.


マスター:牛男爵
シナリオ形態:ショート
難易度:普通
参加人数:5人
サポート:1人
リプレイ完成日時:2016/07/31


みんなの思い出



オープニング


 7月中旬の、ある日。
 地獄のメタラー・チョッパー卍のもとを、ひとりの男が訪れた。HR/HM(ハードロック・ヘヴィメタル)系音楽事務所の社員である。現在(ごく一部の)音楽界隈を騒がせている、『美少女撃退士メタルバンド・スクールガールブレイカーズ(SGB)』の仕掛け人だ。

「突然だけど卍くん、またキミの力を貸してくれないか? キミは納豆が好きだったよな?」
「藪から棒に何を言いだすんだ、おめーは。なんだよ納豆って」
「以前、牛丼屋で納豆定食を食べてたのを思い出してね。今回の仕事に卍くん以上の適任はいないんだよ。たのむ」
「まず話を聞かせろよ。いきなり納豆の話をされてもワケわからねーだろ」
「よし、話を聞いてくれ。こういう依頼なんだ」

 彼の務める音楽事務所の社長は、副業で納豆メーカーを経営している。だが開業以来、売れ行きは鳴かず飛ばず。先日も7月10日(納豆の日)にちなんでキャンペーンを展開したが、たいして話題にもならず終わってしまった。利益は順調に右肩下がりで、このままでは今期の決算もヤバイ。手を打たなければ倒産確実の危険水域だ。そこで社長は考えた。納豆といったら茨城! 茨城といったら久遠ヶ原! ならば撃退士に納豆の宣伝をしてもらおうと!

「その社長、ちょっとアタマおかしいんじゃねぇのか?」
「卍くんらしくもない感想だな。音楽事務所やアイドル事務所を開くのなんて、アタマのおかしい人しかいないよ」
「まぁそれは納得だ。……で? SGBのメンバーを集めて納豆応援PVでも作れってのか?」
「いや、今回はPVを作るヒマはない。現地に直接乗りこんで、納豆の販促をしてほしい。ただ、せっかくアイドルユニットが出向くのだから一曲ぐらいは披露してほしいと社長からの注文だ」
「簡単に言うけどなぁ……メタルと納豆って共通点ないだろ」
「どちらも『臭い』っていう共通点があるじゃないか」
「それ宣伝になるのか……?」

 しかし、なんだかんだで頼み込まれると断れない性格の卍。
 もう少し話を聞いてみると、『依頼』の詳細が明らかになってきた。
 音楽事務所と納豆メーカーを兼業する社長は、関西出身。もちろん納豆など子供のころから一度も食べたことはなかった。が、あるとき宴会の罰ゲームで納豆を食べるハメになり──それを食べた瞬間、あまりの衝撃で彼はアウルに目覚めてしまったのだ!
 その後撃退士のライセンスを得た社長は、納豆への感謝として納豆メーカーを設立。だが経営は赤字続きで、資金調達のために音楽事務所を開いたのだ。いまはかろうじて音楽事務所の収益で納豆業が継続しているが、それも風前の灯火。なんとかしてほしいというのが今回の依頼というわけだ。

「……もう一度言うが、その社長完全にアタマおかしいだろ」
「もう一度言うけど、音楽事務所を作るような人は……
「わかったわかった、その話は不毛だからヤメようぜ。結局、俺たちに何をしてほしいんだよ」
「今度の日曜日、社長の地元で『B級ご当地グルメ大会』が開かれる。卍くんにはSGBのメンバーを率いて、納豆をアピールしてもらいたい。ちなみにこれは社長直々の依頼だ。大会当日は社長も現地に参加する」
「待てコラ。社長って関西出身なんだろ? どうして納豆が地元グルメなんだよ。つーか、完全にアウェーじゃねぇか」
「こまかいこと気にしたら負けだ。敵地だからこそ新たな客層を開拓できるとも言える。納豆×メタル×美少女撃退士! 名付けて納豆メタルブレイカーズ! これは新機軸だろ? かならずヒットする!」
「正気の沙汰とは思えねぇな……まぁ納豆は好きだから協力してもいいけどよ……。今回ばかりはメンバー集められる自信ねーぞ。なんだよ納豆メタルって……」




リプレイ本文




「なんだ、5人だけか? だから言ったんだ、納豆メタルなぞ無理だってな」
 ここは音楽室。
 集まった面々を前に、卍は肩をすくめた。
 無理もない。これでは、調理/販売/演奏の質を保つのも一苦労だ。
「なにを言うんですか、卍君! 納豆を馬鹿にするとは、久遠ヶ原学園納豆大使として聞き捨てなりません!」
 袋井雅人(jb1469)が怒鳴った。
 いつになく真剣なのは、納豆への愛ゆえである。
「べつに納豆を馬鹿にしたわけじゃねぇ。メタルとのコラボに無理があると言ったんだ」
「無理などありません! 納豆は万能です!」

「んー……でも納豆って、ユウもちょっと苦手、かも」
 ユウ・ターナー(jb5471)が小首をかしげた。
「なぜですか!?」
 雅人が怒鳴る。
「えっと……あの匂いとか、ネバネバしてるのとか……?」
「そこがいいんですよ!」
「そうなの……? でも依頼として引き受けたんだし、ユウたちが頑張ることで皆が納豆好きになれば、ユウも納豆好きになる……かなぁ?」
「なりますとも! がんばりましょう!」
 やたら張り切る雅人。

「うぅん……しかし実際問題、役割分担が難しいですねぇ……」
 過去2回SGBの裏方を務めてきた月乃宮恋音(jb1221)も、今回は苦戦を覚悟していた。
 なにしろ納豆メタルだ。人手も足りない。
「そんな恋音たちを助けるために、私が来たのよ」
 力強く応じたのは、満月美華(jb6831)
 その豊満すぎる体は、じつに圧巻である。
「……まずは……担当を決めよう」
 染井桜花(ja4386)が言い、会議が始まった。
 結果──

・ヴォーカル/ユウ
・ギター/桜花
・ドラム/美華
・作詞/雅人、ユウ
・作曲/卍
・調理販売/恋音

 恋音1人で屋台を切り盛りするかに見えるが、SGBも一日中演奏してるわけではない。ライヴ以外では恋音をサポートする形だ。そして明らかに足りてないベースは、事前に打ちこんでおくことに。
 このあと調理室で納豆料理の試作会がおこなわれ、各自担当の楽器を練習したり、作詞作曲に時間を費やすうち、あっというまに『B級ご当地グルメ大会』当日がやってきたのであった。



「おー、ねぇちゃんらがSGBかい。今日はよろしゅうな」
 一行を迎えたのは、いかにもな大阪のオバチャンだった。
 豹柄シャツに、紫髪のパーマ。色つき眼鏡(notサングラス)というコテコテの姿だ。そこらの天魔より存在感がある。
「あなたが依頼人ですね。今日はよろしくおねがいします」
 存在感では負けてない美華が、まず挨拶した。
 今日は長いステージに耐えるため、少々ダイエット済み。ドラムの猛練習が減量になったのだ。
「挨拶はええわ。もう屋台の用意できとるねん。ちゃっちゃと準備しとって」
 こうして顔合わせもそこそこに、『ブレイク納豆』の屋台が開かれた。

 まず最初に恋音の提案で、SGB全員による周囲への挨拶まわり。
 すこしでも敵意をやわらげるのが狙いだが、実際これは効果大だった。現役美少女アイドルがわざわざ挨拶に来れば、だれでも悪い気はしない。屋台の店員なんて大半はオッサンなのだ。アウェーであることに変わりはないが、よけいな敵は作らずに済んだ形だ。

 それが終われば、まずは各自納豆料理の制作。
「撃退士は料理がうまいっちゅー噂や。期待しとるで」
 そう言って、待機モードに入る依頼人。
 彼女自身は何もする気がないようだ。

「……私が作るのは……納豆ドレッシングと……納豆の天ぷらだ」
 桜花はまずドレッシングを作り始めた。
 さして難しい料理ではない。玉ねぎ、ニンジン、ニンニクを切り、白煎りゴマとオリーブ油、醤油を加えてミキサーにかける。なめらかになったところで納豆を投入し、再びミキサー。全体がクリーミーになれば完成だ。
「これうまいやん。豚しゃぶにかけたら、いくらでも食えそうや」
 依頼人大絶賛。だがあいにく豚肉はない。
「……次に……天ぷらを」
 これも油を使うので手間はかかるが、基本的に材料を混ぜて揚げるだけだ。
 作りかたは、水気を切った水煮コーンと納豆をボウルにあけ、玉子、片栗粉、薄力粉を混ぜたものを冷蔵庫で冷やして油で揚げるだけ。
「これもええなぁ。あんた撃退士やめて料理人なったらええがな」
 無責任なことを言う依頼人。
 だが実際、納豆の天ぷらはネバネバが消えて匂いも薄くなるため、納豆嫌いの人にも比較的抵抗なく食べられる。上出来だ。

「私は……キムチ納豆と、納豆カレーを作りますねぇ……」
 恋音の料理は桜花より簡単だった。
 キムチ納豆は、納豆1パックにキムチを適量入れて、鰹節と万能ネギ少々を和えるだけ。キムチの辛味と匂いで納豆の臭みを軽減する狙いだ。定番の納豆料理である。トッピングに温泉卵を追加すれば、まさにパーフェクトキムチ納豆。
 納豆カレーは更に簡単だ。納豆を刻んでカレーに加えるだけ! ただし、納豆好きなら最後に納豆を乗せ、苦手ならルーにしっかり混ぜるという工夫がしてある。
「こらフツーに、どっちもうまいわ」
 これまた依頼人大絶賛。

「ユウはねぇ……チーズと納豆のワンタン包み揚げ、を作るよ!」
 これも油は使うが、たいした手間はかからない。
 レシピはそのまんま。チーズと納豆をワンタンの皮で包んであげるだけだ。見た目はラビオリっぽい。
「どう? チーズのトロッていうのに、納豆が絡まって、食感はサクッ! おいしいでしょ?」
「こんなん、うまいに決まっとるがな」
 撃退士陣営、三者連続クリーンヒット!

「地元民にアピールするため……私はお好み焼きに納豆を入れてみました」
 美華の料理は、かなりの賭けだった。
 なにしろお好み焼きといったら、タコ焼きに次ぐ大阪原人の主食。コーランに落書きするかのごとき暴挙だ。ヘタすれば暴動が起きる。
 作りかたも、刻んだ納豆をお好み焼きの生地に混ぜただけ。
「納豆嫌いな人でも食べれるようにしたつもりですけど……どうでしょう」
「こら大博打やな。……と思うたけど、しっかりうまいやん!」
 依頼人、余裕のOKサイン。
 もともと彼女は無類の納豆好きなので、どうやってもおいしく感じてしまうのだ!


 ともあれ開店の準備は完了。
 恋音の配慮で消臭剤を設置し、換気扇も最大出力でON。
 白米も多めに炊いた。360度ぬかりはない。
 主催者の宣言でグルメ大会が幕を開けると、大勢の客が押し寄せてきた。
 だが、やはり納豆屋は食いつきが悪い。納豆は地元グルメちゃうやろ、という声があちこちから聞こえる。

 ここで恋音が呼び込みを始めた。
 いままで数々の食いもん系依頼を成功させてきた彼女にとって、この程度の逆境は慣れたもの。
 黒地に赤い模様のミニ浴衣+フリル付きエプロンという和風メイド衣装で、女性を狙って声をかける。
「あのぉ……納豆はいかがですかぁ……? もともと大豆の成分には美容と健康の効果がありますし……それを発酵させた納豆は、ヒアルロン酸の十倍の保水力を持つポリグルタミン酸が多く含まれているのですよぉ……。さらにビタミンB6と、ビタミンB2は大変お肌に良いですぅ……」
「健康のためならタコ焼き食うほうがマシやで」
 当然のように答えるオバチャン。
「えとぉ……栄養だけではありませんよぉ……。毎日納豆を食べれば、このように発育が促進されるのですぅ……」
 自らの肉体を看板がわりにする恋音。
「なんやホルスタインみたいやな。いらんわ、そんなん」
 このアピールは失敗!

「大豆イソフラボンの美肌効果は、タコ焼きにはありませんよ。それに、お好み焼きのキャベツに含まれる食物繊維と一緒にとることでお通じの効果倍増ドーン!」
 美華が恋音を支援した。
 が──
「いやアンタが言うてもなぁ」みたいに体型だけで否定されてしまう。美華の体型は時に全てを押しつぶす武器にもなるが、こういうときは説得力皆無!

 そこへ桜花が参戦してきた。
「……納豆には……赤ん坊の出血を抑える……ビタミンKが含まれている」
「それがどないしたん?」と、オバチャンたち。
「……つまり……納豆は、臨月を迎えた女性に良い……ということだ」
「そんな都合よく妊婦さんがおるかい」
 桜花もPR失敗か。
 どうやら客層を見誤ったようだ。
 なにせ会場の主な客層は、ヒマな主婦(しかも大阪人)が圧倒的。
 その次が、SGB目当てのドルヲタやB級グルメマニアの若い男どもだ。

「うぅん……ここはひとつ、賭けに出てみましょう……」
 そう呟くと、恋音は意図的にドジっ子スキルを発動させてスッ転んだ。
 その頭上へ、前もって用意しておいた粘りの強い納豆が降りかかる。
「うぅ……転んでしまいましたぁ……全身ベトベトですよぉ……」
 納豆まみれになって、涙目であざとくアピールする恋音。
 だが……なんのアピールにもなってない! 女の子に納豆かけて食べたいとかいう性癖の持ち主なんて、そうそういないよ! そんな変態は雅人ぐらいだ! 脈絡なく生クリームとかかぶってればよかったのに!

「ここはユウの出番だねっ☆」
 なりゆきを見ていたユウが、ワンタン包み揚げを持ってきた。
 彼女はこう考えたのだ。『納豆ってオンナノヒトやお歳を召した方に、健康志向で売り出したりしてるよね? 美肌とか美容とかが多くて、あんまりオトコノヒトへの宣伝を聞かないかも?』と。そうなれば作戦はひとつ。『オトコノヒトにも優しい納豆』を提示するのだ!
「男の人、ちゅうもくー! 納豆には色々な効果があるけど、ずばりハゲ予防にも効くんだよ! ヘビーメタルは髪が命!」
「「おおっ!」」
 抜け毛に悩む男たちがどよめいた。
「それにもうひとつ! この季節はどうしても体の匂いが気になるよね? 納豆には体臭予防の効果もあるんだよ。とっても凄くない?」
 これまた「おおっ!」と盛り上がる男たち。
 じつは地味に『悪魔の囁き』を使ってるのだが、どちらにせよ宣伝効果は抜群だった。
 もともとSGB目当てで来ている男たちが中心になって、どんどん納豆を買ってゆく。みごとな顧客開拓だ。
 ぶっちゃけ『納豆買ってくれた人と握手するよ♪』とかの直球アイドル商法に走れば、もっと売れたのだが……。



 そうこうするうち、SGBのステージタイムがやってきた。
 そもそもグルメ大会なので、本格的なライヴは少ない。アマチュアバンドに毛が生えたようなのばかりだ。
 が、SGBは違う。かりそめにも音楽事務所と契約しているプロだ。彼女たちを見るためだけに駆けつけたファンも少なくない。
 今日ステージに立つのは、ユウ、桜花、美華の3人だけだが、ユウと桜花は過去2回のPVに出演しているため固定ファンもいる。裏方に徹してきた恋音にはファンがいないが仕方ない。それが裏方というものだ。

「次は久遠ヶ原からやってきた撃退士メタルバンド、SGBの皆さんです!」
 アナウンスとともに、3人が舞台へ出てきた。
 ユウは『納豆って日本のものだから』という理由で、和風ゴシック衣装。
 桜花はミニ浴衣。
 美華も真っ白な浴衣だが、その存在感にはどよめきが湧いた。濃いアイシャドーに口紅のバッチリメイク。ドラムセットの後ろに陣取る姿は、まるで大仏様のようだ。しかも何故か両手に長ネギを握っている。もちろん本物のネギではない。ネギの形をした特注ドラムスティックだ。

 声援の中、美華のカウントで曲が始まった。
 重いツーバスと打ち込みのベースがズンズンと会場を震わせる。
 桜花のギターが走りだし、ユウはマイクをつかんで声を絞り上げた。

 ナットー、ナットー、ナットー、ナットー
 ネバー、ネバー、ネバー、ネバー

 大事なモノを全て失くして カラっぽの脱けガラだった俺を
 君はその温もりと優しさで 俺の中身を満たしてくれたー

 ナットー、ナットー、ナットー、ナットー
 ネバー、ネバー、ネバー、ネバー

 それが同情だったとしても 君への愛が止まらない
 何度ダメだと拒否されても 俺は君への愛を叫び続ける

 ナットー、ナットー、ナットー、ナットー
 ネバー、ネバー、ネバー、ネバー

 君が背負っている 辛い過去ごと 君を強く抱きしめたい
 そう決して諦めない 君のことをずっと愛している

 ナットー、ナットー、ナットー、ナットー
 ネバー、ネバー、ネバー、ネバー
 ナットー、ナットー、ナットー、ナットー
 ネバー、ネバー、ネバー、ネバー

「以上、『ナットー・ネバーネバー・ラブ!!』でしたー♪」
 ユウが締めると、観客から拍手と声援が湧き上がった。
 とくに雅人はステージを盛り上げようと、誰よりも大声で応援している。
 そもそも、この歌詞は彼が恋音とのなれそめを納豆に絡めて作ったものなのだ。もちろん雅人も恋音もSGBのメンバーではないので、言っても意味ないのだが……すくなくとも恋音にだけは通じたことだろう。

 そして、すぐに寄せられる『アンコール!』の掛け声。
 SGBのメンバーは当然こたえる。
 まずは美華が浴衣を脱ぎ捨てて、漆黒の浴衣に。
 続いて桜花がステージ中央に走り出て、両手のバトンを宙高く放り上げた。
「……さあ、照覧あれ!」
 バトンが空中で回転する間に、桜花は素早くミニ浴衣を脱ぎ捨てる。その下から現れたのは、炎のような真紅のドレスだ。
 落ちてきたバトンを、桜花が跳躍してキャッチする。
 と同時に、美華のドラムがビートを刻みだした。
 点火されたバトンが激しく回転し、バトントワリングが始まる。
 曲調は疾走系ジャーマンメタルだ。
 ユウのヴォーカルも、打ち込みの演奏も悪くない。
 が、歌の内容は100%納豆なのでシュールきわまる。

 (納豆 納豆 納豆)*コーラス
 食わず嫌いは
 (納豆 納豆 納豆)
 もう止めにして
 (納豆 納豆 納豆)
 このアタシの魅力に
 (納豆 納豆 納豆)
 早く気付いて

 お願い 食べてみてよ!

 深く考えないで 真面目なアナタ
 もっともっと粘りを見せて
「ネバー」GIVE UPの精神で

 桜花のバトンが炎の軌跡を描き、ユウのファイアワークスが打ち上げられた。
 納豆とまったく関係ないパフォーマンスだが、二人を見に来たファンにとっては鳥肌ものだ。
 拍手と歓声、口笛が鳴り響く中、ステージは終了。
 あいにくライヴはあまり売り上げに貢献しなかったが、SGBのファンを増やすことには成功した。



 ともあれ、グルメ大会は無事に終了。
 色々失敗しつつも依頼人の目標額には達したため、なんとか依頼は成功だ。
「おお、さすが撃退士アイドルやな!」
「こんな依頼、二度と受けねぇぞ」と、卍。
 そこへ雅人が出てきた。
「次は是非とも私に依頼してください! 久遠ヶ原学園納豆大使として、久遠ヶ原の全生徒に納豆を普及させてみせますよ!」
「ユウも、今回の依頼で少しだけ納豆が好きになった……かも?」
 かわいく微笑むユウ。
 遠巻きに見つめていたカメコたちが一斉にシャッターを切る。
 こうしてSGBは、一部ファンの間で『撃退士納豆メタル』と呼ばれることになったのであった。




依頼結果

依頼成功度:成功
MVP: 大祭神乳神様・月乃宮 恋音(jb1221)
 天衣無縫・ユウ・ターナー(jb5471)
重体: −
面白かった!:3人

花々に勝る華やかさ・
染井 桜花(ja4386)

大学部4年6組 女 ルインズブレイド
大祭神乳神様・
月乃宮 恋音(jb1221)

大学部2年2組 女 ダアト
ラブコメ仮面・
袋井 雅人(jb1469)

大学部4年2組 男 ナイトウォーカー
天衣無縫・
ユウ・ターナー(jb5471)

高等部2年25組 女 ナイトウォーカー
チチデカスクジラ・
満月 美華(jb6831)

卒業 女 ルインズブレイド