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マスター:牛男爵
シナリオ形態:イベント
難易度:易しい
参加人数:20人
サポート:3人
リプレイ完成日時:2015/07/04


みんなの思い出



オープニング


 ──冷やし中華はじめました──

 ここは、とある学生食堂。
 6月中旬、梅雨入りの時期にあわせて冷やし中華をはじめるのが、ここの店長のMYルールだ。
 レシピはいたってシンプル。
 中太の生麺に、酸味をおさえた中華だれ。具材は、錦糸玉子にハムとキュウリ。そして山盛りにされた麺の中央にプチトマトがひとつ。ついでに和辛子が添えられている。
 日本のどこにでもあるような、THE冷やし中華だ。

「……よし、今年も味は落ちちゃいないな。このシンプルさこそ、冷やし中華の醍醐味ってモンよ」
 などと言いながら食堂の片隅で麺をすするサングラスの男は、地獄のメタラー・チョッパー卍。
 まるで楽器演奏のように一定のリズムで食べ進む姿は、なかなかの手際だ。
「あれ? あんたも冷やし中華?」
 当然のように卍の前に腰を下ろしたのは、毎度おさわがせクノイチ・矢吹亜矢。
 そのテーブルには、卍と同じく冷やし中華が乗っている。

「なんだ? おまえはコロッケパンでも食ってろよ」
「あたしだって、たまにはコロッケパン以外食べるわよ! 文句あるの!?」
「うるせー女だな。だまって食えよ」
「あんたが話しかけてきたんでしょうが!」
「おまえ、10秒前のことも覚えてねぇのかよ。若年性認知症じゃねぇの?」
「失礼ね! なんで冷やし中華注文しただけで、こんなこと言われなきゃいけないのよ! ……って、ああもう! 麺がのびちゃう!」

 亜矢は箸を手に取ると、豪快に麺をかきまぜはじめた。
 のっかってる具材も、全部いっしょくただ。辛子もプチトマトも、ぜんぶ一緒。じつに見た目がよろしくない。
 すべてが均等に混ざったところで、ずるるっと一口。
 中華ダレがあちこち飛び散っても気にしない。

「……おまえな。その何でもかんでも混ぜて食うクセ、どうにかしろよ。見苦しいったらねぇぞ」
「な、なによ! カレーだけじゃなく、冷やし中華の食べかたにまで文句つけるの!?」
「まぁカレーよりはマシだが……もうすこし綺麗な食いかたができないのか? ここは蛮族の居留地じゃないんだぞ」
「また! また蛮族呼ばわりしたわね! 何度も言ってるでしょ、まぜて食べたほうがおいしいんだって! あんたこそ味覚が馬鹿なんじゃないの!?」
「おまえな……イタリアンの名手である俺に向かって……!」

「まぁまぁ、おふたりとも。話は聞きました。今日は冷やし中華についての討論ですね。じつに興味深いテーマです」
 横から割り込んできたのは、超絶イケメンの万能チート野郎・九鬼麗司。
 卍がイタリアンの名手なら、麗司は全世界料理の覇者である。
「ひっこんでろ、クッキー。おまえが出てくると話が長くなる」
「いえいえ、ことは重大ですよ。なにしろ冷やし中華ですからね。たとえば卍くんはここの冷やし中華をシンプルイズベストと評価しましたが、シンプルさを追究するならプチトマトは不要ですよね? 辛子もいらない。さらに突きつめれば、きゅうりさえ無用かもしれません」
「おい、キュウリが無用だと? バカ言ってんじゃねーぞ」
 卍は血相を変えた。
 が、麗司は動じない。

「では卍くん、キュウリのない冷やし中華を食べたことはありますか?」
「いや、それはないが……わかるだろ、常識的に考えて」
「常識ですか……では冷やし中華の常識とはなんでしょう」
「とりあえず、ハムとキュウリと錦糸玉子だろ。この三つは外せねぇな」
「ですが本格的な店では、ハムのかわりにチャーシューを使いますよね? 錦糸玉子ではなく、ゆで玉子を切って乗せるところもあります。キュウリのかわりにキャベツやモヤシを使ったり、アスパラを使う店も有名です。卍くんはプチトマトには肯定的なようですが、そのかわりにチェリーが乗っていたらどう思いますか?」
「あれはちょっと許しがたいな……」
「では、スイカやパイナップルは? 変化球としては、生ハムメロンや缶詰の桃が乗ってくる店もありますよ?」
「どれもこれも怒りが湧くな……そう、酢豚のパイナップルと同じように」
「その怒りは大いに理解できます。……が、そういった冷やし中華が受け入れられているのも事実ですよね?」
「……おまえは何が言いたいんだ? 冷やし中華の『常識』を決めようとでも言うのかよ」
「まさか。そんな大それたことは考えてませんとも。私はただ、みんなで冷やし中華を作って食べてみませんかと提案したいだけです。その中から、冷やし中華の真の姿が見えてくるかもしれません」
「最初からそれだけ言えばよかったんじゃねぇのかよ……」

 ぐったりと肩を落とす卍。
 見れば、彼の冷やし中華はだいぶ伸びている。
 ちなみに亜矢はとっくに食べ終わって、食後の鯛焼きをつまんでいるところだった。
 ともあれこうして、冷やし中華オンリーイベントが開催される運びとなったのである。




リプレイ本文



 その日。冷やし中華を作って食べるだけのイベントに、二十数名の学生が集まった。
 みんなよほどヒマなのか、それとも冷やし中華に一家言あるのか、あるいは食いしんぼうなのか。そのすべてかもしれない。


「冷やし中華オンリーイベントですか……ならば、これは必要不可欠ですね」
 まっさきに発言したのは、黒井明斗(jb0525)だった。
 彼が持ってきたのは1mほどの板きれ。そこには『冷やし中華始めました』と、えらい達筆で書かれている。
「おぉ、これは盲点でした。すばらしい仕事です」
 麗司が賞賛した。
「いえ、それほどでも。……しかし、この看板を見るともう夏だなと思いますね」
 感慨深そうに言いながら、明斗は看板を入口に立てた。
 実際、この告知抜きに冷やし中華イベントは始められない。それぐらい重要なアイテムだ。


「『冷やし中華はじめました』……なるほど、たしかにそう告知したくなるのも頷ける。食欲が落ちる季節に、うってつけの麺料理なのは疑いようもない事実。だが、はたして冷やし中華は『冷やし』中華と言えるほど冷えているのか。かねてよりその一点が気になっていたのも、また事実。冷たいものが好まれる初夏、ほかにも無数の冷たい料理が居並ぶ中であえて『冷えた中華』と謳う以上、相応の凍気を放つ存在でなければ名前負けというもの。……であればこそ冷やすし、凍らせようではないか!」
 長いセリフを一気にまくしたてて厨房に突撃する、一頭のパンダがいた。
 彼の名は下妻笹緒(ja0544)
 さて、どんな冷やし中華ができあがることか──


「話は聞きましたよ、九鬼。どうやら皆さん、冷やし中華にこだわりがあるようですね」
 和服姿の樒和紗(jb6970)は、背中に妙なモノを背負っていた。
「ようこそ樒さん。あなたにも何かこだわりがおありですか?」
「俺は特に、冷やし中華の具にこだわりはないと言いますか……たこ焼きに色々なバリエーションがあるように、冷やし中華もさまざまで良いではないですか。果物NGとは心が狭いですね。この世には、スイーツたこ焼きもあるというのに」
「ということは、樒さんは冷やし中華にスイカやチェリーを入れる派ですか?」
「そうは言ってません。ただ、頭ごなしに否定するのはどうかと思うだけです。……ただし酢豚にパイナップルは俺も許せませんが」
「発言が矛盾しているのでは?」
「どこが矛盾していると? そんなことより、こだわるのなら冷やし中華すべてに共通の『麺』でしょう。ですので、俺は麺作りから始めます」
 淡々と告げると、和紗は背中の石臼をドンッと床に置いた。
 そして和服をたすき掛けにして、持参した小麦を取り出す。
「まさか、この場で小麦粉を精製しようと?」
「そのとおりですが、なにか?」
「いえ、さすが樒さん。完成が楽しみです」
「時間内に完成することを祈ってください」
 真顔で言うと、和紗は石臼をゴリゴリ挽き始めるのだった。


「あ。また和紗さんが石臼まわしてる……やっぱり粉から作る気なのね……」
 無心で石臼を挽く友人の姿を見て、蓮城真緋呂(jb6120)は一人で納得していた。
 もちろん手伝う気などない。それどころか、料理する気は一切ない。
 そう、彼女はただ食べに来ただけ!
 なんでも自作する友人をやさしい眼差しで見守りつつ(←)、箸を持ってスタンバイ。
「食べる気満々ですね」
 感心したように九鬼が言った。
「ええ。作るのは他人まかせよ。私はおなかいっぱい食べに来たわ!」
「なるほど。しかし皆さん、まだ調理中です。ここは私が作りましょう。なにかこだわりはありますか?」
「え、こだわり? べつに、おいしければ何でも良いでしょ?」
 ブレのない信念を語る真緋呂。
「潔いまでの信念ですね」
「私のこだわりといったら、とにかく沢山食べることね。そこで……いっぱい食べることのできる日本の伝統的システム……そう『わんこ』を私は所望するわ。絶品わんこ冷やし中華をおねがいね」
「かしこまりました。少々おまちください」
 こうして、真緋呂の終わりなき戦いが始まった。


「冷やし中華かァ……もうそんな時期なのねェ……♪」
 うっすら微笑みながら、黒百合(ja0422)は包丁を手に取った。
 そして、にわかに惨劇が始まる。
 切り刻まれる肉片(叉焼)!
 飛び散る赤い液体(トマト)!
 煮えたぎる大鍋に投げ込まれる麺!
 ふ……普通に冷やし中華を作ってる!?
 そう。あろうことか黒百合は、フツーに冷やし中華を作って堪能しようとしているのだった。しかも夏バテ対策にスタミナのつく食材を選び、食欲増進を狙って紅生姜多めにしてある。なんという気配り。
 これは普通においしい一皿が出来上がりそうだ。


 その隣では、浪風悠人(ja3452)と浪風威鈴(ja8371)が仲良く冷やし中華を作っていた。
 こちらも、いたって普通だ。用意した食材は、玉子、キュウリ、トマト。
 ただし、肉だけは持参したものだ。
「この……お肉、持って来たの……。冷やし中華に……使えるかな」
 威鈴が出してみせたのは、自宅で作った猪肉の燻製。
「もちろん。ふつうのハムや叉焼より、いい味が出るはずだよ」
 そう言うと、悠人は慣れた手つきで燻製肉をスライスしていった。
 さらに、トマト、キュウリ、ゆで玉子と、順々に切ってゆく。
 その鮮やかな包丁さばきに、料理の苦手な威鈴は見とれるばかりだ。
 とはいえ、ただ見ているわけにもいかない。
「あの……なにか、手伝えること……ない?」
「じゃあ人数分の食器を持ってきてくれる?」
「うん、わかった」
 言われたとおり、食器棚から皿を運んでくる威鈴。
 その間にも、悠人は手際よく調理を進めてゆく。
 麺は、会場に用意されていた中太麺。
 つけ汁には、醤油ベースのものと胡麻だれベースのものを用意した。食べるとき好きなほうをかけてもらうスタイルだ。
「これが浪風家の味……ってことで良いのかな?」
 つけ汁の味を見ながら、ひとり呟く悠人。
 これまたおいしい一品に仕上がりそうだ。


「さ〜て、作るよ〜♪」
 アメリア・カーラシア(jb1391)は、いつも以上に張り切っていた。
 チャイナカフェ『赤猫』を営む彼女にとって、冷やし中華はお手のもの。
 だが、ただ普通に作るのでは面白くない。というわけで、期間限定メニューの試作を兼ねての参加だ。
「……指示、よろしく」
 淡々と告げるのは、『赤猫』バイトの染井桜花(ja4386)
 今日は完全にアメリアの助手として参加だ。
「それじゃあ〜、このレシピどおりに進めてねえ〜」
 アメリアが手渡したのは、使いこまれたメモ帳だった。
 見れば、ひどくこまかい調理行程が書き込まれている。
「……了解した」
 桜花も慣れたもので、怯むことなく作業に取りかかる。
 まずは豚肉をミンチに。次にネギを刻み、キュウリを千切りにする。
 その横では、アメリアが挽き肉をつかった四川風味噌だれを作り、鶏ガラスープでオリジナル中華だれに仕上げてゆく。
 トッピングには、炸醤麺用のモヤシとキュウリ。それと胡麻。
 メインの具は、細長く切った揚げナスだ。
 桜花のアシストとアメリアの調理技術によって、本格四川風の冷やし中華が作られてゆく。
 これがおいしくないはずがない!


「ヒヤシ中華……一度ダケ食って、食べられなかった覚えがあるネ。だから、今日はしっかり調べてきたヨ」
 長田・E・勇太(jb9116)は過去の失敗を清算するため、事前に入念な下調べをしてきていた。
「これも立派な依頼だからネ!」と意気込んでいるが、べつに依頼ではないので失敗しても構わない。
 とはいえ、どうせ作るなら食べられるモノを作りたいところだ。
「まえに食べたノは、ちょっとすっぱすぎたヨ。だから今日は酢を控えめにスルネ」
 言ったとおり、勇太は酸味をおさえた中華だれを作りだした。
 一応自分でも食べるつもりなので、酢はほとんど使わない。
 トッピングするのは、ふつうのハムと玉子。
 独自アレンジとして、辛い肉味噌を追加する。
 そして、試食のターゲットに選んだのはなぜか亜矢。
「ドーモ、アヤ=サン。味見オネガイシマス」
「まぁいいけど」
 皿を受け取ると、亜矢は豪快に中身をかきまぜた。
「アィェェ!? ナンデ? ナンデまぜるネ!」
「まぜたほうがおいしいからよ!」
「おいしくナイネ! アヤ=サンの舌、どうかしてるヨ!」
「うっさいわね! あたしが正義なのよ!」
「Oh……Jesus……」
 何故こんな味覚障害者に試食させてしまったんだろう。


「冷やし中華だったら何でもありなんですか? じゃあチョコ味の冷やし中華を作りましょう」
 比較的マトモな料理を作る参加者たちの中、エイルズレトラ マステリオ(ja2224)はゲテ料理に手を出した。
 使うのは通常の中華麺。ただし中華だれの代わりにチョコレートソースを使い、トッピングには薄く切ったチョコチップやポッキィ、ウェハースをのっける。もちろんそんなものは麗司も用意してなかったので、すべて自宅から持ってきたのだ。
「……うん、じつにおいしそうです。いっそ、これを冷やし中華のデファクトスタンダードにすべきではないでしょうか」
 チョコを湯煎にかけながら、真剣な顔で言い放つエイルズ。
 その姿だけ見ると、バレンタインデーのイベシナかという様相だ。
 はたして出来映えやいかに!


「恋音、今日も学園のみんなのためにおもしろおかしく頑張りましょう!」
 袋井雅人(jb1469)は、いつものように張り切っていた。
 メニューが冷やし中華なので、身につけているのは藍色のチャイナドレス。
 作るのは、いたってノーマルな冷やし中華だ。
「はい……おいしい冷やし中華を、皆様に食べていただきましょう……」
 応じる月乃宮恋音(jb1221)は桜色のチャイナドレスに身をつつみ、えらく凝った冷やし中華を作っていた。
 味のベースになるのは、胡麻の香りが漂う中華風塩だれ。
 コンソメとラー油で味をととのえ、レモン汁でさっぱり仕上げたオリジナルレシピだ。
 具材として用意したのは、きゅうり、蒸し鶏、ゆで卵、キムチ、桜エビ。
「おお、これはおいしそうですね。さすが恋音」
 と言いながら、ナチュラルに恋音の尻をなでる雅人。
「ひぁ……っ!? あ、あぶないですよぉ……いまは包丁を使ってますのでぇ……」
「恋音に刺されて死ぬのなら本望です!」
 凛々しい顔でキッパリ言い放つ雅人。
 その様子を、三条絵夢と百合華があっけにとられた顔で眺めている。
 お手伝い役にと、恋音が呼んだのだ。
 ちなみに彼女たちもチャイナ姿である。
「袋井先輩、麺がゆであがりましたよ」
「おお、ありがとうございます、三条さん」
 ごく自然に絵夢の尻をなでる雅人。
「こちらのチーズも、良い具合に溶けてきましたぁ……」
「おお、いい感じですね。もうトロットロじゃありませんか」
 妙に扇情的な声音で、とろけたチーズをかきまぜる雅人。
 ただ冷やし中華を作ってるだけなのに、無駄にエロい。
「さあ皆さん、ごらんください。普通に作った冷やし中華に、おもいきりぶっかけてしまいますよー。そう、このドロドロに溶けたチーズを……たっぷりと!」
「お、おお……冷やし中華にチーズ、ですかぁ……?」
 恋音が声を震わせた。
「そう、これこそが袋井流クッキングスキル奥義……チーズフォンデュ冷やし中華!」
 言うや否や、雅人は冷たい中華麺に熱々のチーズをぶっかけた。
 これぞ、中華とフレンチの運命的な出会い。
 見た目はアレだが、実際わりとおいしそうである。


 そんな参加者たちを眺めながら、礼野智美(ja3600)も調理に取り組んでいた。
 麺は用意されていた通常の中太麺。
 タレは普通に冷やし中華用の中華ダレを調合する。
 具材に用いるのは、錦糸玉子、ゆでたモヤシ、千切りワカメ、ハム、焼豚、キュウリ、トマト、キクラゲ。
 これらを彩りよく放射状に盛りつけ、中心に千切りの紅生姜をのせる。
 別の皿に半熟玉子を切って添え、小皿に辛子を用意すれば完成。
「ほほう。これは綺麗ですね。見た目なら今日一番です」
 麗司が横から覗きこんできた。
「シンプルすぎると、栄養バランスが偏るからね」
「玉子を別皿にしたのは何か理由が?」
「ああ、うちのチビたちのためにね。お好みで取れるようにしてある。辛子も同じ理由で別の皿にした」
「なるほど、すばらしい気配りです」
「これプラス、いつもは男子連中用に替え玉分もゆでてるよ。今日は他のみんながたくさん作ってるから、必要なさそうだけど」
「だと良いのですが……」
 麗司は不安げな顔で真緋呂のほうを見た。

 そこには既に、山のように椀が積み上げられていた。
 麺をゆでる係は卍と亜矢だ。
「もっとスピードアップして良いわよ?」
 鬼のようなことを言いながら、卍たちのゆでる速度より早く冷やし中華をたいらげてゆく真緋呂。
 その様相は、完全に一人わんこそば大会だ。
 麺もツユも冷やし中華のものだが、世界のどこをさがしてもこんな冷やし中華はあるまい。
 おまけにゆであがってすぐに運ばれてくるので、麺がまったく冷えてない。
「……やっぱり、よく冷やしたほうがおいしいわよね? だって『冷やし』中華だし」
 思いついたようにダイヤモンドダストを発動する真緋呂。
 ついでに氷結晶まで持ち出して麺を冷却。
 そして、一心不乱にもぐもぐもぐもぐもg


 ──さて、そのころ。
 ラーメン王・佐藤としお(ja2489)は、イベントを無視して中華料理屋で働いていた。
 平日の午後6時半。厨房は戦場のような忙しさだ。
 ひっきりなしにオーダーが入り、汚れた食器が運ばれてくる。
 修行中の身であるとしおは、すべての雑用を担当していた。
 だが、そんな阿鼻叫喚地獄絵図のような激務の中でも、彼はふと考える。
「冷やし中華オンリーイベント、か……」
 としおにとって、『冷やし中華』とは謎の存在だった。
「冷やし中華……いったい何を冷やしている? 中華? ……ならば『中華』とは何だ? 中華とは拉麺のことなのか? ……いいや、子供のころ中華といえば炒飯だったりする。餃子やシュウマイだってそうだ。……ならば酸味があるもののことか? だとしたら酢豚は? 酸辣湯麺は? 冷やせば、どれも冷やし中華じゃないか!?」
 真剣な顔で、ぶつくさ言いだすとしお。
 忙しさのあまり、現実逃避をはじめてしまったようだ。
 ここでふと思いついたように、彼は指を鳴らした。
「そうだ、待てよ? わざわざ冷やす必要があるのか? 作って放置しておけば勝手に冷えていくじゃないか!? ……そうだ、それでこそエコ! 地球環境にやさしい冷やし中華! これは中華料理屋における大革新の発端かもしれない!」
「ぶつぶつ言ってねぇーで、早く出前いってこいっ!」
 ガシャーーン!
 店主の投げた岡持ちが、としおの後頭部に激突した。
 一般人なら死んでたかもしれないダメージだが、撃退士なので大丈夫!
 しかし大量の出血とともに、彼の偉大な発見は永久に失われてしまったという。


 そんなこんなで、みんなの冷やし中華がひとつまたひとつと大テーブルに並べられていった。
 おなじものはひとつもない。皆それぞれ、料理人のこだわりが垣間見える。
「では皆さん、お好きなものをどうぞ」
 まるで自分が作ったかのように、麗司が告げた。
 その直後、
 スパーーンとドアを開けて、ひとりの中学生が駆け込んできた。
 彼女の名は、鷹野あきら(jc1550)
 つい最近久遠ヶ原学園に入学したばかりの新入生だ。
「冷やし中華が食べ放題って聞いて来たよ! ボクの実家は中華料理屋だったんだ! しっかり味を見てあげる!」
 言動も外見も完全に男の子だが、こう見えてもあきらは女の子。
 スイーツの食べ歩きが趣味の、わりとフツーな女子中学生だ。
「これはたのもしいですね。では遠慮なくどうぞ」と、麗司が微笑んだ。
「あっ! かき氷がある! あれも食べ放題!?」
 あきらが目をつけたのは、部屋の片隅に置かれた氷かき器だった。
 しかも妙に可愛らしいペンギン型で、少女のハートわしづかみ。
 その横には色とりどりのシロップが並び、練乳や白玉、小倉餡まで揃っている。
 壁には、『夏を先取り。御自由にお食べください』という貼り紙。
 黒百合が用意したのだ。
「冷やし中華だけじゃ、飽きちゃうでしょォ……? 口直しに用意したのよォ」
 フフッと微笑む黒百合。
「そうだね! まずは口直し! えーと、最初はやっぱりイチゴに練乳っと……白玉も添えようかな……って、バニラまである! そうだ、これを冷やし中華の具にすれば……!」


 一人かき氷大会をはじめてしまった新入生をよそに、ベテラン(廃人)たちはマイペースに冷やし中華を堪能していた。
 料理イベントでよく見られる殺人料理とか、闇鍋みたいなのは見当たらない。比較的マトモな……というか、穏当な料理ばかりだ。一体どうしたんだ、みんな。料理で人を殺すのは飽きたのか?
 しかも恋音の用意したドリンクバーやセルフサービスのトッピングなどもあって、会場にはとてもなごやかな空気が流れている。
 ただひとり智美だけは、爆発物や怪しい薬品などが持ちこまれていないかと異様に警戒しているが、どうやら今回その心配はなさそうだ。やった! めずらしく途中退出しなくて済む!
 あと、卍と亜矢は真緋呂専属の麺ゆでマシーンと化してるぞ!
 それと和紗は、ずーーーっと石臼まわしてるぞ!


 そこへ、少々遅れてユキメ・フローズン(jb1388)と秋姫・フローズン(jb1390)がやってきた。
 今日は姉妹そろって、アメリアの限定試作メニューを試食しにきたのだ。
「あまりからくないといいわね……」
 苦笑しつつ、アメリアの姿を探すユキメ。
「ええ……たのしみ……ですね……」
 応じる秋姫は、少々不安げだ。
 その後ろから、アメリアが声をかけた。
「にゃはは〜。大丈夫大丈夫。今日はみんなに食べてもらおうと思って、からさ控えめにしたよ〜」
「ならよかったわ」と、ユキメ。
「まぁ、まずは食べてみて〜?」
 そう言うと、アメリアは自信作の四川風冷やし中華を二皿分用意した。
 いかにも真っ赤な辛味噌ダレだが、炸醤麺風のキュウリとモヤシが清涼感を与えている。揚げナスも良い塩梅だ。
「……うん、これは限定メニューにしておくのは勿体ないわね……」
 一口すすって、ユキメは淡々と評価した。
 それだけでなくメモまでとっている。
「そうですね……一年中出しても……良いと、思います……」
 秋姫も高評価だ。
「にゃはは〜。さすが私だねえ〜。でも、お店で出すときはもっと辛くしようかなあ〜?」
「……それは、やめたほうがいいわ」
「からさは……このままで十分、です……」
 アメリアのセリフに、すかさずツッこむユキメと秋姫。
 そのまま、黙々と完食する二人。

「……で、どうだった?」
 食後の烏龍茶を出しつつ、桜花が訊ねた。
 秋姫はその問いには答えず、口元をぬぐってメモ帳を1ページ切り取った。
「感想は……こちらに……まとめて、おきました……」
「こっちは、私が書いたものね」
 ユキメも同じようにメモ帳をちぎって、テーブルに。
 桜花がそれを手に取り、アメリアに手渡した。
「ふんふん、なるほどね〜。感想ありがとう〜」
 メモを見てうなずくアメリア。
 とりあえず、ユキメと秋姫の目的はこれで終了だ。
 が──
「せっかくだし……材料も余ってるようだから、私たちも作ってみる?」
 ユキメが秋姫に問いかけた。
「……いいですよ。……では一緒に……作りましょうか……」
 というわけで、ふたりはアメリアたちと並んで調理をすることに。


「……うん、どれもおいしいね。うちの冷やし中華もうまくできたし」
「そう……かな……ボク、あんまりお手伝いできなかったけど……」
「そんなことないって。威鈴が燻製肉を持ってきてくれたからこその出来映えだよ」
「なら、よかった……けど……」
 などと、イチャコラしながら冷やし中華を試食しているのは浪風夫妻。
 自分たちの作品を他の人にふるまいつつ、皆の作った冷やし中華も食べ比べて、今後の参考にしようとしているところだ。悠人は熱心にメモまでとっており、研究に余念がない。
「あ……あれ、おいしそう……。でも、これも……気になるし……」
 いくつも並ぶ冷やし中華の中で、つい目移りしてしまう威鈴。
「遠慮しないでいいよ。残ったら俺が片付けるし」
「えへ……じゃあ、あれと……これと……」
 無邪気な笑顔で、冷やし中華を物色しはじめる威鈴。

 するとそこへ、雅人が走ってきた。
「そこのご夫婦! チーズフォンデュ風冷やし中華はいかがですか!」
「「チーズフォンデュ風!?」」
 おもわず顔を見合わせる浪風夫妻。
「ええ! 冷やし中華はサッパリして食べやすいのがメリットですが、その反面濃厚さが足りないのが欠点ですよね!? そこで私は考えました! そうだ、チーズをぶっかけようと! ごらんください! とろ〜り濃厚な、このチーズ冷やし中華! これさえ食べれば、今夜も大ハッスル間違いなしですよ!」
「いや、あの……」
 あまりの勢いに、たじろぐ悠人。
 威鈴はとっくに彼の背中に隠れている。
「なんと! これではまだ足りませんか!? ならば恋音の用意した具材の中から……まずはアボカドとターキーを! ついでに温泉玉子とニンニクの丸焼きを追加して……そうそう、夏と言えば鰻もいいですね! さぁどうぞ!」
 言ったとおりの具材を皿の上にばらまいて、強引に押しつける雅人。
 恋音は申しわけなさそうに、テーブルの下で震えている。

「こ、これは……」
 異様な料理を前に、悠人は絶句した。
 だが、退くわけにはいかない。こんなイベントに参加した時点で、ある程度は覚悟済み。女装やスク水よりは百倍マシだ!
「では……いきます! 料理は誠心!」
 意を決すると、悠人は一気にチーズなんとかを口に入れた。
「ぅぐ……っ!」
 口を押さえ、顔色を変える悠人。
「悠……! 悠!?」
 威鈴はうろたえながらも、瞬時に仇討ちを決意して拳銃に手をのばした。
 が、しかし──
「う、うまい……!?」
 悠人が目を丸くさせた。
 そう、見た目によらずおいしかったのだ。
「ほ……ほんとう……?」
「ああ。威鈴も食べてみればわかる。だまされたと思って、さあ」
「うぅ……」
 おそるおそる、チーズ冷やし中華を口に運ぶ威鈴。
 そして──
「お、おいしい……!?」
 驚愕のあまり、箸を落としてしまう威鈴であった。

「ほう……冷やし中華に、とろけるチーズとは斬新ですね」
 麗司が興味深そうに話しかけた。
「チーズフォンデュを見て思いついたんですよ! これを冷やし中華にかけたらおいしいに違いないと!」
 雅人は得意げだが、何にでもチーズかけてるだけっていう。
 すると騒ぎを聞きつけた参加者たちが、ぞろぞろ集まってきた。
 そして口々に、これはアリだとかナシだとかいう議論が始まる。

「まぁとりあえず言えるのは、これはもう『冷やし』中華じゃねぇってことだよな。中華麺じゃなくパスタにかけたほうがうまいし、キュウリは完全に不要だ」
 しばしの討論のすえ、卍が結論を出した。
 ようやくみんなの冷やし中華がそろってきたので、麺ゆでマシンの境遇からは逃れた形だ。
「やれやれ……冷えてないから冷やし中華とは呼べないなんて、ただの揚げ足取りですよね」
 冷然と、雫(ja1894)が告げた。
「これが揚げ足取りだと!? 酢豚のパイナップルとはワケがちがうぞ!」
「こまかい男ですね。料理がおいしければ、そんな些細なことはどうでも良いと思うのですが……。私も酢豚にパイナップルは許せない派ですけど、人の嗜好には文句つけませんよ」
「おまえみたいな日和見野郎がいるから、パイナップルがつけあがるんだよ! いまじゃアイツら、ピザにまで乗ってやがる! ことによったらファミレスのハンバーグにまでもだ! 駆逐すべきだろ!」
「注文しなければ済む話ですよ。しょせん料理なんですから、自分の嗜好を押しつけずに各個人で楽しむのが一番です」
「ちっ。妙に悟りやがって。そう言うおまえが作ったのは、ごくフツーの冷やし中華じゃねぇか」
「普通が一番ですよ。……そういえば思い出しましたが、以前あるお店で料理の薀蓄をたれてうるさいお客がいましたっけ。しかも文句をつける料理が全て私の好きな物だったので、つい懲らしめてしまいました」
「殺したんじゃねぇだろうな、おい」
「まさか。もちろん、埃が立たないように関節を極めて黙らせましたよ。そういえば、あのお客……究極がどうこう言ってましたね……名前は、山おk
「よし、そこまでにしておけ。親父のほうじゃなくてよかったな」


「なるほど、どちらの主張も一理ある。じつに興味深い」
 笹緒がズイッと前に出てきた。
 またぞろ異様な演説が始まるのかと、おおかたの者がなりゆきを見守る。
「だが私は卍の主張を支持したい。……そう、冷やし中華が冷やし中華である以上、冷えていなければならないはずだ。熱々の冷やし中華など、完全に自己矛盾した存在。正々堂々、冷やし中華が『冷やし中華』と真に名乗れるよう、限界まで冷却せねばなるまい! そこでだ! 私はこれを用意した!」
 笹緒がテーブルに置いたのは、液体窒素のボトルだった。
 一瞬、会場全体が静まりかえる。
 その沈黙の中、笹緒はためらうことなく冷やし中華に液体窒素をぶっかけた。
 瞬時に凍りつく冷やし中華。
 立ちこめる白煙。
「ここまでやってこそ、真の冷やし中華と言えよう! では実食!」
 ガチガチの固体と化したそれを、笹緒は一気に口へ入れた。
「んがんぐっ!?」
 予想以上の衝撃に、ブッ倒れる笹緒。
「はっ!? これはいけません!」
 明斗が救急箱をひっさげて駆けつけた。
 コメディじゃないので笹緒の安否が心配だが、まぁ液体窒素を直接飲んだわけじゃないので大丈夫だろう。あとは明斗に任せよう。
 そんなことより冷やし中華だ。


「しかし皆さん、わかってませんね。冷やし中華に一番あうのはチョコですよ」
 狂ったことを言いながら、エイルズはチョコソースの冷やし中華をおいしそうに食べていた。
 ふだんはクールな彼だが、チョコが絡むと頭が……もとい味覚がおかしくなってしまうのだ。
「なにそれ。まずそう」
 亜矢が顔をしかめた。
「なにを言うんです。いちど食べてみてくださいよ」
「食べなくてもわかるでしょ。舌がおかしいんじゃないの?」
「な……っ!? そこまで言うなら、本当にまずいかどうか食べてみてくださいよ!」
 エイルズは激昂し、『迅雷』で亜矢に襲いかかった。
 そしてそのまま、チョコ冷やし中華を亜矢の口へねじこむ。
「ぐわーっ!?」
 鼻と耳からチョコレート中華麺を噴き出して倒れる亜矢。
「どうですか。おいしいでしょう?」
「フツーにまずいわよ!」

「ボクは好きだよ、これ。すごくおいしい」
 あきらが物凄い勢いでチョコ冷やし中華を食べていた。
「ですよね? よければおかわりをどうぞ」と、エイルズ。
「ねぇねぇ、これにパインとかチェリーのっけてホイップクリームでデコレーションしたらどうかな」
「いえ、個人的にチョコはストレートで食べるのが好みです。よけいな不純物は無用ですよ」
「そんなぁー。酢豚にだってパイン入ってるのにー」
 なにか微妙に話の噛みあわない、甘党ふたり。


「しかし……一口に冷やし中華と言っても色々あるものね」
 あきれたのか感心したのか、芥川玲音(jb9545)は溜め息をついた。
 彼女が作ったのは、いたって普通の冷やし中華だ。
「本日の集会は、それを実感することが目的ですからね」と、麗司。
「思ったのだけれど……本来冷やし中華は、キュウリやモヤシみたいに味を噛みしめにくい具材を、タレなどを使って自らの好みの味に仕立てて味わうことに意味があるんじゃないかしら。なので、もともと味や個性の強い材料が乗っかると、料理の個性のみならず、食べる側のこだわりをも台無しにしてしまうんじゃないかと……」
「深い考察ですね」
「まぁチーズやチョコを否定するわけではないけれど……玉子やキュウリがベーシックな具材として選ばれるのには、そういった理由があるように思えたのよ」
 そう言って、自作の冷やし中華をすする玲音。


「……ふう。ようやくできました」
 そんな会話が交わされる中、和紗が手打ちの冷やし中華を持ってきた。
「あ、和紗さんの出来たんだ。食べるー!」
 箸を持って走ってくる真緋呂。
 その背後には、天井まで届く椀のタワーが30基ぐらい建ち並んでいる。
 見れば、和紗の冷やし中華は麺とタレのみで具が入ってなかった。
「ほう……光麺とは冒険しましたねぇ」と、麗司。
「俺は冒険とは思いませんね。麺がしっかりしていれば、極論で行くと具は無用。これこそSimple is Best! 具がどうこうの無駄な争いも起きませんし、これぞ冷やし中華の極北では?」
「さすがに樒さんは高邁な見識をお持ちだ。食べるまでもなく美味であることがわかります。私は結構ですので、ぜひ皆さんで……
 などと言ってる間に、わずかばかりの手打ち麺は一本のこらず真緋呂の胃袋に収められてしまうのだった。



 こうして、盛況のうちにイベントは終わった。
 だが、明斗にはやり残したことがある。
「僕は以前から、冷やし中華についてモヤモヤした思いを抱えていました。それは……これです!」
 そう言うと、明斗は最初に出した『冷やし中華はじめました』の看板を裏返した。
 するとそこには、『冷やし中華終わりました』の文字。
「冷やし中華に足りないのはこれです。始まったという知らせはあるのに、終わった知らせがない。その不親切こそ、冷やし中華最大の欠点ではありませんか?」
「おお、これまた盲点でした。本日の真のMVPは黒井君、あなたです!」
 絶賛する麗司。
 こうして明斗の功績により、冷やし中華大会は真に正しい閉幕を迎えることができたのである。




依頼結果

依頼成功度:成功
MVP: 歴戦の戦姫・不破 雫(ja1894)
 鉄壁の守護者達・黒井 明斗(jb0525)
 あなたへの絆・蓮城 真緋呂(jb6120)
 光至ル瑞獣・和紗・S・ルフトハイト(jb6970)
重体: −
面白かった!:12人

赫華Noir・
黒百合(ja0422)

高等部3年21組 女 鬼道忍軍
パンダヶ原学園長・
下妻笹緒(ja0544)

卒業 男 ダアト
歴戦の戦姫・
不破 雫(ja1894)

中等部2年1組 女 阿修羅
奇術士・
エイルズレトラ マステリオ(ja2224)

卒業 男 鬼道忍軍
ラーメン王・
佐藤 としお(ja2489)

卒業 男 インフィルトレイター
おかん・
浪風 悠人(ja3452)

卒業 男 ルインズブレイド
凛刃の戦巫女・
礼野 智美(ja3600)

大学部2年7組 女 阿修羅
花々に勝る華やかさ・
染井 桜花(ja4386)

大学部4年6組 女 ルインズブレイド
白銀のそよ風・
浪風 威鈴(ja8371)

卒業 女 ナイトウォーカー
鉄壁の守護者達・
黒井 明斗(jb0525)

高等部3年1組 男 アストラルヴァンガード
大祭神乳神様・
月乃宮 恋音(jb1221)

大学部2年2組 女 ダアト
撃退士・
ユキメ・フローズン(jb1388)

大学部7年291組 女 阿修羅
微笑みに幸せ咲かせて・
秋姫・フローズン(jb1390)

大学部6年88組 女 インフィルトレイター
真紅の赤薔薇・
アメリア・カーラシア(jb1391)

大学部7年7組 女 インフィルトレイター
ラブコメ仮面・
袋井 雅人(jb1469)

大学部4年2組 男 ナイトウォーカー
あなたへの絆・
蓮城 真緋呂(jb6120)

卒業 女 アカシックレコーダー:タイプA
光至ル瑞獣・
和紗・S・ルフトハイト(jb6970)

大学部3年4組 女 インフィルトレイター
BBA恐怖症・
長田・E・勇太(jb9116)

大学部2年247組 男 阿修羅
撃退士・
芥川 玲音(jb9545)

大学部4年253組 女 陰陽師
『久遠ヶ原卒業試験』参加撃退士・
鷹野 あきら(jc1550)

中等部3年1組 女 ナイトウォーカー