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マスター:御影堂
シナリオ形態:ショート
難易度:普通
参加人数:8人
サポート:2人
リプレイ完成日時:2014/01/11


みんなの思い出



オープニング

※このシナリオは初夢シナリオです。オープニングは架空のものであり、ゲームの世界観に一切影響を与えません。


 赤いランプが回転しながら光を撒き散らす。
 けたたましいアラームが鳴り響き、逃げ惑う人々が我先にとシェルターに潜り込んでいく。彼らを追いかけるように、ヴァーと低い声をあげながら腐った人々が歩いてくる。
 いわずもがな、映画、ゲーム、小説でおなじみのゾンビである。
 ヴァー、ヴァー声をあげながらショッピングモール内を徘徊している。
「ちくしょぉおおおおおおお!」
 ゾンビから逃げるためのシェルターに間に合わなかった男が、半狂乱になりながらバールのようなものを手に立ち向かっていく。
 次の瞬間、画面はブラックアウトした。
 シェルターの内部では、いつ助けに来てくれるかわからないという不安が蔓延していく。一日も経たずに、ある女性は金切り声をあげながら叫んだ。
「こんなのもう、耐えられないわ!」
「だったら、どうするっていうんだ?」
 スキンヘッドの男は、煙草を吹かしながら肩をすくめてみせた。視線の先には、ブラウン管のモニタに映る、ゾンビたちの姿があった。倒しても倒しても、どこからともなく現れそうなゾンビたちだ。
 煙草の火をもみ消しながら、スキンヘッドは続ける。
「いいか。すでに救助信号は発信した。だが、対ゾンビ部隊がいつ対処してくれるかはわからねぇな」
「そんなっ!」
 何か叫びかける女を手で制する。
「それでも、それでもな。待つしかねぇだろう」
 男のジャケットには、AntiZombieCommandの文字。彼もまた、対ゾンビ部隊の一員であるのだろう。その瞳には、仲間を信じ、堪え忍ぶ決意があった。


 ショッピングモールの入り口、そこは特殊部隊によって完全に封鎖されていた。強化硝子で作られた扉の奥には、大量のゾンビが徘徊しているのが見える。
 特殊部隊の隊長は、口ひげをこすりながら、中の様子を眺めていた。
「これはこれは、見事なゾンビ災害だな」
「お言葉ですが、そういう言い方はいかがなものかと」
 副長の言葉を受けて、隊長はふっと笑みすら見せる。
「だが、我々にはもうできることはあるまい」
 そう、特殊部隊がすべきことは終わったのだ。後は対ゾンビ部隊に任せるしかない。AZCは、ゾンビ対策の専門家で構成されている。特殊な抗体をもち、ゾンビと生身で戦えるという奴らなのだ。
「あぁ、そうだ。中の状況を奴らに説明しておかないとな」
 そういいながら、テントへと戻る。パイプ椅子に腰掛けているキミたちを一瞥し、スクリーンにポインターを当てていく。
「ここが入り口だ。ここから入るとエントランスホールに出る。そこから真っ直ぐ進めば、パラダイスエリア、右にフードコート、左にファッショナブルエリアがある」
 パラダイスエリアの画像は、ゲームセンターや映画館などのレジャー施設が移される。フードコートはファーストフード店やスーパーマーケットの映像が映し出されている。ファッショナブルエリアは、服装や宝石を取り扱う店があるようだ。
「パラダイスエリアとフードコートをつなぐのが、ホームエリア。ファッショナブルエリアをつなぐのが、ガーデンエリアになっている」
 ホームエリアには、本屋やホームセンター等がある。ガンショップもホームエリアに存在しているようだ。ガーデンエリアは、その名の通り、花屋や屋台あったりする庭のようなところだ。ただし、エリア自体は硝子で囲まれているようだった。
「基本的に、中のものは自由に使ってもらって構わない。ただし、作戦終了時に回収はさせてもらうがな。君たちは各エリアに生存者がいないかを確認し、パラダイスエリアの奥にあるシェルターから生存者を連れてきて欲しい」
 そして、全員が助かったのを確認したら残りのゾンビを特殊部隊が殲滅するというのだ。当然、建物ごと爆撃し破壊するような手段を執るという。
「それでは、健闘を祈る」


リプレイ本文


 数多ものゾンビが外へと出ようとする正面玄関。バーゲンセールのように、ショッピングモールはゾンビで溢れていた。ぎしぎしと音をたてていたガラスの扉が、突然開かれた。
 開いたのは、麻生 遊夜(ja1838)と来崎 麻夜(jb0905)だった。あふれて転倒するゾンビの群れから、距離を離しつつ、二人とも銃でゾンビを牽制する。
「ハッ、団体客さんのお帰りってか。もう少しゆっくりしてけよ」
 遊夜がゾンビの足を狙って押しとどめ、
「麻夜、頭を頼まぁ!」
「ハァイ♪ お任せだよー」
と麻夜がヘッドショットを決める。
 固まったところを鴉乃宮 歌音(ja0427)と向坂 玲治(ja6214)が火炎放射器で燃やす。
「はーい、ゾンビは消毒ー」
 歌音はガンマン風カウガールの格好で、楽しそうに火炎放射器を操る。
「悪いが全員火葬決定だぜ」
 ニヤリと笑いながら、隣で玲治も引き金を引く。
 桃香 椿(jb6036)と桐生 智与(jb1659)が散弾銃やショットガンをぶっ放して、燃え残ったゾンビを散らしていく。散り散りとなったところに、一気に突入する。
 一歩足を踏み入れれば、まだ息のあるゾンビが這いずりながらつかみかかる。椿は、足に絡みつこうとしたゾンビの頭を踏みつける。ぐりぐりっと足を動かし、トドメにズドンと身体を吹き飛ばす。
「女王様とお呼びってね♪」
 遊夜と麻夜が続いて突入する。背中合わせにゾンビを撃ちながら、麻夜は楽しそうに、遊夜に話しかける。
「たいちょー、後ろはお任せだよー」
「俺ぁ隊長じゃねぇって、いつも言ってんだろー?」
 頭をぽんぽんなで回しながら、遊夜は返す。
「はいはい、わかったよたいちょー」
「同じ隊員なだけだろうに。まったく、怪我すんなよ?」
 ころころと表情を変えながら、会話を続ける。緊張感がないように見えるが、この会話中にも息を合わせ、ゾンビを屠っていた。
 歌音、玲治も火炎放射器をそのままに突入していく。エントランスは、群がっていたゾンビを滅しても、まだまだゾンビがうようよしていた。椿、桐生もゾンビを散らしていく。
 やや遅れ、遠石 一千風(jb3845)が拳銃と剣を駆使して、ゾンビに対峙する。エントランスの広さとゾンビの数を見ながら、決意を改める。
「これは大規模ね。でも、必ず助け出しましょう」
 エントランスに残された生存者がいないかを、くまなく探しながら取りこぼされたゾンビを倒す。最後に、各務 与一(jb2342)が扉を閉めて中へ進みいる。
 締められた扉は、特殊部隊によって再びゾンビが漏れ出ないように鎖がかけられた。それを確かめ、与一は表情をかためる。無線で、特殊部隊に告げる。
「作戦、開始します」


 エントランスを仮制圧した対策チームは、二手に分かれて左右からシェルターを目指すことにした。αチームとして、フードコートに回ったのは、遊夜、麻夜、玲治、椿だ。
 玲治が先行し、火炎放射器でゾンビを減らしていく。燃料メーターを気にしながら、
 その後を遊夜と麻夜が追いかける。椿は一人、のらりくらりとついて行く。
 フードコートは、飲食店の他にもスーパーマーケットが併設されている。外側を駆逐したら、次は内側だ。電源の切れた自動ドアをこじあけて、その内部へと進みいる。
 食欲を減退させるような光景が、そこには広がっていた。
 隊列を崩さず、四人はゾンビを駆逐していく。
 麻夜は、邪魔な奴らを撃ち抜いて、すかさず脇に置いてあったカートをとってくる。
「先輩のガトリング、弾は重いし消費が早いからねぇ」
 くすくす笑いながら、スーパーに置かれた日用品から武器になりそうなものを少し入れておく。遊夜が持ってきたカートを受けて、いう。
「この先のホームエリアで、武器をたんまり補充だな」
 そんな二人から離れ、椿は肉屋の業務用冷蔵庫へとつかつか近づいていく。
「ここで隠れる場所って、業務用冷蔵庫が定番やろ♪」
 群がってこようとするゾンビを丁寧に、ショットガンで撃ち抜きながら取っ手に手をかける。
「役得役得♪」
 嬉しそうに扉を開けると、そこにはハムの代わりにデブがいた。
「……これは食べられまへんな」
「おい、そんなところで何を……生存者か?」
 のぞきに来た玲治が、そいつを確認する。生きのいい、肌つやのある、デブだった。


 その頃、ブラボーことβチームはファッショナブルエリアを進んでいた。
「これ、これ、これも使える」
 生存者を探しつつ、歌音は捨て置かれていたバックパックを拾いあげる。その中に、使えそうな綺麗な布やナイフなどを入れていく。
 このエリアには、刀剣類を取り扱う店があった。
「簡易なものなら、自己防衛用に使えるわね」
 緊急事態につき、一千風がシューウィンドウを破り、数本を拝借する。
「近づかせません」
 冷静に、弾幕を張り、地を這ってくるゾンビも確実に仕留める。
 歌音はショッピングカートを拾い、一千風から武器を預かって武装カートへの改造を試みる。
「これで、一気になぎ倒しましょう」
 がらがらと音をたてて、歌音はカートを押し出していく。が、ちょっとした躓きで勢いが殺され動きが鈍る。
「危ないですよ」
 αチームと連絡をとっていた与一が、歌音に迫ろうとしたゾンビを撃ち抜きながら声をかける。歌音は、一つ嘆息し、武装カートをあきらめることにした。
 一通りの準備を終えるとともに、ファッショナブルエリアを制圧していく。やはり、歌音の火炎放射器の威力は凄まじく、いらなくなったカートごと燃やし尽くす。
 一千風は、拳銃で牽制しつつ剣を振るう。一連の身体の動きは、流れるようで、演舞のようでもあった。
 桐生が、最後のゾンビの動きを止める。それを確認し、与一は連絡を入れた。
「ブラボーからアルファ。こちらはファッショナブルエリアをクリア。次のエリアに向かいます」
 何かを聞き、与一は顔をほころばせる。通信を切ると、皆を振り返る。
「生存者を見つけたそうです。シェルターまで同行するとのことです」
 この報告は、βチームに活力を与えた。他にもいるかもしれない。四人はガーデンエリアへと、足を踏み入れるのだった。


 ガーデンエリアは、さんさんと日の光を浴びて、のびのびとゾンビが闊歩していた。植物の多いエリアで、火炎放射器は首を絞めることもある。歌音は、チェーンソーに武器を切り替えて、近接戦闘を仕掛けていく。
 連携しながら、着実に前へと進んでいく。一千風は、邪魔となる花屋や温室のガラスを撃ち破りながら、漏らすことなく仕留める。
 半ばまで進んだところで、桐生が足を止めた。
「何か、聞こえます」
「あそこ!」
 何かに気付いたように、与一も指を差す。木の上に、生存者らしき女性がいた。パニックを起こしているのか、君たちの姿を認めると金切り声で叫びを上げている。
 周囲のゾンビを蹴散らし、与一が彼女を降ろす。叫び続ける女性を落ち着かせると、状況を説明した。まっすぐに脱出せず、シェルターへ向かうことに、彼女は再びパニックに陥りかけたが、
「助けるのが俺の役目だから、信じてください」
 そう与一に真っ直ぐ告げられると、閉口して頷いた。彼女には、護身用にナイフを渡しておく。与一と桐生が、健康状態等を確認している間に、一千風と歌音がエリアを制圧していく。
 途中から、歌音は庭整備用に放置してあった芝刈り機でゾンビを苅ってみる。だが、思った以上にうまくいかないもので、すぐに故障した。
 仕方なくチェーンソーに切り替え、中近接メインの一千風と背中合わせにゾンビを狩っていく。一通り、検査も終わり、彼女を連れてチームはパラダイスエリアへと足を踏み入れた。


 ホームエリアに辿り着いたαチームは、二手に分かれることにした。ガンショップに向かう組とホームセンターに向かう組だ。
 遊夜と麻夜は、ガンショップに辿り着くと弾丸と銃器をカートに乗せていく。
「ハッ、トロトロしてっと頭に風穴開いちまうぞ!」
「はいはい、貴方はそこまでだよー」
 代わる代わる攻撃主を変更しての、弾幕張り。ここなら弾丸に困らないからこそ、できる芸当だった。それでも店内へ入ると、入り口にゾンビが密集して壁となっていく。
「切り札の登場だぜぇ……吹き飛べや!」
 弾丸をたんまりと身につけながら、遊夜がガトリングに持ち替えた。今までの比ではない弾の嵐がゾンビを勢いよく吹き飛ばしていく。一通り、撃ち終えると補充をして脱出。
 麻夜はクスクス笑いながら、近づく奴に鎖鞭をお見舞いする。
「腐ってる頭とか足とか……耐えれないもんね?」
 一方で、ホームセンターに向かった玲治と椿、それからデブ。
 玲治は火炎放射器の燃料を探したが、適合するものが見つからず、破棄を決めた。椿は、売り物の小型チェーンソーを手に取り、入り組んだセンター内を走り回る。
 盛大に肉片と血潮を浴びながら、玲治とデブの元へと戻ってきた。
「いやん、ビチョビチョになってもうた、思春期の男の子が前かがみになってまうわ」
 エロスというよりグロテスク、二人の男は生返事をしたのだった。
 合流後、玲治は麻夜に黄と黒のロープを手渡す。
「頼まれたモノだ」
「ありがとう。ゾンビは気づかないだろうし、時間もかからないから要所要所に仕掛けとくね」
 そういうと、ホームエリアにロープを仕掛けていく。あらかた片付けてはいるが、念のためだ。
 そして、βチームもパラダイスエリアへと突入する。


 二つのチームが再び合流した。
 遊夜、麻夜、歌音、与一の四人はシェルターへ赴き、他のメンバーはエリアの清掃に取りかかる。
「まさかこいつを使う羽目になるとはな」
 玲治は嘆息をしつつ、拳銃の残弾数を確認する。ガンショップからかっさらった弾丸や銃器で武器を補充し、個々にパラダイスエリアを制圧していく。
 一千風と椿は、アトラクションを稼働し、ジェットコースター上に残っていたゾンビを倒す。その後、ゴーカートを駆使して、ゾンビを轢殺していく。
「あたいのテクはどうや〜」
「楽しそうだなー」
 若干の温度差がありつつ、二人の行動で広範囲のゾンビが消えた。ただし、ゴーカートも耐久がなくなり動かなくなる。
 暗がりや狭いところにいたゾンビは、玲治と桐生がつつがなく倒していた。
 シェルターでは、
「遅れて悪りぃな。助けに来たぜぃ、ここから出るぞ!」
 と遊夜が威勢よく生存者を安心させる。
「大丈夫、安心してください。俺たちが必ず皆さんを連れて帰ります」
 与一はそういいながら、ワクチンや血清、負傷者への応急処置を行っていた。歌音がそれを手伝いつつ、武器を与えるモノと与えないモノの選別をする。
「怪我しないことが第一、焦っちゃ駄目だよ?」
 麻夜が刀剣類と銃器のどちらかを渡していく。そして、脱出の準備が整った。


 生存者を全員、シェルターから出すと同時に歌音に部隊からの無線が入った。
「ゾンビが第2フェーズに進んだぞ、急げ」
「了解。すぐに脱出しますので、もう少し待ってて下さい」
 通信を切ると、倒したはずのゾンビが周囲の肉片と混ざり合い、自己再生していくのが目に入った。異常な再生力を有するようになるのが、第2フェーズだ。
 ざわめく生存者をなだめ、囲うように護衛する。
 パラダイスエリアにも復活したゾンビが多くで始めていた。
 玲治が先行し、ゾンビを引きつけていく。その隙を突いて、与一、桐生、一千風が護衛対象を囲って走る。最後に遊夜、麻夜、椿、歌音が殿としての任を果たす。
 シェルターから一直線には行かず、玲治はぐねぐねと段差や入り組んだ場所を利用してゾンビを引きつけ、時には引き金を引く。
 それでも、再生力の早まったゾンビは湧き出てくる。負傷者もいるがため、駆けぬけることはせず、確実な活路を切り開く。故に、弾丸は拾って来ていたものの、パラダイスエリアを抜けるときには、尽き果ててしまう。
 桐生は、拳銃をゾンビに投げつけると、入手していた日本刀をすらりと引き抜く。まだ弾の残る歌音と切り替わり、前へと出た。
「此方に来なさい、亡者共。私がその首を斬り落とし、それをもって貴方方への供養とします」
 黒いコートを翻し、ゾンビを切りつけながら、宣言する。ゾンビは知って知らずか、飛び出てきた桐生に群がらんとする。与一が何か言いかけたが、桐生はさっと構え直していう。
「亡者は送る、生者を生かす。我々の役目は明白です」
 

 やっと辿り着いたエントランスは地獄と化していた。
 溢れるゾンビの波、そして、再生時に強化されたのか大型のゾンビまでいた。
「うぉおおお!」
 大声を張り上げて、玲治が再び端緒を開く。それに合わせるように、桐生がなめらかにゾンビを切り伏せていく。近づくモノがあれば、一千風と歌音が撃ち落とす。
 殿では、パラダイスエリアで復活したらしいゾンビとの猛攻が繰り広げられていた。
「殿は任せろ、薙ぎ払ってやんよ!」
 威勢よくガトリングをぶっ放し遊夜が言い放つ。
 そんな遊夜に対して、麻夜が笑いながら言う。
「先輩は、ボクが守ってあげるからね」
「ハッ、いってくれる」
 そんな二人と殿を努めていた椿が、突然叫びを上げた。
 どうしたと振り向けば、霰もない格好の椿がいた。あきらかに布面積が、減っている。
「猛攻に耐えきれなくなってきたわ〜」
 しかし、身体は大丈夫らしく、元気にチェーンソーをぶちかましていた。
 スムーズとは言い難い進行に、生存者の中には突貫しようとする者や不平不満を叫ぶ者もいた。そんな生存者を抑えつつ、一千風は気丈にいってみせる。
「絶対に諦めないで」
 とはいうものの、彼女もすでに弾薬は尽き果て、剣と拳で戦っていた。
「俺も覚悟をした上でこの場に立っているからね。奪わせは、しないよ」
 与一も眼鏡を外し、赤い瞳を晒して告げる。猛攻は続くが、出口は目と鼻の先に迫っていた。
 だが、扉の前にはバーゲン開場を待つ人の如く、ゾンビが沸いている。桐生は、日本刀を振るい複数を一気に斬り飛ばす。玲治は、残りの弾丸を惜しみなく使い切る。
 左右から迫るゾンビを抑えつつ、出口を開け放つ。生存者たちをそのまま押し流し、殿の到着を待つ。ガトリングの音が途切れ、遊夜が冗談めかしくいう。
「すまんな麻夜、ここまでらしい」
「先輩、大丈夫、一緒にいるから。一気に抜けましょう」
 麻夜が告げ、遊夜を引っ張る。
「うちも忘れんとってや」
 少し不満げに、やや楽しげに椿がいいながら後に続く。
 そうして、全員が出口へと辿り着く。最後に、歌音が全員の無事を確認し、硝子扉を閉じた。
「OK。ジェノサイド開始して」
 これを合図に特殊部隊が、容赦なく攻撃を加えていく。
 建物ごと、ゾンビを封殺しているのだ。

 爆煙が立ちこめるショッピングモールを眺めつつ、一千風が言う。
「任務完了。一息ついたらまた次ね」
 彼らに任務を伝える無線が、鳴り響く。
 この世にゾンビのある限り、彼らの戦いは続くのだった。


依頼結果

依頼成功度:成功
MVP: −
重体: −
面白かった!:5人

ドクタークロウ・
鴉乃宮 歌音(ja0427)

卒業 男 インフィルトレイター
夜闇の眷属・
麻生 遊夜(ja1838)

大学部6年5組 男 インフィルトレイター
崩れずの光翼・
向坂 玲治(ja6214)

卒業 男 ディバインナイト
夜闇の眷属・
来崎 麻夜(jb0905)

大学部2年42組 女 ナイトウォーカー
死者の半魂を得て糧とせん・
桐生 智与(jb1659)

大学部3年20組 女 インフィルトレイター
撃退士・
各務 与一(jb2342)

大学部4年236組 男 インフィルトレイター
絶望を踏み越えしもの・
遠石 一千風(jb3845)

大学部2年2組 女 阿修羅
釣りガール☆椿・
桃香 椿(jb6036)

大学部6年139組 女 アカシックレコーダー:タイプB