La Campanella】がデスモミジの舌を弾き、逸らし、フェリクスを護った。
 その舌へフェリクスは容赦なくランスを下へ突き立てる。地面に縫い止めるよう、力尽くで。
「女性達へ穢らわしいそれが伸びるなどあってはならない事だ」
 是非とも使えなくして差し上げたい。
 直後にそこへ降り立つのはシャルロット、デスモミジの舌を架け橋代わりに弱点である口へと間合いを詰めてゆく。
 その背中に受けるのはフェリクスの視線だ。彼はずっとずっとシャルロットを視界に収めている。まるで「片時でも目を離せば妹が何処かに行ってしまう」と言わんばかりに。ハッキリ言って重苦しいし疲れてしまう、束縛されるのは嫌いだし彼に家族としての意識も情も無いし。自分はもっと楽しく生きたいのだ――結局、自己満足のみ似た者兄妹だなんて、二人揃って自覚は無く。
 ぎっ、と呻いたデスモミジがシャルロットへ意識を向けた。彼女はそれに微笑を返す。
「あら、やっと私の魅力にも気付いてくれたのかしら」
 嬉しいわ、とっても。キスの代わりに、悪魔の口をこじ開けるように突き立てる双剣。
 そして仲間へ目を遣った。

 今だ、と。

「真っ赤に染まるのは、葉っぱの貴方だけで十分、よ。だから……染めてあげるわ。今以上に、真っ赤に」
 胡桃の言葉が終わると共に、銃声。
 逃がしなしない。冥魔を貫く、弾丸。


●秋ですね
 さて。
 撃退士の目の前には戦闘不能になったデスモミジ。
「焼き芋、ね」
 胡桃は徐に懐から芋を取り出した。
 補佐をしてくれた彼女へ跪き礼をしていたフェリクスはその様子を見ると、立ち上がってデスモミジへと目を移し。
「そうですね。燃やしてしまいましょう、昨今朝夕は冷えますから焚き火で体をあたためるのが宜しいでしょう?」
「寒くなってきたわねえ、冬も嫌いじゃないけれど。この子達だって、私の為に熱を灯せたのだから幸せよ」
 シャルロットも頷く。が、ディアボロはモミジの姿をしているが元は人間、人間を燃料に調理をするのは如何なものかと倫理的面より学園から窘められそうだ。
「嗚呼、大丈夫。今回はちゃんと普通の紅葉も用意したわ」
 きっとあっちの方が美味しかったが仕方ない。シャルロットはこんな事もあろうかと袋に詰めた枯葉を出した。公園の周囲にも葉が落ちているし、これらも掃除がてら集めれば良いだろう。

 という訳で。

「こんなもんかな」
 公園管理者より借りた竹箒を手に、智美がふぅと息を吐いた。目の前には集められた落ち葉。「では」とアイリスがその手に槍状の炎を灯す。集めた落ち葉が散らからないようそっと投げれば、葉っぱの山に火が点いた。
「それで、お嬢さん達や狩野さんは食べるかしら、焼き芋」
「頂こうかな」
 シャルロットの問いに峰雪、そして一同が頷き。

 焼き芋タイムだ。

「嗚呼、炎が綺麗だ」
 火に手を翳すフェリクスの一方、焚き火の童謡を口ずさむシャルロットは焼き芋をふーふーしながら食べている。
「この週末に紅葉狩り予定していた家庭のお父さんが被害者の中にいなければよいけれど」
「しばらく紅葉は見たくない人が多いかもねぇ」
 智美の言葉に峰雪が苦笑した。二人の手には勿論焼き芋がある。
「美味しいですねー」
「そう、ね……ワビサビ、ね」
 アイリスと胡桃ものんびり、温かい焼き芋を頬張りながら空を見上げた。
 秋めいて晴れた夜空には、星が綺麗に輝いていた。



『了』


依頼結果

依頼成功度:成功
MVP: −
重体: −
面白かった!:3人

Mr.Goombah・
狩野 峰雪(ja0345)

大学部7年5組 男 インフィルトレイター
踏みしめ征くは修羅の道・
橋場 アイリス(ja1078)

大学部3年304組 女 阿修羅
ヴェズルフェルニルの姫君・
矢野 胡桃(ja2617)

卒業 女 ダアト
凛刃の戦巫女・
礼野 智美(ja3600)

大学部2年7組 女 阿修羅
秘名は仮面と明月の下で・
フェリクス・アルヴィエ(jc0434)

大学部5年78組 男 ディバインナイト
撃退士・
シャルロット・アルヴィエ(jc0435)

大学部5年276組 女 アストラルヴァンガード