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マスター:牛男爵
シナリオ形態:ショート
難易度:普通
参加人数:8人
サポート:1人
リプレイ完成日時:2016/11/16


みんなの思い出



オープニング


「ねぇねぇ、今日は何の日か知ってる?」
 とある教室で、矢吹亜矢はポニーテールの黒髪を掻き上げながら問いかけた。
 それを見て、チョッパー卍が面倒くさそうに答える。
「おまえの誕生日だろ。それがどうした?」
「ちょ……ちょっと待って? そこは『俺たちが初めて一緒に牛丼を食べた日だろ』とかボケるところじゃない?」
「おまえの期待に応える必要ねぇだろ。おまえと牛丼を食った覚えもない」
 どうでもよさそうに言いながら、卍はギターのチューニングをはじめた。

「……ま、まぁいいわよ。あたしの誕生日を覚えてたんなら。じゃあ早速お祝いしてよね」
 えらそうに言う亜矢。
 だが卍は冷たかった。
「『祝う』? 『呪う』の間違いだろ?」
「なんでよ! あんたに呪われるようなこと、した覚えないけど!?」
「あのなぁ……。おまえ、全校生徒に迷惑ふりまいてるって自覚しろよ。パン戦争とか中華まんとか、おでんとか、焼肉とか、コロッケとか……どれだけ学園を騒がせれば気が済むんだ?」
「騒がせてるって失礼ね! あたしは少しでも学園を盛り上げようと頑張ってるんじゃない! みんなには感謝してほしいぐらいよ! そうだ、いいこと思いついた! あたしの誕生日を祝って『ファン感謝祭』を開くのよ!」
「AVのタイトルみたいだぞ」
「な……っ、どこからそういう発想がヒゃあああッ!?」
 いきなり絶叫して跳び上がる亜矢。
 振り返ると、そこには佐渡乃明日羽が立っていた。耳元に息を吹きかけられたのだ。

「なんでアンタは、いつも後ろから来るのよ!」
「前からのほうがよかった? 今日は亜矢の誕生日だから、お祝いに来たんだよ? なにがほしい? なんでも買ってあげるよ?」
「なにもいらないから、さっさと変態どもの巣に帰れ!」
「まぁそう言わないで? 誕生日祝いの感謝祭を開くんでしょ? だったら派手にやりたいよね?」
「だからって、あんたの助けはいらないわよ!」
「でもせっかくの誕生日祝いなのに参加者が一人もいなかったら悲しいでしょ?」
「そんなことありえないから! あたしは学園一の人気者なのよ!」
「でもほら、人が集まらない可能性は十分あるよ?」
「う……っ。だっ、だからってどうするのよ! まさか現金をばらまいて人をあつめるとかじゃないでしょうね!?」
「そんなことしないよ? でも天魔退治の依頼なら報酬が出るよね? その舞台をパーティー会場にすればいいんじゃない? 戦闘マニアの亜矢にはピッタリでしょ?」
「それは名案かもしれないけど……そんな都合よく天魔が出てくるはずないでしょ?」

 亜矢の反論はもっともだった。
 いくらなんでも、そんな都合よく天魔が出没するなど──
「おらァああああ! 学生どもォおおおお! 緊急依頼だァああああ! 海岸にディアボロが出現したぞォおおおお! ヒマなヤツは、すぐ集まれェええええ!」
 スピーカーから、ものすごい大声が響きわたった。
「マジ!? ディアボロまで、あたしの誕生日を祝いに来たの!?」
 あまりのタイミングの良さに、唖然とする亜矢。
「さ、行こうか? みんなの前で活躍を見せるチャンスだよ?」
 素敵な笑顔で微笑む明日羽だが、このディアボロは彼女が呼び寄せたものに他ならない。魔界の悪魔と結託している明日羽は、いつでも電話ひとつで海鮮ディアボロをお取り寄せできるのだ。

「……なんだか腑に落ちないけど、天魔が現れたんじゃ出撃しないわけにいかないわね」
 そう言って、亜矢は表情を引き締めた。
「うんうん。それじゃ、天魔退治しながら誕生日パーティーね?」
 無謀なことを言いだす明日羽。
「えーーと……よく考えたら、天魔退治のあとでパーティーやればいいんじゃない?」
「そんな普通のことをして、亜矢は楽しいの?」
「それはまあ……」
「撃退酒も用意してあるし、派手にやろう? 今回の主役は亜矢だよ?」
「そ、そうね! 今回はあたしが主役よ! よーし一丁やったる! 出撃ィ!」
 亜矢は脳天気に走りだした。
 待ち受けているのが歴代最強海産物軍団であることを、彼女は知らない。




リプレイ本文



「なにをのんびりしてるんです。あなたも参加するんですよ」
 亜矢を見送る卍の後ろから、雫(ja1894)が声をかけた。
「あァ? なんで俺があんな馬鹿げた……」
「なんだかんだ言って、いままで一緒に騒動を起こしてきた仲なんですからプレゼントのひとつでもしたらどうですか。薄情すぎますよ」
「ちっ、わかったわかった。敵を倒すまでは付き合ってやるよ。報酬も出るしな」
「プレゼントも忘れないように。ないとは思いますが、変な曲を作ってプレゼントとかは却下ですから。ああ、でもメタル以外のラブソングなら構いませんよ」
「だれがそんなことするか」
 そこへ袋井雅人(jb1469)が乱入してきた。
「ファン感謝祭を開催すると聞きましたよ! ここはAV男優の私が、文字どおり一肌脱ぎましょう!」
「脱がなくていい。亜矢の誕生日会ってだけだ」
「おお、今日は亜矢さんの誕生日でしたか! どちらにせよ自分的には外せないイベントなので、ぜひ参加させてもらいますね!」
 というわけで、3人は少し遅れて現場へ向かうことに。


 そのころ。砂浜には放送で駆けつけた撃退士たちの姿があった。
『亜矢ちゃん誕生日おめでとう』と書かれた垂れ幕の向こうには、酒や料理が並ぶ立食パーティー会場。
 波打ち際には巨大な海産物軍団。
 久遠ヶ原といえど、かなり異様な光景だ。
「あや? 誕生日会で銭湯って聞いて来たのに……お風呂じゃなくて戦うほうだったのだ? これはこれで派手で変わった誕生日だねー♪」
 石鹸やタオルの入った風呂桶を小脇に抱えつつ、焔・楓(ja7214)は無邪気に微笑んだ。
「え? 誕生日? ふーん」
 どうでもよさそうに言うのは雪室チルル(ja0220)
 亜矢とはそれなりに面識もあるのだが、とくに祝う理由も義理も人情もないので冷たい対応だ。ここに来たのも天魔を倒すついで。
「亜矢さん、ハッピーバースd……って誰が呼んだ、この歓迎できないゲストたち!」
 などと海産物を指差すのは、佐藤としお(ja2489)
 天魔の存在は最初から知ってたはずだが、このシチュにはツッこまずにいられないようだ。
「うぅん……以前の海産物軍より、あきらかに強化されてますねぇ……」
 真剣な顔で呟く月乃宮恋音(jb1221)は、対海産物戦闘のエキスパートだ。
 ただし勝てるかどうかは別問題。
「僕の宿敵ウニボロも強くなっているようですね。望むところです」
 エイルズレトラ マステリオ(ja2224)は誰よりも戦意に燃えていた。
 いままで何度となく対峙してきたウニボロと、今日こそ決着をつけるとき!
「やったぜ、タダめしラッキー♪」
 小声で歓声をあげつつ、ラファル A ユーティライネン(jb4620)はコロッケを食べていた。
 ふだんなら強敵には嬉々として襲いかかる彼女だが、今日は戦う気ナッシング。この手の海産物と戦っても時間の無駄なので、ばっくれるのがラファル流である。ちなみに今考えたらしい。
「なに勝手に食べてんの! まずはあたしにお祝いと感謝の言葉でしょ!」
 亜矢が怒鳴った。
「はいはい、おめっとさん」
「心が篭もってない! プレゼントはどうしたのよ!」
「なにも用意してねーや。この機械油いるか?」
「いらないわよ! ほかの人も何も持ってきてないの!?」
 一同を見まわす亜矢。
「えとぉ……私は、コロッケパンを作ってきましたぁ……」
 恋音が紙袋を手渡した。
「さすが恋音! KCBポイント+1よ!」
「そ、それはまずいのでは……」
 うろたえる恋音。
「僕は普通に花束とスイーツを持ってきたよ!」
 としおが花束を取り出した。
「ラーメンじゃないの?」
「そっちのほうがよかったか。じゃあ来年はそうしよう」
 約束するとしおだが、亜矢の誕生会は今回が最初で最後!
「あ、プレゼント忘れてたのだ。ええと……これ上げるのだ♪ お風呂で使ってほしいのだ♪」
 楓は自分の風呂桶セットを差し出した。
「そんな使用済みのタオルとかもらっても……」
「いらないなら私がもらうよ?」と、明日羽。
「あんたに渡すぐらいならアタシがもらうわよ!」
 亜矢が風呂桶をひったくった。

 そこへ、卍、雫、雅人が到着。
「亜矢さん、ハッピーバースデー! これは私からのプレゼントです!」
 雅人が取り出したのは、いま人気のメタルバンドのライブチケットだった。しかも2枚ある。
「なにコレ。知らないバンドだけど」
「よけいなお世話なのはわかってますが、亜矢さんも好きな人の趣味を理解する努力をしてみてください。きっと新たな展開があるはずですよ」
「は、はァ!? なに勘違いしてるのよ!」
「亜矢さん、そろそろ自分に正直になってください。それからチョッパー君にはこれを授けましょう」
 次に雅人が出したのは、自ら出演したAV『田●式・秘技伝授』
「意味わからねーぞ」
「これを見て女の子を喜ばせる技を磨いてください。ギターで鍛えたフィンガリングをいまこそ見せるときです!」
「大丈夫かコイツ」
 大丈夫なはずなかった。
 そんな連中を尻目に、雫は海のほうを眺めている。
「あの天魔たちは、なぜ襲ってこないんでしょうね。……最近思うんですが、海産物の連中って一般人に被害を与えず撃退士だけを痛めつけて帰ることから、一種の怨念の類じゃないんですかね。恨みを持つ撃退士のみに被害を及ぼすことから考えると間違ってない気が……」
 推察を述べる雫。
 当たらずとも遠からずと言ったところか。

「とにかく戦闘を始めましょう。僕はウニボロを担当します」
 エイルズが前に出た。
「あたしはイカさんと遊ぶのだ♪ 悪さする触手は斬っちゃうよー♪ とつげーき♪」
 真っ白なマイクロビキニに着替えると、作戦も立てないまま楓は突進した。
「ならば僕はタツノオトシゴの相手をしよう。……おっと、その前に一杯」
 と言いつつ、撃退酒のボトルをあおるとしお。
「私は後方で支援しますよぉ……。亜矢先輩、思いきり暴れてくださいねぇ……」
 恋音も阻霊符を使いつつ戦闘態勢に入った。
 亜矢に活躍をゆずったかに見えるが、じつは囮にしただけ!
「では私も行きますよー! 今日は装備もスキルもガチです! 海産物の皆さんを適当に全力で殲滅しましょう!」
 遅れてなるかと、雅人もライフル片手に飛び出した。

 そんな仲間たちを横目に、チルルは封砲で砂浜を掘り始めていた。
 対ウニボロ用の落とし穴作戦……と見せかけての、WW1的塹壕戦術である。
「この中なら安全よ! さぁパーティーパーティー!」
 などと言いつつ、塹壕に入ってケーキをほおばるチルル。
「おお、名案じゃねーか。ここで『蜃気楼』とか使えば完璧だぜ」
 ラファルも塹壕に飛び込んで料理を食べる。
 ふたりとも敵をガン無視! 戦う気ゼロ!
「天魔を見たら即突撃の脳筋ふたりが、こんな所で何してるの? みんな戦ってるよ?」
 明日羽が塹壕を覗きこんだ。
「天魔より、まずはパーティーよ。あんたもどう?」と、チルル。
「ヘタすりゃ会場ごと轢き殺されそうだなーと思ったけど、この中なら大丈夫だろ。戦闘狂どもの阿鼻叫喚を肴にタダ飯パーティーしようぜ」
 ラファルも塹壕から出るつもりはないようだ。
「じゃあ私も付き合うけど、ここはたぶん安全じゃないよ?」
 明日羽はニッコリ微笑んだ。


 さて戦闘開始。
 まず封砲でイカ天に初撃を決めたのは楓だ。
 だが無数の触手に妨害されて、胴体には届かない。
「邪魔な触手は切り落とすのだー! てやっ!」
 全力跳躍で触手を跳び越えると、楓は敵の懐に潜りこんで布槍を振りまわした。
 手当たり次第に触手を切断しようとする楓だが、そう簡単にはイカない。
「ふわわ!? からみつかれたのだ!? こーらー! 水着取るんじゃないのだ! 変なところさわるんじゃないのだー! あやややーー!?」
 たちまち拘束されて、全身ねちょねちょになってしまう楓。
「これは危険ですねぇ……いま助けますよぉ……」
 恋音は射程ぎりぎりからライトニングを放った。
 だが、そのとたん。いつもより長い触手に足首をからめとられ宙吊りにされてしまう。
 そしてヌラヌラ光る触手の先端が、恋音の***に!
「こ、これは……温存している場合ではありませんねぇ……OP薬νの出番ですよぉ……」
 いつもの手で砂浜もろとも天魔を押しつぶそうとする恋音。
 だが──ボトルを取り出した瞬間、触手がそれを叩き落とした。
「え、えええ……!?」
 それなら他の薬品を……と思う恋音だが、すでに全身雁字搦めで動けやしない。
 幾多の戦いを経て学習したイカ天にとって、この程度の対応は当然だ。
「恋音、いま助けますよ!」
 おっぱい膨張かラファルの爆破で全て解決!などと甘く見ていた雅人だが、さすがにここは彼の出番だった。
 無造作に銃をかまえ、触手めがけて目視で撃ちまくる雅人。
 だがそこへ、タツノオトシゴから放たれた収束レーザーが炸裂!
「アバーッ!?」
 雅人は血まみれで吹っ飛び、恋音と楓はイカ天の慰み者に!
「空中の敵にはイカロスバレット! お約束だね!」
 撃退酒片手に、としおはオトシゴめがけて狙撃銃を連射した。
 が、分厚い鱗に阻まれて傷ひとつ与えられない。
「ならば、アシッドショットで装甲を溶かす!」
 と言った瞬間。回避不能の弾幕レーザーが飛んできて、としおは砂浜ごと爆発した。
 こんな天魔に1人で勝てるか!

「なにやってんの、あいつら。まぁこっちは気にせずウニ退治よ!」
 転がってくる球体めがけて、亜矢は火遁を発射した。
 が、まるで通じない。
「少しは学べ! アイツに普通の攻撃は通じねぇんだよ!」
 怒鳴りながら、卍はギターの音波攻撃を放った。
 しかし、これも効果なし。
「うかつに近付けませんし、遠距離攻撃も通じないなら毒しかなさそうですが……効くのかな」
 小首をかしげつつ、雫は邪毒の結界を発動。
 だが、これもダメージゼロ!
「それならパサランの出番です。さあカー●ィのごとく敵を吸い込みなさい。ついでに能力をコピーするのです」
 無茶なことを命令する雫。
 直径5mのウニを飲み込めるはずもなく、パサランも雫も亜矢も卍も轢き殺されてしまうのであった。
「これは冷静に考えて勝ち目ありませんね。ひとまず戦略的撤退です」
 仲間があっさりやられるのを見て、エイルズは正面から戦うのを諦めた。
 そして「うわあああ! たすけてえええ!」などと叫びながら、ウニをひきつけて走りまわる。
 その暴走はとどまるところを知らず、倒れていたとしおと雅人を死体蹴りのごとく轢き殺し、パーティー会場を踏みつぶし、イカ天と正面衝突!……するかに見えた直前、ウニボロ大ジャンプ!
 華麗に同士討ちを回避して、エイルズの頭上から彼を押しつぶしたのであった。
 戦闘力が上がっただけでなく知恵までつけた海産物軍団に隙はない!

 結果、天魔側はほぼ無傷で残存。
 撃退士側は塹壕で遊んでる3人を残すのみとなった。
 ちなみにサメ型は姿を見せてすらいない。

「なんか静かになったと思ったら、全員やられてるじゃねーか。情けねーな」
 蟹コロッケをかじりつつ、ラファルは塹壕から顔を出して外の様子をうかがった。
 その気配を察して、ウニとオトシゴが猛スピードで向かってくる。
「おっと来やがったな。こんなときのために対策は練ってあるぜ。用意おさおさ怠りなしってな!」
 ラファルは塹壕から飛び出すと、光纏して盾をかまえた。
 そしてシールドリポスト発動! 正面からウニボロの突進を迎え撃ち、オトシゴめがけて弾き返す!
 ……なんてことができるわけもなく、ウニから発射された毒針で麻痺したラファルはそのまま轢きつぶされ、レーザーに撃ち抜かれて爆発四散したのであった。

「あら? これで残ったのは私とチルルちゃんだけだね?」
 計画どおりという感じで、明日羽が微笑みかけた。
「たよりにならない連中ね! やっぱり学園さいきょーのあたいが戦わないとダメだったのよ!」
「あ、そこに立ってると危ないよ?」
「え?」
 その直後、チルルの足下から飛び出したギドラシャークが彼女をくわえて空中へ舞い上がった。
 チルルの全身から、ベキバキと骨の折れる音がする。
「あいたたたた! 食われるー! サメは天敵なの! 助けて明日羽!」
「いいけど、お礼は高くつくよ?」
「なんでも払うから早く!」
「じゃあ今日はお持ち帰りね?」
 明日羽がパキッと指を鳴らしたとたん、サメの大顎からチルルが落ちてきた。
 それをお姫様だっこで受け止めて、チルルの全身をペロペロする明日羽。
「いひゃあああ!?」
「これが私のヒールだからね? 知ってるよね?」
 などと言いつつ、明日羽はチルルを押し倒すのであった。


 撃退士側完全敗北!
 任務失敗!
 と思った瞬間!

「そうはさせないのだー!」
 触手に拘束されていた楓が、隙を突いてヌルッと抜け出した。
 なんだかビキニが脱げてるような気もするが気のせいだ! 脱げてないよ!
「イカさんは柔らかくてダメだったけど、サメさんになら効きそうなのだ! えいっ!」
 全力跳躍からの踵落としが、三つ首鮫の脳天にヒットした。
「援護するぞ! 空中の敵にはイカロスバレット!」
 死んだはずのとしおだが、撃退酒で一時復活。
 鮫に向けてライフルを撃ちまくる。
 ここから反撃の狼煙が……と見えた直後、鮫の顎から巨大な火の玉が3発同時に発射されて、としおも楓も消し炭に。ついでに生き返ると面倒なので、ラファルにも1発ぶちこまれて完全KO!

「こ、これはピンチですねぇ……なんとかしないとぉ……」
 触手で滅茶苦茶にされながらも、恋音は諦めてなかった。
 彼女には最後の切り札『びわゼリーLV5』がある。これと『胃腸薬LV5』を併用すれば……!
「い、いまがチャンスですぅ……!」
 触手の蠢く合間を縫って腕を引き抜くと、恋音は素早くゼリーと胃腸薬を飲みこんだ。
 その瞬間!
 ウノレトラマンの変身エフェクトみたいに恋音は巨大化! 高層ビルサイズの巨娘と化してイカ天の触手を引きちぎり、本体を蹴り飛ばして海の藻屑に変えた!
 さらに素早く向きを変え、ウニボロを踏みつぶそうとする恋音。
 だが敵は踏まれる寸前に急カーブして、恋音の足の小指に激突!
「〜〜〜〜っっ!?」
 あまりの激痛に悶絶し、巨大恋音は涙目でうずくまった。
 追い討ちをかけるように、海からはゴジ●型ディアボロが上陸!
「な、なぜ出てくるのですかぁ……っ!?」
 じつはエイルズが『最強の敵は最強の援軍となりえる』と考えて、召喚獣に誘導させてきたのだ。海産物軍団との同士討ちを狙っていたのだが、強化された彼らにその手は通じない。
「アオオオオオオンン!」
 例の雄叫びとともに放たれた放射熱線が一瞬で恋音を打ち倒し、辺り一面を火の海に沈めた。
 これにて亜矢の誕生日パーティー完全決着!
 生き残った海産物軍団とともにゴジ●は海へ帰ってゆき、海岸には静寂が取りもどされた。

「これで誰にも邪魔されないね、チルルちゃん?」
「はぅわあああ……」




依頼結果

依頼成功度:成功
MVP: −
重体: −
面白かった!:5人

伝説の撃退士・
雪室 チルル(ja0220)

大学部1年4組 女 ルインズブレイド
歴戦の戦姫・
不破 雫(ja1894)

中等部2年1組 女 阿修羅
奇術士・
エイルズレトラ マステリオ(ja2224)

卒業 男 鬼道忍軍
ラーメン王・
佐藤 としお(ja2489)

卒業 男 インフィルトレイター
パンツ売りの少女・
焔・楓(ja7214)

中等部1年2組 女 ルインズブレイド
大祭神乳神様・
月乃宮 恋音(jb1221)

大学部2年2組 女 ダアト
ラブコメ仮面・
袋井 雅人(jb1469)

大学部4年2組 男 ナイトウォーカー
ペンギン帽子の・
ラファル A ユーティライネン(jb4620)

卒業 女 鬼道忍軍