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マスター:牛男爵
シナリオ形態:ショート
難易度:やや易
参加人数:8人
サポート:1人
リプレイ完成日時:2016/07/09


みんなの思い出



オープニング



 ここは、学園にいくつも存在する購買のひとつ。
 そのレジカウンターで、店長のレジ子さん(年齢=彼氏いない歴)は珍しく小難しい顔をしていた。
 そこへ顔を見せたのは、自称最強クノイチの矢吹亜矢。
 レジ子の様子を見ると、亜矢は真顔で問いかけた。

「どうしたのよ、元気ないわね。更年期障害?」
「私はそんな歳じゃないから! 失礼すぎ!」
「じゃあ何なのよ。またクソまずいアイスでも仕入れて失敗したとか?」
「悪いけど、このところ右肩上がりで黒字続きだから。私だって学ぶの」
「そのわりに彼氏は出来ないわね」
「ほっといて! もういいの、男は! 私は商売に生きるって決めたんだから!」
「まぁそれもいいんじゃない? ……で、なにを悩んでるのよ。あたしに相談してみなさい」
「亜矢に相談するだけ無駄だと思うけど……まぁ聞いてくれる?」

 レジ子の『相談』というのは、こういうものだった。
 今年の夏は記録的な猛暑になることが予想されている。
 となると売れるのは、暑さ対策のアイテム。
 だが、制汗スプレーとか保冷バッグとか花火なんかを売る気はない。
 レジ子がこの夏の主力商品として考えているのは、ズバリかき氷!
 なにしろ、氷とシロップと適当なフルーツなどがあれば誰でも作れる。技術は不要だし、原価も安いし、材料も日持ちする。というか氷に消費期限などない。あまりにボロい商売だ。
 もっとも、夏にしか売れないという重大な欠点もある。
 だが逆に言えば、夏の間だけ売りまくってサッサとやめてしまえばいいのだ!

「……うん、話はわかったけど。じゃあ今すぐにでも売り出せばいいじゃない。だれでもできるんでしょ?」
 説明を聞いた亜矢は、じつに普通なことを口にした。
「わかってない。ただのイチゴ味とかレモン味とか……そんなんじゃ他の購買やコンビニに勝てないの。もっとウチだけのオリジナルな商品が必要なわけ。かき氷業界だって甘くないんだから」
「じゃあ焼肉味とか、コロッケ味とか……」
「ふざけないで! こっちは真剣なの! 亜矢みたいな学生気分じゃ生きていけないんだから! 商売っていうのは大変なの! コメディの世界じゃないわけ! わかる!?」
 レジ子のあまりの剣幕に、亜矢も「ああ、悪かったわね……」と引き下がるしかなかった。
 しかし一度爆発したことで、レジ子も冷静さを取りもどしたようだ。

「まぁとにかく、そういうわけ。亜矢も知ってるとおり、私って味覚にあんまり自信がないから……商品開発とか無理なの」
「味覚に自信っていうか、あんたは確実に味覚障害でしょ。イクラ味のアイスとか、シメサバ味のチョコレートとか……」
「過去のことはどうでもいいの! いま! いまが大事なのよ! かき氷の売れるシーズンなんて、ほんのわずかなんだから! 即戦力になるアイディアがほしいの!」
「だから焼肉かき氷を」
「ふざけないで!」
「ふざけてないわよ! そんなこと言うなら学園の連中に聞いてみたらいいでしょ! どんなかき氷を食べてみたいかって! 焼肉だってラーメンだってカレーだって需要あるから!」
「それ本気なの……? 普通にイチゴ味とか食べたくないの……?」
「普通じゃダメだって言ったのアンタでしょうが!」
「う……っ。そ、そのとおりだったかも……」
「まぁとにかく、いつもどおり『依頼』にしちゃえばいいのよ。『かき氷フェス』とかテキトーに銘打ってバイトさせれば一石二鳥じゃない。なんなら、あたしも試食とか手伝うし」
「亜矢の手伝いはいらないけど……そうね、購買の客は生徒が大半なんだから、生徒の意見を聞くのが一番かも」




リプレイ本文



 その日、調理実習室に8人の撃退士が集まった。
 頼りになりそうな生徒らに、レジ子は満面の笑顔。
 だが──初手から月詠神削(ja5265)が動きだす。
「最初に言わせてほしい。依頼を受けた以上そちらの事情はわかっている。わかっているが……」
「なに? 言ってみて」
「ではツッコませてもらうが……この購買のかき氷は高い! いまのご時世、氷いちごミルクが300久遠で食えるファミレスもある。購買で400久遠払ってかき氷しか手に入らないなら、冷房の効いたファミレスで300久遠払うほうがいいだろ? もっと値段を下げるべきだ。せめて300久遠以下。理想は250久遠だ」

「むむむ……貴公の意見もわからぬではないでござる」
 エイネ アクライア(jb6014)が難しい顔で応じた。
「……が、お祭り屋台は雰囲気をたのしむものでござろう? ふぁみれすでは風情に欠けるのでござる。……そもそも、で、ござるが。拙者、冷房がんがんに冷えた中で、かき氷はごめんこうむるのでござる」
「待って、うちは屋台じゃなくて購買よ?」
 レジ子が指摘した。
「おっと、そうでござった。拙者、ふぇすのことばかり考えていたでござる」
「まぁ値段のことは置いといて。とにかくみんなの試作品を見せて」



「では俺から。こういう夏らしい素朴なメニューはどうでしょう」
 浪風悠人(ja3452)が出したのは、メロンソーダ氷500久遠と、ミルク氷430久遠の2品。
 前者はメロンを砂糖とレモン汁のシロップに漬けて凍らせ、かき氷にして炭酸水をかけたもの。
 後者は単純に牛乳を凍らせて削ったものだ。シロップ、抹茶、紅茶、コーヒー等のフレーバーを選べる。
「どっちも爽やかね。値段も現実的だし」
 レジ子が頷いた。ほかの参加者にも好評だ。
 悠人が補足する。
「メロンソーダ氷は他の果物でも代用できますし、炭酸水をジュースやシロップに替えれば豊富なバリエーションで商品展開が可能です。ミルク氷は牛乳を凍らせるだけで作るのも簡単ですし、大人から子供まで幅広く売れるでしょう。フレーバー次第で飲み物としても楽しめます」
「うん両方ともフェスに出そう」
 あっさり決めるレジ子。



 次は染井桜花(ja4386)だった。
 が、彼女は中身を説明せず「……まずは食べて」と言う。
 言われるまま試食する一同。
 その不思議な食感に、どよめきが湧いた。かじったときはシャリシャリだが、口で溶けるとプルプルになるのだ。
「これは何? ただの氷じゃないね?」
 レジ子が訊ねた。
「……葛で出来たアイスキャンディー……それを氷として使った」
「そんなの初めて聞いた。自作?」
「……これは、静岡の銘菓。……いまのは、きな粉黒蜜だけれど……ほかの味も、ある」
 桜花がクーラーボックスから出したのは、蜜柑、苺、青林檎、ミックス、プレーンなどの味だった。
「……価格設定は……すこし高めに、480久遠で……どう?」
「製造元と提携できるかが問題ね。要検討」



「私が提案するのは、超高級かき氷と、まるごとフルーツのセルフかき氷です」
 雫(ja1894)が一品目を卓に置いた。
「天然の氷に、果物をミキサーしたシロップをかけました。価格は1000久遠程度で。……まぁ世間によくある高級化による数量限定でプレミア感を出した物ですね。一点出れば純利益が高いので、売り切れなくても良いのが長所です。……と提案しておいて何ですが、個人的に好きではない商法ですね」
 雫の解説の間、何人かは不安げにかき氷を見下ろしていた。
 なぜなら、彼女の料理は何故か甘味系に限って意味不明なゲテモンになってしまうのだ。
「あ、ご心配なく。今日は悠人さんに作ってもらいましたので」
 その一言で安堵の空気が流れた。
 実際、食べてみれば普通においしい。
「次はこちらです」
 雫が見せたのは、皮を剥いて凍らせたスイカや桃だった。
「これをこのまま、セルフでお客様に削ってもらいます」
「それいいわね。手間も省けるし客もたのしめそう」
 レジ子が手を叩いた。
「果物を自分で削るのは楽しいでござるな。……あ、拙者、檸檬を所望するのでござる。『しろっぷ』をかけない、というのも斬新でござるな」
 エイネは真剣に試食していた。
 雫が頷く。
「かき氷って、シロップのせいで食べ始めと食べ終わりで味の濃さに差が出るのが気になってたんですよね。これなら濃さは均一です」
「うん、セルフかき氷は名案ね。採用採用」と、レジ子。
「そうですか」
 評価されたのに浮かない顔の雫。
 というのも、じつは自分でも一杯作ってみたところ想像以上のゲテモンになってしまったのだ。凍った果物を削るだけの、菓子とも呼べないもののはずなのに。
「はぁ……本気で御祓いに行こうかな……」



「では拙者の番でござるな! ひゃあー、拙者の氷結晶・天然が火を噴くでござるよー!」
「氷が火を噴くの?」
 エイネのセリフに、レジ子が素でツッコんだ。
「あいや、ちと張り切りすぎたでござる。じつは拙者の氷結晶、ひとつで5杯分ぐらいのかき氷になるのでござる。いまは10回使えるので50杯分でござるな。これがなかなかの美味なのでござるよ。まずはご賞味くだされ」
 人数分のかき氷が、ドドンと並べられた。
 かかってるのは市販のシロップだ。
「たしかにおいしいわ、この氷」
 レジ子が言い、皆そろって頷いた。
「で、ござろう? 価格はぷれみあむで1000久遠……は高すぎでござるか? ここは間をとって700久遠ほどでござろうか?」
「いくらでもいいけど、これは商品化できないよ。私はこんな氷作れないし」
「そのとおりでござったー!」
 エイネ大失敗!
 一日限りのお祭りならMVPだったよ!



「がおー」
 Rehni Nam(ja5283)は白熊の着ぐるみで登場。
 手にしたプラカードには『新提案・白くまーもん』と書いてある。版権ぎりぎりのパチモンみたいな手口だ。
 出てきたのは、削った天然氷にミルクシロップとフルーツ、餡子を乗せて白熊の顔を描いたもの。
 口と鼻が餡子で、頬はサクランボ、目は皮ごと食べられる葡萄だ。
 耳はピンクグレープフルーツで、上から氷がかけられて毛皮と皮膚の質感を表現している。
 表面からは見えないが、中身はフルーツと餡子がギッシリだ。
『価格は850久遠。50杯で減価償却完了の予定』
「減価償却って……ずいぶん真剣に考えてきたね。うん味も悪くない。子供にウケるかも」と、レジ子。
 だが白熊Rehniの真剣さはマジだった。
 クルッと裏返されたプラカードには、白くまーもんの原価がズラリ!

 材料費(数字は久遠)
 さくらんぼ 佐藤錦 2000/1kg
 餡子 和菓子用大納言小豆 2000/2kg
 葡萄 ナガノパープル 600/房
 ピンクグレープフルーツ 700/カット品1袋300g
 天然氷 600/1貫/12.5杯+輸送代
 シロップ 600/1.8L
 カップ13オンス品 9000/1000個
 スプーンストロー 800/500本
 初期費用
 かき氷器 7000/個
 冷凍庫200Lサイズ 15000/台(氷40弱=400杯)
 場所代 10000
 以上に雑費等含め、50杯で減価償却とする
 価格は1杯800+儲けで850

「「ガチすぎる!」」
 みんな一斉に(MSまで)声を上げた。
 努力賞でMVPにしようかと思ったよマジで……。



「えとぉ……私が提案するのは、こちらですぅ……」
 月乃宮恋音(jb1221)が出したのは、紅茶/珈琲かき氷と、塩かき氷だった。
「あ、拙者は抹茶と珈琲で! 抹茶珈琲とかいうものがあったでござるし」
 エイネが即座にリクエストした。
 恋音は急いで注文に応じる。
「珈琲紅茶かき氷……これは普通ね! 普通においしいけど! 斬新さゼロ!」
 レジ子の感想に、皆うなずいた。
 インスタントの珈琲と紅茶を凍らせて、かき氷にしただけなのだから仕方ない。ミルクやシロップ、レモンや蜂蜜などのフレーバーを選択できるが、目新しさはない。まぁ氷イチゴや氷メロンを売ってた奴がそんなこと言う権利ないのだが。
「たしかに、斬新さはありませんけれどぉ……溶けたあともアイスティーやアイスコーヒーとして飲めることを考えれば、商品として悪くないと思いますぅ……価格は450久遠ほどで、いかがですかぁ……?」
「フェスの反響次第ね。そっちはともかく、塩かき氷は気に入ったわ」
「おぉ……そうですかぁ……。最近流行の『塩スイーツ』として売り出せば、それなりに好評では、と思いますよぉ……。ただ、氷に仕込みをする関係上……店内で作れる量しか用意できませんので、数量限定販売になりますねぇ……」



「甘くないかき氷なら、これを提案するわ。酢醤油と味噌よ」
 華宵(jc2265)が、ドンッと皿を置いた。
「なんか凄いのキタわね」
 味覚障害のレジ子さえ首をひねる品だ。
「酢醤油に味噌でござるか?! 既にあるのでござる!? うーん、これは心太っぽいでござるな」
 エイネは驚きを隠せなかった。
「どっちもマイナーだけど実在するわよ。知らない子には珍しく、知ってる子には『久遠ヶ原で食べられるとは!』とならないかしら。酢醤油も味噌も、かき氷なら少量で済むからコストも抑えられるし。価格はこれまでと同じ400久遠でどう?」
「売れるかは別として個人的に好きな味ね」
 レジ子の味覚はかなりおかしい。
「あと『+α』でトッピングできるシステムはどうかしら。某カフェみたいにカスタマイズのコーナーを作ったり。たとえば、塩、七味、カラシ、わさび……とかの常温設置OKな粉末系を置いて、無料でアレンジできるようにするの」
「それ面白そうね」
「でしょう? 酢醤油氷はイチゴシロップと合うって話もあるし……『おすすめカスタマイズ』アピールして有料カスタマイズ推すのもどう? うまくやれば店内商品も抱き合わせで売れるんじゃない?」
「それ名案!」



「ところで、あなたは提案ないの? 最初にウチのかき氷は高いって言ったキリだけど」
 レジ子が神削に問いかけた。
「提案はあるが、いま似たような意見を出されてしまった。値段を下げるかわりに別の面で利益を狙うことを考えてたんだ」
「どうやって?」
「かき氷自体はわりと何でもいい。とはいえ、やはり1杯300久遠以下が適切とは思うが。そこで値下げした分を『トッピング』の利益で埋めたらどうだ?」
「なんか普通ね」
「トッピングといっても、かき氷専用のを用意するわけじゃない。店の商品をそのままトッピングとして売るんだ。たとえば……
 添えるだけで何故か高級感! ポッキィ!
 しゃりしゃりした食感に別の歯応え! グミ!
 高級感と食感の変化をさずける! シュークリーム!
 などというポップでPRするのはどうだ? 酢醤油や味噌を採用するならトッピングは更に広がる。漬け物やサラダだって合うだろう。カスタマイズコーナーも悪くない」
「いいわね、それ。簡単にできるし」




 ──こうして試食会は無事に終わり、フェス当日を迎えることになった。
 提案されたかき氷は全て用意され、セルフコーナーやカスタマイズスペースも設置。
 当日は運良く(?)猛暑日で、恋音がネットで告知したおかげもあり、かなりの人数が購買に押し寄せた。

「くまー」
 まず入口で迎えるのは、白熊姿のRehni。
 あれだけシビアな原価計算をしたのに、この依頼の間『がおー』と『くまー』しか発言してない。ギャップが凄い。

 その隣では、ペンギン着ぐるみの神削が『ダンス』している。
 南極のペンギンと北極のシロクマ、両極から攻める作戦だ!(多分ただの偶然
 神削の場合かき氷を作る仕事がないので、得意の手品でトッピング用の商品を出してみせたり自由に動ける。

「さあ、寄ってくるでござる、見るでござる! 撃退士すきるを使った、世にも珍しいかき氷でござるよ! その名も『氷結晶・天然かき氷』! お代は見てのお帰りでござるよ〜」
 エイネは、褌さらしにねじり鉢巻で祭り法被を羽織り、得意のスキルで氷を作っていた。
 当初はかき氷器でなく刀で削ろうとしてたのだが、不衛生だからとレジ子に止められた次第である。危ないからという理由でないところが久遠ヶ原クオリティ!

「いらっしゃいませ。新作かき氷、いかがでしょうか」
『氷』と書かれた法被姿で自作のかき氷を販売しているのは悠人だ。
 女性や子供にはミルク氷を、男性にはメロンソーダ氷をオススメ。
 とくに女性には眼鏡を外して甘い笑顔で「買ってくれると嬉しいです……」と話しかけるなど、なかなかの営業力である。

「……いらっしゃいませ」
 桜花はバイトで鍛えた接客スキルを全開させて、『溶けないかき氷』を売っていた。
 衣装はミニ浴衣。いかにも夏らしい。その美脚に、男どもの視線と財布は釘付けである。
「……お買い上げありがとうございます」
 一撃確殺の微笑と溶けないかき氷の珍しさで、桜花は売り上げトップを独走中!

「うちは食べ放題もやってるの。おひとついかが?」
 華宵は浴衣を艶っぽく着崩して、甘い声で客引きしていた。
 本当は全店で有料食べ放題イベントを開催したかったのだが、各店の価格差が大きすぎるため華宵の所だけで実行することになったのだ。
 なにしろ彼の店で扱うのは、氷と味噌と酢醤油だけ。手間も原価もかからない。おまけに氷というのは素早く大量に食べられるものではない。時間制限を設ければ大食い自慢の跋扈する久遠ヶ原でも赤字にはならない! ……はずだったが考え甘すぎた! この学園には除雪車みたいな勢いでかき氷を食うバケモノもいるんだよ! 食べ放題とか告知したら飛んで来るわ!

「いらっしゃいませぇ……熱中症予防に、塩かき氷をどうぞぉ……」
 恋音の衣装は、桜色のビキニにフリル付きの白エプロンというエロ……かわいいものだった!
 なにしろ恋音のおっぱいといったら数々の武勇伝を打ち立ててきた神器なので、「ありがたやありがたや」などと参拝して行く客もいるほど。ご神体だし仕方ないね。
 氷は普通に売れてるよ!

「………」
 そんな祭りの中、雫は浴衣姿で黙々とレジを打っていた。
 かき氷を作るのは、亜矢とセセリ。雫は間違っても手を出さない。失敗は一度で十分だ。
 このイベントが終わったら本気で御祓いに行こう……そう心に誓う雫であった。



 こうして半日限りの氷フェスは、盛況のうちに終わった。
 売り上げ1位は桜花。『溶けないかき氷』の珍しい食感が大好評だった。
 次いでエイネとRehniがほぼ同額。
 だがレジ子が新メニューに採用したのは、上位3つのどれでもなかった。まず桜花の案は『うちのアイスをそんな風に使うな!』と提携を断られ、Rehniの案は『熊とか作るの面倒!』とレジ子が放棄。エイネの案は最初から無理だ。

「というわけで……華宵君と月詠君の案を合わせて採用!」
「あら。理由を聞かせてくれる?」と、華宵。
「どっちも初期投資がいらないし、なによりラク! わかる? 私はラクして儲けたいの! こまかい原価計算とか商品開発とかしたくないの! あと二人ともイケメンだし!」
 特に最後が重要だった。
 非モテをこじらせた独身女は恐ろしい。




依頼結果

依頼成功度:成功
MVP: 釣りキチ・月詠 神削(ja5265)
 来し方抱き、行く末見つめ・華宵(jc2265)
重体: −
面白かった!:4人

歴戦の戦姫・
不破 雫(ja1894)

中等部2年1組 女 阿修羅
おかん・
浪風 悠人(ja3452)

卒業 男 ルインズブレイド
花々に勝る華やかさ・
染井 桜花(ja4386)

大学部4年6組 女 ルインズブレイド
釣りキチ・
月詠 神削(ja5265)

大学部4年55組 男 ルインズブレイド
前を向いて、未来へ・
Rehni Nam(ja5283)

卒業 女 アストラルヴァンガード
大祭神乳神様・
月乃宮 恋音(jb1221)

大学部2年2組 女 ダアト
撃退士・
エイネ アクライア (jb6014)

大学部8年5組 女 アカシックレコーダー:タイプB
来し方抱き、行く末見つめ・
華宵(jc2265)

大学部2年4組 男 鬼道忍軍