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マスター:牛男爵
シナリオ形態:ショート
難易度:易しい
参加人数:6人
サポート:3人
リプレイ完成日時:2016/10/02


みんなの思い出



オープニング


 久遠ヶ原学園が誇る、仮想戦闘シミュレータ──通称『VBS』
 命の危険なく様々な状況での戦闘訓練ができる、最先端科学の結晶だ。
 新入生から超ベテランにいたるまで、日々多くの撃退士がその恩恵にあずかっている。
 上級者ともなればもはやVBS中毒と言って良いありさまで、ほぼ毎日のように利用する者さえいるほどだ。
 もしかすると『あなた』も、そんな中毒者の1人かもしれない。

 その日──あなたが校内を歩いていると、『フリーVBS開放中。体験者募集』なる貼り紙が出ていた。
 どうやらVBSのシステムを真似て作られた、独自のシステムらしい。こんなことができるのはタダモノではないが、久遠ヶ原にはそういう人間もいるのだ。
 なんにせよ無料なら利用しない手はない──ということで、あなたはこの少々怪しいVBSのパチモンを体験してみることにしてしまった。あるいは単にヒマだったとか、じつは自分もVBSを作ってみたかったとか、そういう理由かもしれない。
 いずれにせよ、今あなたは仲間たちとともに仮想現実空間に立っていた。

 見渡すかぎり、真っ白な雪に覆われた銀世界。
 のどかなスキー場みたいな場所ではない。猛烈な吹雪に襲われる、酷寒の雪山だ。
 この空間にログインした瞬間、あなたたちの誰もが目を疑っただろう。
 無理もない。本来ならここは『夏の海の砂浜』で、ブラックシープやら何やらのザコをサクッと片付けるだけのはずだったのだ。
 夏の海に行くつもりでいたあなたたちは、当然ながら軽装である。もしかすると水着かもしれない。そんな状態でブリザード吹き荒れる冬山に放り込まれたら、撃退士でも死にかねない。もちろん仮想空間なので実際に死ぬことはないが、メチャクチャ寒いのは現実だ。
 オペレーターが設定をまちがえたのか、それともシステムがバグったのか、あるいは誰かにハッキングされたのか、そもそも最初から怪しかったのだとか……理由は色々と考えられる。タダほど高いものはないという言葉どおりだ。
 だがとにかく、あなたたちは意図しない仮想空間へ放り込まれ、ログアウトさえできない状況に陥ってしまったのだ。

 そこへ襲いかかってくるのは、全長20mサイズになった巨大なクノイチ少女・矢吹亜矢。
「アンタたちの座布団は全部没収よぉぉ!」
 よくわからないことを叫んでいるが、それはいつものことだった。
 しかも崖の上からは何故か大量のナマコが転がってきたり、雪の割れ目から現れた巨大七輪の上では無数の招き猫がカンカンダンスを踊りつつ長崎ちゃ●ぽんのCMソングを歌っていたりする。背景には、突如として現れる五重の塔みたいなプロレスのリング。トラクタービームで捕獲した牛を返品する未確認飛行物体(焼きそば)。ありえない速度で疾走してくるマッチョなパンダとナマケモノ……などなど周囲一帯は現実に存在し得ないシュールなものばかり。抽象画みたいなデザインの天魔が、あちこちうろついている。
 あなたたち自身も急に体型が激変したり(これはいつものことだが)、いきなり性格が豹変したり(これもいつものことだが)……と、まともな判断ができる状況ではなかった。
 命の心配はないにしても、このままでは精神的な後遺症が残るかもしれない。
 原因も解決法もまったく見当つかないが、一刻も早くこの魔空間を脱出するのだ!




リプレイ本文



「うわははははっ、今日はビーチにスイカ割りに来たハズなんですが、なんですかコレは! はははははっ!」
 ブリザードの吹き荒れる雪山を前に、袋井雅人(jb1469)は大笑いした。
 ビーチでのスイカ割り訓練と聞いてインチキVBSにログインした彼は、当然のごとく海パン一丁だ。武器も大剣一本だけ。現実だったら死んでる。

「お、おお……? これは一体……!?」
 月乃宮恋音(jb1221)も、いつもの牛柄ビキニで雪山に放り出されていた。
 なぜか普段より二回りほどぽっちゃり体型になってるが、この空間のせいか体質のせいかは不明。

「日頃の鍛錬の成果を試そうと思って参加したのに……なんなんだこれは!」
 怒りと驚愕の混じった口調で、遠石一千風(jb3845)が怒鳴った。
 夏の浜辺でスイカ割りタイムアタックのつもりで来た彼女も、当然のように水着姿だ。それもピチピチの競泳水着。
 スラリとしたモデル体型は、ぽっちゃり豊満ボディの恋音と対照的である。

「なるほど、この過酷な環境と敵の猛威の中で最高の一杯を作れってことだな? できぬわけがなかろう! あーはっはっはっー!」
 意味不明なことを言って高笑いするのは、やはり水着姿の佐藤としお(ja2489)
 はたして、この犬カレー空間みたいな場所でラーメンを作ることが可能なのか?

 彼らの周囲にあるのは──大量のナマコ、巨大七輪、踊り狂う無数の招き猫、空飛ぶカップ焼きそば、疾走するパンダ、巨大な牛(貴族)、そして五重の塔みたいなプロレスのリング……などなど。ほかにも幼児が書き殴ったみたいな姿の天魔が無数にうろついている。

「うぅん……なにか妙なことになってますが……VBSなら『設定された敵』を倒せば出られるはずですねぇ……」
 とまどいつつも、恋音は冷静だった。
「さすが恋音ですね! こんな滅茶苦茶な状況ですが愛していますよっ!」
 がばっと抱きつく雅人。
 そしてそのまま押し倒し、脈絡なくおっぱじめようとする。
「せ、先輩!? こんなところでナニをするんですかぁぁ……っ!?」
「おっぱい! とにかくおっぱいですよ! 5周年を期に、私はいつでも後悔のないよう自由に生きることにしたのです!」
「これは自由すぎますぅぅ……っ!」
 と言いながらも、あまり抵抗しない恋音。
 その直後、『蔵倫』と書かれたヤギが走ってきて盛大に雅人を吹っ飛ばした。
「袋井先輩ぃぃ……っ!?」
「愛してますよ、恋音ぇぇぇ……!」
 こうして雅人は雪山の彼方に消えた。

「まずは暴れヤギか! さあ、どっからでも掛かってきなさいっ!」
 としおが身構えた。
 突進してくるヤギめがけて、某蜘蛛男のごとく糸を……もとい、麺をぶしゃーっと放出!
 スープによく絡む麺が、敵を絡めとる!
「テモミメンダーネェェット!(バリカタですか?」
 そして動きを止めたところを、ライトセイバーならぬネギセイバーで一刀両断!
「キリスギルトメニシミール!」
「メエエエッ!?」
 斬られたヤギは爆発四散!
 次に襲ってきたのは、怒濤の羊。
「ムム、多勢に無勢か? ……なんのっ! メンマバルカァァァン!」
 としおの指先から迸る無数のメンマが、羊の群れを一網打尽にした。
 この謎空間にふさわしい、シュールな攻撃だ。なにコレ。
 ともあれ、としおの戦いぶりは凄まじかった。ギザギザのナルトが回転ノコのように敵を切り裂き、鋭いモヤシが突き刺さり、巨大なレンゲが撲殺する。他の人の出番がないほどの、圧倒的ラーメン力!

「よし、ザコはラーメン王に任せよう。私は五重の塔に挑む」
 これをクリアすれば脱出できるかもと考えて、一千風は塔に乗りこんだ。
 1階に待ち構えていたのは、謎の石膏像。
「勝負だ……っ」
 リングを舞台に、競泳水着で石膏像に殴りかかる女子高生。
 だが当然、相手は硬い。
「痛ぁぁぁッ!」
 魔具で殴れば良いのだが、プロレスのリングという舞台が一千風の判断力を鈍らせていた。
 だがここは冷静に関節技でクリア。(石膏像の関節ってどこだ
 続いて、2階のヒヨコ(東京銘菓)、3階の用具ロッカー、4階のショートケーキ、とプロレス技で撃破してゆく。
 そして最上階に立っていたのは……一千風のコピーだった。
 ラスボスが自分自身というのは、ゲームでよくあるパターン!
「私はあなたの影に秘められた人格。裏一千風だ。行くぞ!」
 言うや否や、ニセ一千風は水着を脱ぎだした。
「うわあああっ! なにする気だ!」
 なにしろ外見は自分自身なので、慌てて止める一千風。
 だが逆にタックルで組み敷かれ、素早く唇を奪われてしまう。
「な……ななな……っ!?」
「これがあなたの本当の人格。また会おう」
 そう言うと、裏一千風はリングを飛び降り駆け去っていった。
 しばし唖然としつつも、あれを放置してはおけないと思って追いかける一千風。



 一方そのころ。
 満月美華(jb6831)は他のメンバーと違う場所にログインしてしまい、ひとり雪山をさまよっていた。
 もちろん水着なので、いまにも凍りつきそうだ。しかも今回はスレンダー仕様なので、自慢のミートテックも使えない。
「さ、さむい……どこか暖かい場所を見つけないと……」
 山小屋があればいいけど洞窟でも構わないと思いつつ、周囲を見回しながら歩く美華。
 すると彼女が見つけたのは、スケキヨ状態で雪の中に突き刺さってる雅人の姿だった。
「これは猟奇殺人事件!? ……いえ、まだ生きてるかも!」
 美華が掘り出すと、雅人は奇跡的に息を吹き返した。
「いやあ助かりましたよ、美華義姉さん。いつもながら立派なおっぱいですね」
「それはいいけど、どこか休める場所はないかしら」
「わかりました、まかせてください。ラブコメ理論で言えば、遭難した男女の前には必ず山荘や洞窟が現れるものです! そう、たとえばあの辺りに!」
 雅人が指差す先には、いま掘ったのかというぐらい都合よく洞窟が!
「さすがラブコメ仮面ね。行きましょう」
「ラブコメの力は無限です!」
 というわけで、ふたりは洞窟に入って焚き火を焚いた。
「外よりは良いけど、まだ寒いわね。おなかもへったし……」
「そんなときこそ納豆の出番ですよ!」
 雅人は海パンの中から藁納豆を取り出した。
 どこかの特殊刑事みたいだが、水着一丁なので仕方ない。
「うーん……それはちょっと」
 ともかく一息入れようと、ペットボトルを手に取る美華。
 だが彼女は失念していた。中身を撃退酒に詰め替えていたことを。
 一口飲んだ瞬間、美華の腹部がボンッと膨れあがった。
 さらに雪で滑ってバランスを崩し、雅人を巻き込んで転がりだす。
「ふおおおおっ!?」
「きゃあああっ!?」
 肉団子みたいになった二人は洞窟を飛び出し、雪の中をゴロゴロ転がっていった。



 場面替わって、恋音のターン。
 あまりの寒さで戦闘どころではなくなった彼女は、寒さをしのげる場所を探していた。ぽっちゃり脂肪の鎧があるとはいえ、このまま外にいたら凍りついてしまう。
 じきに見つけたのは、大きな山荘だった。
「おぉ……探してみるものですねぇ……。あとは服があると、うれしいのですけれど……」
 山荘に入ると、恋音は衣服を探しはじめた。さすがにビキニのままではつらい。
 現実空間では彼女の体型に合う服など滅多にしか存在しないのだが、さすがは謎の仮想空間。あつらえたようにピッタリのシャツやコートを見つけ出すことができた。
「これはありがたいですねぇ……現実もこうだと、助かるのですけれどぉ……」
 無理なことを言いながら、恋音は山荘の探索を続けた。
 もしかすると脱出の鍵が見つかるかもしれない。

 やがて恋音は広大な空間に出た。
 しかも何故か大量の食物が置かれている。保存食ではなく、調理された肉類やスイーツだ。
「ここは仮想空間ですし、いくら食べても体型に影響ありませんよねぇ……?」
 などと言いつつ、普段あまり口にしない乳製品のスイーツを食べてみる恋音。
 バーチャルのせいか、その味は完璧だ。
「これは素晴らしい仕事ですねぇ……手が止まりませんよぉ……」
 別人みたいな勢いで、恋音は食欲の赴くまま食べまくった。
 仮想空間だからというだけでなく、なにか箍が外れているようだ。
 じつはこのとき現実の恋音本体は食べた量に応じて肥満化しているのだが、仮想世界にいる間は気付きようがない。

 そこへ現れたのは、競泳水着のままの一千風だった。
「おお……遠石先輩も、ここを見つけましたかぁ……。さがせば、丁度良い服も見つかると思いますよぉ……」
「服などいらない。さぁたのしもう」
 つかつか歩み寄ると、一千風はいきなり恋音を押し倒した。
「えとぉ……!? そういう趣味の方でしたかぁ……!?」
「そう、これが私の本来の姿」
 その直後、もうひとりの一千風が駆け込んできた。
「ちょっと! なにしてるの自分!」
「やりたいことをやってるだけだ」
「そんなこと、やりたくないから!」
「嘘をつくな、正直になれ」
 自分同士で言い争いを始める一千風。
 いっそ暴力で……とも考えるが、影響が怖くて手を出せないのだ。
『それにしても月乃宮さんが一緒の依頼はいつも変だ』と思いつつ、一千風は過去の依頼を思い出してみた。
 最近ではヌルヌルネトネトの淫猥ゲート攻略。
 その前はジョブ占いでの轢き逃げ。
 焼肉しながら天魔退治とか、スカートめくり退治とか、ドラゴン(格闘家)退治の依頼もあった。
 どれも普通じゃない。もしや月乃宮さんが黒幕では……とさえ思える。

「あのぉ……とりあえず、私の上から降りてくれませんかぁ……?」
 恋音の声は震えていた。
「そうだ! 降りろ!」と、一千風。
「いやだね」
 裏一千風は恋音に馬乗りになったまま、胸元に手をのばした。
 その瞬間

 どかあああああん!

 美華と雅人の巨大な雪玉が突入してきて、3人を吹っ飛ばした。
「おお、恋音! ここにいたんですね! さぁ続きをしましょう!」
「えええええ……!?」
 せっかく一千風から解放されたのに、すぐさま雅人に押し倒されてしまう恋音。
 美華は「あらおいしそう」などと言いながら、平然と料理を食べ始める。
「やっぱり普通じゃない……」
 ありえない展開に、一千風はボソリと呟いた。
 だが、このあと。普通じゃない展開が加速する。

 まずは、すごい衝撃とともに山荘の屋根が崩れた。
 そこから10mほどもある巨大な腕が入ってきて、雅人をつまみあげる。
「な、なにごとですか!?」
 バキバキボトボトという音がして、ちぎれた雅人の脚が落ちてきた。
 断面にはモザイクがかかっている。
「せ、先輩ぃぃっ!?」
 コメディから一転してR15な残酷シーンに突入し、恋音は本気で叫んだ。
 あまりのことに、一千風と美華も声を失っている。

 見れば、崩れた天井の向こうに巨大な人影が立っていた。
 山荘の屋根より高いのだから、サイズは推して知るべし。
「お、おぉ……あれは、黒百合さんですよぉ……!?」
 恋音の言うとおりだった。
 山荘を襲ったのは、身の丈50m以上の黒百合(ja0422)
 その腕が動いて、さらに山荘を破壊する。
「ここは駄目だ。脱出しよう」
 一千風が走りだし、恋音と美華も続いた。
 こうなっては食事どころではない。
 そして彼女たちが外へ出てみると、そこには想像を絶する光景が広がっていた。

 雪山のあちこちを我が物顔で闊歩する、巨大黒百合の群れ。
 大きさはまちまちだが、皆一様に何かを食べている。
 天魔も野生動物も人間も区別なしだ。手当たり次第に捕食している。完全に『進撃の黒百合』状態である。
 どう見ても勝てる相手ではないが、ほかならぬ黒百合本人が自らのコピーと戦っていた。
 透過と飛行、あらゆる戦闘スキルを駆使して、巨人の目や頸部など弱点を狙って攻撃する。
 その戦いぶりは流石の一言だが、なにしろ相手は自分自身を巨大化させたものなので勝ち目はない。
 ただし黒百合はログイン前に設定をいじっていた。『何回死んでも自動で復活する』という具合に。
 そのため彼女は、死んでは突撃死んでは突撃ということを繰り返している。
「あァ、これこそ理想の世界よォ……死んでも死んでも何度でも戦い続けられるなんて素晴らしいわァ……♪ いつか世界をこんな理想郷にしたいわねェ♪」
 見たことないほどの極上笑顔で、戦闘を続ける黒百合。
 腕や脚を引きちぎられても、生きたまま捕食されても、その笑顔は崩れない。

 かと思えば、としおもラーメン流で戦っていた。
 巨大黒百合の口から放たれたプロトンビームを、ドンブリで反射! 一撃粉砕!
「見たか! これぞアルテミスの器! なんぴとたりとも、このドンブリは壊せない!」
 さらに「チャーシューカッタウァァァ!」で黒百合を真っ二つ!
 つづいて「うまく割れなかった割り箸ランス!」で頭部を貫く!

「うぅん……どうやら、コメディな戦いをすれば勝てるようですねぇ……」
 としおの戦闘を見て、恋音は判断した。
「そのとおりですよ恋音! いまこそ私たちの愛の力を見せるときです! ふおおおおおッ!」
 いつのまにか復活してた雅人が、ラブコメ仮面に変身した。
 そこへ巨大黒百合の影手裏剣烈が炸裂。
 雅人、恋音、一千風、美華の4人は一瞬で塵になった。

「うぅん……一口にコメディ戦闘と言っても、難しいですねぇ……」
 生き返った恋音は今さらながらのことを口にした。
「というか、どうやったら出られるのかしら。このままだと永遠に戦うハメになるんじゃない?」
 美華の言うことは、真剣に考えると恐ろしい。
 ヘタすれば、ここからログアウトできないまま現実の肉体は寿命で死んでしまう。
「深く考えても仕方ありません! 今は戦うのみです! ふおおおおおっ!」
 再びラブコメ仮面になる雅人。
 そこへ黒百合の炎陣球が撃ちこまれて、4人は灰になってしまった。
 これまた即座に復活するのだが、キリがない。

「いいだろう、僕がこの戦いを終わらせる!」
 終わりのない惨劇に、とうとうラーメン王が本気を出した。
 このまま戻れなければ、ラーメンを食べることもできないのだ。
「行くぞ、これが最後だ! この世界の全てを巻き込み、ひとつの真実へと昇華する! くらえ、アツアツノ・スゥゥゥプッ!」
 じつは今までの攻撃は、すべて巨大ラーメンを作るための工程だった。
 よく煮込まれた豚骨スープが天から降りそそぎ、チャーシューやメンマ、極上の麺と絡みあって豚骨ラーメンの大河が地表に流れる。
 その奔流は雪を溶かし、暗雲を切り裂いて太陽を出現させ、巨大黒百合たちの胃袋を破裂させた。

 だが真にゲームを終わらせたのは恋音に他ならない。
 無限のラーメンを無理やり飲まされた彼女の体は急速に膨張。
 現実の肉体にフィードバックして、超肥大化した体が物理的にサーバーを破壊したのだ。
 こうして参加者たちは、地獄の魔空間から生還することができた。
 恋音の体がどうなったかは定かでない。




依頼結果

依頼成功度:成功
MVP: −
重体: −
面白かった!:5人

赫華Noir・
黒百合(ja0422)

高等部3年21組 女 鬼道忍軍
ラーメン王・
佐藤 としお(ja2489)

卒業 男 インフィルトレイター
大祭神乳神様・
月乃宮 恋音(jb1221)

大学部2年2組 女 ダアト
ラブコメ仮面・
袋井 雅人(jb1469)

大学部4年2組 男 ナイトウォーカー
絶望を踏み越えしもの・
遠石 一千風(jb3845)

大学部2年2組 女 阿修羅
チチデカスクジラ・
満月 美華(jb6831)

卒業 女 ルインズブレイド