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マスター:牛男爵
シナリオ形態:イベント
難易度:易しい
参加人数:25人
サポート:1人
リプレイ完成日時:2015/06/07


みんなの思い出



オープニング


 5月下旬。
 日に日に日射しが強くなり、暑さが増してゆく時期。
 そんなある日の放課後。
 ピンポンパンポーーン♪ という音とともに、校内放送が流れだした。

「生徒諸君、そろそろ6月だな! 6月といえばなんだ? そう、プール開きだよな! クリスマスやバレンタインよりも重要な、一大イベントだ! しかし、そのまえに! やっておかなければならないことがある! そう、プール掃除だ! というわけなので、ヒマぶっこいてる生徒は今すぐ俺のところへ集合! 学園からの依頼だから、ちゃーんと報酬も出るぞ! よかったな!」

 というわけで、ヒマな生徒たちがぞろぞろと斡旋所の前に集まってきた。
「よーし、これだけいれば十分だな。行くぞ、おまえら! 各自そこのデッキブラシを持って、俺についてこい」
 そう言うと、体育会系教師は有無を言わさず歩きだした。
 あわててデッキブラシを手に取り、ついていく生徒たち。
 だが──教師が向かって行くのは、学園のはずれ。鬱蒼と木々が生い茂り、熱帯雨林みたいになっている場所だった。

「あのー、先生。こんなところにプールがあるんですか?」
「なんだ、おまえ。俺がウソでもついてると思うのか?」
「そうではありませんが……どう見てもプールがあるように見えないので……」
「大丈夫だ。俺を信じろ。たしかにこのあたりでプールを見たと、地域住民が証言している」
「なんですか、その『ジャングルの奥地に謎の怪物を見た!』的な話……」
「なぁに。もし見つからなかったとしても、ジャングルで遊んで帰ればいい。なにも問題ない!」
「この人、本当に教師なのかな……」

 そんなこんなで、デッキブラシをかついでジャングルをさまようこと1時間。
 ついに彼らは、伝説のプールを発見した。
 大きさは、50m×25m。
 いわゆる、オリンピックサイズのプールだ。無駄にデカい。

「しかし、どうしてこんなところにプールが……?」
「言い伝えによると、学園が創設された直後に作られたものだという。当時はこのあたりも平坦な敷地だったようだが、色々あって今のような環境になり、いつのまにかプールの存在も忘れられてしまったようだ」
「色々ありすぎでは……というか、ここは本当に日本なんですかね……」
「まぁとにかく! おまえたちには、このプールを掃除してもらう!」

 簡単な仕事だと思って集まった生徒たちの間から、「うへぇ〜」という声が漏れた。
 なにしろ10年以上も放置されていたプールだ。水はドロドロのヘドロ状になり、虫の死骸や落ち葉が降り積もって、足の踏み場もない状態。潔癖症の人間なら、見ただけで卒倒しそうな光景だ。
 だが、依頼として引き受けてしまった以上やるしかない。
 いざ、ミッション(お掃除)開始!




リプレイ本文



 まず最初に言わせてほしい。
 みんな、プールはひとつしかないんだぞ!
 いきなり埋め立てようとしたり、釣り堀にしようとしたり、河童の養殖池にしようとしたり、問答無用で爆破しようとしたり、ふつうに水を抜いて掃除しようとしたり……どうまとめればいいんだよ! あれほどプール掃除って言ったのに! なんでキュウリ畑を作ったり、アマゾネス軍団と戦ったり、ストリップショーが始まったりするんだ!? わけがわからないよ!

 ……いいだろう。諸君がその気なら、私も本気だ!
 プール掃除という名の何かを開始する!


 だが、さすがの撃退士たちも現場を前に少々困惑していた。
 なんせそこは、完全に熱帯の密林だ。
 頭上高く生い茂る樹木。
 飛び交う極彩色の野鳥。
 やたらデカイ昆虫。
 空気は蒸し暑く、40度ぐらいありそうだ。
 本当にここは日本なのか。知らぬ間にアマゾンに迷いこんでしまったのではないか。
 いや、アマゾンすら生ぬるい。完全に異世界だ。もしや全員ダンプに轢かれて一斉に異世界転生でもしたのかな。神様のチュートリアルはなかったように思うが。


「よし、俺には今回の依頼の真の目的がわかった! つまり、このプールを地上から掃除しろってことだな! 了解したぜ!」
 すべてを理解したかのような顔で、ラファル A ユーティライネン(jb4620)は力強くうなずいた。
『またおまえか……』みたいな視線が周囲から浴びせられるが、彼女はまったく気にしない。
「そもそもこんな辺鄙なところにプールがあったって、だれも入りにこねーだろ。いっそ地上から一掃しちまえば維持経費も浮くってもんさ。俺ってば親切だなー」
 などと自画自賛しながら、プールの周囲に爆弾を設置してゆくラファル。
 こんなに堂々とした爆破テロが他にあろうか。いや、ない。

「プール掃除に来たはずなのにジャングルの奥地に到着とか。なにそれ面白い」
 豪快に笑いだしたのは、ネフレン(jc1467)
 まさか学園に入って早々に、こんな馬鹿げた依頼にぶつかるとは。なんと不幸な。
 だが大丈夫。万事に備えて、ネフレンの背中には釘バットがくくりつけてある!
 どうやら彼は、釘バットで掃除をするつもりらしい。人界知らずにもほどがある!
「プール掃除か……まぁ釘バットでなんとかなんだろ?」
 なんともならないと思う。釘バットは人をブン殴るためにあるんだぞ!

「……これは、非常に危険ですね」
 目の前の光景と集まったメンバーを確認して、黒井明斗(jb0525)は呟いた。
 これは絶対にタダでは終わらないと確信した彼は、まず学園へのルートを切り開くことに。
「プール掃除は皆さんに任せました。僕はジャングルの雑草を刈って、いざというときの避難経路を確保しておきます」と告げて、手斧装備で密林へ。

「気のせいか、初めて来た場所とは思えないんですが……。ともあれプール掃除は任せました、私も周辺の雑草を刈ってきます」
 雫(ja1894)が明斗の後に続いた。
 ふたりでやれば作業効率も上がる。
 だが果たして、雫と明斗は学園に帰り着くことができるのか──


「さてと……釣るか」
 月詠神削(ja5265)は、すべてを無視して流星釣竿を取り出した。
 そして、プールに向かって仕掛けを放り込む。
 そう、釣りキチな彼としてはこんな大物が潜んでいそうな水辺を前に、釣りをしない選択肢はないのだ。はたしてどんな釣果となるか。
「……ま、たのしませてもらうぜ」
 どっかりと腰をすえて、のんびり釣り糸を垂れる神削。
 掃除する気ゼロ! ていうか掃除の邪魔なんだけど!?

「おー。ただのプール掃除だと思って来たけど、これはすごい……!」
 完全に密林の一部と化したプールを見て、藍那湊(jc0170)は絶望するどころか闘志をたぎらせた。
 もともとカナヅチだけど掃除が終わったら水泳の練習もしたいしなー、などと軽い気持ちで参加してみたら、この惨状。
「これはもう、ゴミやヘドロとの戦争としか思えない! 徹底的に磨き倒すっ!」
 気を引き締めると、湊は瞬時に戦闘服(メイド服)に着替えた。
 もちろん女装はNGなので、男子用に改造済みの半ズボン仕様だ!
「これは大丈夫! ギリ女装じゃないから! かろうじて女装じゃないから!」と自分に言い聞かせるも、やはり恥ずかしいのか赤面している。
 だが、恥ずかしがってるヒマはない。メイドBARで働く身として、掃除ぐらいできなくては男がすたる!

「掃除をするのは構いませんが、このプールって誰が使うんですかね?」
 袋井雅人(jb1469)は素朴な疑問を口にした。
 もちろん生徒が使うんだよ!
「それはさておき……このジャングルにどんなエロいものが潜んでいるか、想像するだけでもワクワクしますね。ラキスケ大歓迎ですよ!」
 ジャングルに来て『エロ』を想像する変態は、めったにいない。さすがの変態クオリティ。

「コメディだからってスク水は着ませんッ!」
 心の叫びを口にしつつ、浪風悠人(ja3452)が登場した。
 なにやら過去にスク水を着た経験があるかのような発言だが、いいんだろうか。
 ちなみに服装は、海パンの上にシャツとハーフパンツ。スク水ならMVPだったのになぁ……(ちら
 ともあれ今日の悠人は、まじめにプール掃除をしにきた。
 なぜか釣竿とクーラーボックスを持ってるが、遊びに来たわけではない。生物保護の観点で調査を兼ねているのだ。

「さぁて……やるかっ!」
 佐藤としお(ja2489)は、なぜかアサルトライフルやガトリング砲を取り出した。
 これでプール内のゴミを一掃しようというのだ。
「まずは汚物を消毒! 景気よくバレットパレードでぶっとばせばすぐ終わるハズ! ……ま、多少プールの水深が深くなる可能性も否めないけど……そこはご愛嬌でしょ?」
 釘バットとかガトリング砲とか……なにしに来たんだろう、この人たち。
 あと言うのを忘れたが、水着はもちろん『褌』だ! 超重要! ラストシーンの伏線になってるからね、これ!

「まて、諸君!」
 浮かれる仲間たちを止めたのは、下妻笹緒(ja0544)だった。
 またなにか素っ頓狂な演説が始まるのかと、皆の注目が集まる。
 そして実際、笹緒はいつもの調子で熱弁をふるいだした。
「みんな落ち着いて周囲を見てみると良い。この、熱帯地方のごとく豊富な自然。多種多様な木々が生い茂り、広さも十分なこの水溜りは、本来であれば河童の居住地なのは間違いない!」
 やっぱり始まったよ……みたいな空気が一同を包んだ。
 笹緒は演説をつづける。
「伝説の河童……彼らがここを去ってしまったのか、それともまだ近くに隠れているのか。それはわからないが、水質を改善し生態系を回復させれば元の河童池に戻ることも夢ではない。必要なのは取捨選択。河童を頂点とした生態系ピラミッドが正常なバランスを保っているかを考えつつ、魚や水草を放流し、凶暴な獣や野良ディアボロを駆除するのだ。無論きゅうり畑を作るのも忘れてはいけない。さぁいまこそ取りもどそう! 河童の泳ぐ池を!」
 でも残念ながら、賛同者は現れなかった。
 ショックを受けた笹緒は悲しみを引きずりながらジャングルへ消え、そこで新たな河童池を見つけた……かどうかは定かでない。いっそ自分が河童になってジャングルに住んじゃえよ、YOU!


「これがプールねェ……。最初から作りなおしたほうがいいんじゃないかしらァ……まァこれも依頼だし、さっさと終わらせましょうかァ」
 笹緒を無視して呆れ気味に呟いたのは、普段着姿の黒百合(ja0422)
 まじめに掃除するつもりなので、とりあえず物置場から掃除用具を持ってくる。まずは更衣室の掃除からだ。

「なんで、こんなジャングル奥地のプール掃除を……。この学園には、ほかにもプールあると思うんだけど……」
 と言いながら、礼野智美(ja3600)も更衣室の清掃にとりかかった。
 ヘドロのタンクみたいになったプールを掃除したら、全身ドロまみれになるのは不可避だ。最初に着替え場所を確保しなければ、掃除どころではない。
 だが、蔦や雑草に覆われた更衣室のドアを開けてみれば、中は腐海みたいな状態だ。
 床を埋めつくす、謎の菌類。蠢く巨大昆虫。ムッとした熱気が押し寄せてくる。

「……これはひどい」
 サクッと終わらせてプール掃除に向かう予定だった染井桜花(ja4386)は、更衣室の惨状を見て顔をしかめた。これはまさに手のつけようがない状態だ。
「うぅん……まさか、これほどとは……」
 予想以上の事態を前に、月乃宮恋音(jb1221)は声を詰まらせた。
 だが、こんな事態に備えて最初から水着だ。牛柄のビキニにパーカーがよく似合う。
「これは掃除しがいがありますね、気合を入れないと」
 ユウ(jb5639)は逆に、やる気を出していた。
 彼女も更衣室担当だ。いざとなれば透過能力もあるので、汚れは気にならない。なんて地味な透過の使いかた!
「では始めましょうか。……騒動に巻き込まれなければいいなぁ……」
 どこか諦めたように呟くのは、神谷春樹(jb7335)
 はたして彼の願望はかなうのか!?


 ──そんなわけで、更衣室が使えるようになるのは少し先になりそうだった。
「え? 更衣室使えないのだ?」
 土木工事の現場みたいなことになってる更衣室を見て、焔・楓(ja7214)は首をかしげた。
 でも大丈夫!
「こんなこともあろうかと! 下に水着着てきたから、更衣室なくても問題ないのだ♪」
 と、勢いよく服を脱ぎ捨てる楓。
 だが、現れたのは可愛らしい下着姿だった。
「……あや? 着てなかったのだ!?」
 どうやら水着を着ていたつもりで、忘れてたらしい。
 あわてて下着を脱ぎ、持ってきた水着に着替える楓。
 どっちにせよ更衣室いらなかったのでは……。

「あら〜、更衣室のお掃除たいへんそうですねぇ〜」
 深森木葉(jb1711)は、いつもの着物姿だった。
 まさかこれでプール掃除はできないが、いつもの襦袢は汚したくない。
 というわけで、スパーンとスクール水着に早着替え。
 長い髪も一瞬で夜会巻きになっている。すごい技術だ。
「では、お掃除がんばっていきましょう〜♪」


 そこへ、すこし遅れて到着したのはエイルズレトラ マステリオ(ja2224)
 彼は底なし沼みたいなプールを見たとたん、ふつうに掃除することを放棄した。
 そして、いっそ更地にして新しいプール作ったほうが早いじゃんという考えにたどりつく。
「へえ、プール掃除ですか。……ええ、お望みとあらば、すべて掃除して差し上げましょう」
 そう言うと、エイルズは光纏して両手にトランプを広げた。
 周囲の制止も振り切って、無差別範囲攻撃をぶっぱなすエイルズ。
 爆煙が周囲を包み、瓦礫と土砂と汚水が飛び散る。
 自分中心で識別不可の攻撃だが、異常な回避力で自分だけは無傷だ。
「ほかの人たち、巻き込んだらメンゴですよ」
 巻きこむ気満々で微笑むエイルズ。
 実際、木葉と楓が巻きこまれてる。
「それはプール掃除ではないのです〜!」
 吹っ飛ぶ木葉。
「暴力反対なのだ〜!」
 釘バットで反撃する楓。
 だが、エイルズは悠々と回避してしまう。
「ふふふ……僕に攻撃を当てるのは容易なことではありませnぐふッ!?」
 背後から下半身にデッキブラシを叩きこまれて、エイルズは崩れ落ちた。
 下半身と言っても面積は広いが、一体どこを!?
 まぁ想像にまかせよう。
「……狼藉は許さない。……見たか、粉砕デストロイ」
 淡々と告げるのは桜花だった。
 今回の顔ぶれを見て、最初から襲撃にそなえていたのだ。
 まぁこれだけ何度も爆破したりされれば、警戒するに決まってる。ラファルも覚悟するが良い。

「怪我をした人は、こちらで手当てしますわ〜」
 愛須・セラフィーナ(jc1239)が手招きした。
 見ればプールサイドにタープが張られて、簡易診療所になっている。
 悶絶したまま担架で運ばれるエイルズ。これぞまさにインガオホー!
 だが、このあとの『手当て』を考えると、もしやごほうびか!?
「怪我した人だけでなく、どなたも気軽においでくださいね〜。脱水症状や熱射病には、くれぐれもご注意を〜。つめたい水や氷も用意してありますので、のどが渇いた人は遠慮なくどうぞ〜」
 さすがセラフ、準備に抜かりがない。
 まぁそんなわけで、掃除の邪魔するパンダと奇術師は退場。
 さぁはりきって掃除しようか、みんな! 掃除してくれ、たのむ!


「なにか釣れますか?」
 騒ぎをよそに、悠人は神削に話しかけた。
 神削は外人みたいに肩をすくめて、「なんにも」と答える。
 だが、悠人の見たところ確かに何か棲息している感じだ。
 というわけで、ふたり並んでプールでフィッシング♪ 掃除しろ♪
「おっ、なにか来ましたよ! いい引きだ!」
 悠人の竿に、なにかがヒットした。
 撃退士パワーで思いきり引っこ抜く悠人。
 すると姿を見せたのは──まるで地球外生命体のような生物・WRSB! しかも体長2m以上!
「これはワラスボ……!? 有明海にしかいないはず……!」
 妙にマニアックなことを言い出す悠人。
「だれかが放流したんだろう。犯人は佐賀県民に違いない。だれにも知られず久遠ヶ原を佐賀県にするつもりだ」
 真顔で神削が答えた。
「久遠ヶ原を佐賀県に……!? そんな馬鹿な……! 都道府県魅力度ランキングでは、いつも岐阜より下なのに!」
 つられて妙なことを口走る悠人。
 でもそれを言いだすと、茨城はもっとひどいっていう……。

「なんだこれ。エイリアンか!?」
 ネフレンが釘バットを担ぎながら近寄ってきた。
 一応まじめに(釘バットで)掃除してたのだが、なんか面白そうなのを見かけて中断してきたのだ。
 そこから始まる、無駄なワラスボトーク。
 極度の人界知らずだったネフレンも、これで少しは人界通に!
 次からは誰とでもワラスボ話ができるよ! よかったね!

「わぁ、なにかかわいい生きもの発見なのです〜♪」
 木葉が笑顔で覗きこんできた。
「「かわいい!?」」
 大声で聞き返す、神削と悠人。
「キモカワイイ系ですよ〜。かわいそうなので、野生に返してあげましょう〜」
「でも佐賀県ですよ……?」
「ディメンションサークルで、ひとっとびなのです! そうと決まれば、ほかのワラスボちゃんたちも助けてあげましょう〜♪」
 こうしてプール掃除の前に、WRSB救出計画が実行された。
 いろいろツッコミどころ満載だが、久遠ヶ原だからという一言ですべて解決!
 久遠ヶ原島の佐賀県化は免れた!
 たのむからプール掃除してくれ! 時間(字数)が尽きる前に!


 一方そのころ。更衣室では掃除という名の戦いが繰り広げられていた。
 とりあえず部屋全体を覆いつくしていた苔や蔦は、完全除去して焼却処分。襲ってきた巨大食虫植物や、部屋の片隅から発見された謎の白骨死体も焼却処分。いっそ更衣室ごと焼却して建てなおしたほうが早いのだが、そうもいかずに頑張る撃退士たち。
 そんなこんなで、ようやく箒や雑巾の出番だ。
「ここまでくれば、どうにかゴールが見えてきたな……」
「おぉ……そうですねぇ……。もうひとがんばりですよぉ……」
 そんな会話をしつつ、智美と恋音は共同で更衣棚の清掃に取りかかった。
 まずは棚をひとつひとつ箒で掃き、一ヶ所に集めて回収。
 次に雑巾で丁寧に拭いてゆき、床は洗剤を混ぜた水を流して汚れを浮かせたところをデッキブラシで掃除。
「……よし、こんなものかな。この陽気なら床もすぐに乾くだろう」
 さわやかな汗を輝かせて、「ふぅ」と一息つく智美。

 その後ろで、恋音は最後の仕上げに洗面台を磨いていた。
 すると、割れたタイルの隙間に見慣れないキノコ発見。
 よせばいいのに、研究のためだからと恋音は手をのばした。
 その直後。フシュッという音とともにピンク色の胞子が飛び散る。
「はぅ……っ!?」
 とたんに恋音の胸が大きくなり、ビキニが弾け飛ぶ。
 全身は赤く火照り、目がとろんとして……なぜか始まるストリップ劇場!
 どうやらキノコの胞子を吸って、自制心が薄れてしまったらしい。
 ……てことは、ふだんからストリップしたい願望をおさえてるのか、この人。
「わるいが俺は逃げさせてもらうぞ。押しつぶされたくはないからな」
 冷静に状況を判断して、迷いなく脱出する智美。
 いままでに恋音が押しつぶしてきたものの数々を考えれば、だれも智美を責められまい!



「いまごろプール掃除はどうなってるでしょうね」
 ジャングルの中を学園めざして進みながら、明斗が問いかけた。
「まだ爆発音が聞こえないから、おそらく大丈夫でしょう」
 冷静に応じながら、淡々と攻撃スキルをぶっぱなして邪魔な草木を薙ぎ払う雫。
 やはり草刈りには封砲が便利だ。明斗のアウルディバイドまで動員して、まっすぐに学園への道を切り開いてゆく。
 やがて二人は無事に学園へ到着。行きはあちこち迷って1時間ほどかかったが、一直線に歩けば30分たらずの距離だった。
「とりあえず避難経路は確保できましたね。じゃあ僕はプールに戻ります。きっと負傷者多数と予想されますから……」
 そう言うと、明斗は今来た道を戻っていった。

 残された雫は、すこし考えてスマホを取り出した。
 そして『良い狩場を紹介しますから』と、焼肉部長のカルーアを呼び出す。
 すぐに飛んできたカルーアは、ジャングルを見て大騒ぎ。
「久遠ヶ原には、こんな場所もあったのです!?」
「はい。おいしい野生動物も豊富で、とても良い狩場と思うのですが。紹介料はプール掃除の手伝いで良いですよ」
「オッケーなのです! 早速お肉を狩るのです!」
 巨大なフォークをふりかざして、密林へ突入するカルーア。
 だが、その瞬間。地面に隠されていたトラバサミが彼女の足首をはさみ、アキレス腱を切断した。つづいてトラバサミにつながっていたチェーンが真上へ巻き上げられ、カルーアは木の枝から逆さ吊り状態に。
「いたたたたた! なんなのです!?」
「ああ……どこか見覚えがあると思ったら、学園編入当初に見つけた狩場のひとつでしたか」
 納得したようにうなずく雫。
 どうやらプールへ水を飲みにくる動物を捕らえるための罠を仕掛けていたらしい。しかも大量に。
「足首が折れたのです! 早く下ろせです!」
「と言われても、私では背が届きません。封砲で足を切断しましょうか?」
「やめろです!」
 鎖や木の枝でなく足を切るという発想が雫である。
 このあとカルーアがどうなったかはわからない。
 透過すれば即解決なんだけどな……。


 かたや、雫と別れた明斗はプールめざして走っていた。
 そこへ、突然現れる金髪の中学生。
「おや、あなたもプール掃除ですか? さきほどのメンバーの中には見かけませんでしたが」
「プール掃除? 俺はただ、3日前からこの密林をさまよってるだけだ」
 明斗の質問に、少年は平然と答えた。
 彼の名は、ローニア レグルス(jc1480)
 ただの迷子だ。
「……で、なんの騒ぎだ? こんなに木を切り倒して……戦闘訓練か?」
「いえ、プール掃除ですよ」
「プール? ……もしかして、あの沼のことか? あれを掃除するのか?」
「そうです」
「ふむ……よくわからんが、この密林を綺麗にしろと。まあ、こうして学園への道を切り開いてくれたんだ。掃除を手伝ってやろう」
 こうして掃除要員が1人増えた。


 そのころプールではWRSB救出計画が無事に完了し、ヘドロの除去作業がおこなわれていた。
「ここに魚が住んでいたとは、信じられませんね……」
 と言いながら、淡々とバケツでヘドロをすくい取る春樹。
 排水溝までの間に撃退士たちが並んで、バケツリレーがはじまる。
 結構な重労働だが、日々の戦闘で鍛えた撃退士なら余裕で……
 ガシャーーーン!
 木葉がバケツをひっくりかえす音だった。
 しかも中身の入ったやつを、頭から浴びている。
 どうやればそんな風になるのか不明だが、これぞドジッ子LV99の実力!
「あぅぅ……泥だらけですぅ……」
 ゾンビみたいに両腕を前に出しながら、半べそになる木葉。
「こちらへどうぞ。ちょうどシャワーの清掃が完了したところです」
 ユウが木葉の手を取って案内した。
 みんながワラスボと戯れてるあいだ、ひとり黙々とプールサイドのシャワーを掃除してたのだ。
「ありがとうございますぅ。助かったです〜」
 お礼を言って、木葉はシャワーのバルブをまわした。
 そのとたん、頭上から熱湯が!
「あつぅぅううううう!?」
 あわてて逃げだす木葉。
 さすがはLV99!


 そんな騒ぎの中、3人の生徒が新たにプールへやってきた。
 ユキメ・フローズン(jb1388)と秋姫・フローズン(jb1390)の姉妹。
 それと、チャイナカフェ『赤猫』店長のアメリア・カーラシア(jb1391)だ。
 この猛烈な炎天下でプール掃除をさせられている人たちがいると聞いて、急遽応援に駆けつけたのである。
「みんな、おつかれさまだよ〜。ちょっと一息入れたらどうかな〜」
 大量の荷物を持って、笑顔でプールサイドに乗りこむアメリア。
 真紅の薔薇模様のビキニが、目にまぶしい。
 なにごとかと、作業していた撃退士たちの視線が集まる。
「ええと……みなさん、ジュースの差し入れ……です……」
 とぎれとぎれに告げる秋姫。
 こちらは、紫色のセパレート水着にパーカーというスタイルだ。
 ドカッと置かれたクーラーボックスを開けると、出てきたのは氷水で冷やされたミニサイズの缶ジュース。
「私からはスイカの差し入れよ」
 ユキメのクーラーボックスからは、おなじくよく冷えたスイカが出てきた。
 食べやすいサイズにカットされており、見るからに涼しげだ。
 そんな彼女のいでたちは、真っ白なビキニに麦わら帽子。完全に真夏の姿だ。
 もっとも、このジャングルの気温は『真夏』なんてレベルではないが。

「おおーー!」
 掃除で汚れきった撃退士たちが、ぞろぞろ集まってきた。
 あちこちで、スイカをかじる音とプルタブを開ける音が響きだす。
「水分ばかりじゃダメだから、塩分補給用に塩飴と梅干しも持ってきたよ〜。特製の梅干しはかなりすっぱいから気をつけてね〜」
 と、アメリア。
 いまここに、差し入れ合戦がはじまる!
「みんな、ゴミはこっちにお願いするわ。ポイ捨て厳禁よ」
 ユキメが大きなゴミ袋を広げた。
「空き缶は……こちらに……おねがいします……」
 と言って、秋姫はゴミ袋のひとつを指差した。
「スイカの皮や梅干しの種は、こっちにおねがいね〜」
 アメリアが、もう一方のゴミ袋を指定する。

「そういえば、あっちのほうに木の実がなっていた」
 ふと思い出したように、ローニアが言った。
 すぐ近くだからと言うので何人かで行ってみると、そこにあったのは広大なバナナ園。
「燃料不足(空腹)のあまりに食したが、うまかったぞ。俺はオリーブオイルのほうが好きだがな。食うと良い。俺が許そう」
 自分のバナナ園かのように偉そうな態度で、バナナをもいで配るローニア。
 だが、たしかにうまい。プール掃除で失った体力を補給するのに、絶好のカロリー源だ。


 こうしてつかのまのリフレッシュタイムをすごした撃退士たちは、ふたたびプール掃除に戻っていった。
 すでにヘドロはおおかた処理され、プールの水は抜かれている。
「よーし、僕はプールの中を掃除するのだ♪ でも……さりげなく天魔とかいたりしないよね? いたらいたで、どっかーんと吹っ飛ばすだけだけどー♪」
 楓は両手にデッキブラシを持って、勢いよくプールの底に着地した。
 一瞬足をすべらせてコケそうになるが、持ち前の運動能力でセーフ。
 そのまま、水をどばっと流して清掃開始。
 邪魔なものは、すべてプールの外へ投げ捨て。きっと誰かが何とかしてくれる(

 つづいて、木葉、雅人、としお……と次々にデッキブラシでプールの底や壁をこすりはじめた。
「なかなか大変ですが、掃除後のみんなで堪能する一番プールが楽しみですよー」
 めずらしく真面目に働く雅人。
 だが、一番プールを満喫するには爆破オチを回避しなけりゃダメなんだぜ?
「……なかなか落ちない」
 桜花もデッキブラシでプールの隅をこすっていた。
 いつのまに着替えたのか、黒ビキニ+Tシャツ姿である。
「こうすれば落ちると思いますよ」
 春樹は、ブラシでなく雨霧護符を手にしていた。
 撃ち出された水の矢が、頑固な水汚れを洗い落とす。
 おお、なんという生活の知恵! きっと魔具魔装の開発者も大喜びだ!

 プールサイドでは、湊がモップをかけていた。
 ただし普通のモップがけではない。磁場形成やサイドステップまで使っての、超高速モップがけだ。
 というのも、メイド服が恥ずかしいためである。全速疾走してれば皆の目に留まらないだろうと考えたのだ。
 いったい彼は、汚れと戦ってるのか羞恥心と戦ってるのか。メイドな時点で既におかしいが、羞恥心という名のエンジンを積んだ湊の走り抜けたあとは、鏡のような美しさだ。……ただし、止まる気はない! だれか轢いたらゴメンナサイ!
「ふにゃああああ……っ!?」
 んしょんしょ言いながらデッキブラシをかけてた木葉が、背後から湊に撥ね飛ばされた。
 さすがドジッ子! ……って、完全にもらい事故だコレ!

「面倒くさいわねェ……。デッキブラシでちまちまやるなんて、時間と労力の無駄よォ……? もっと文明の力を利用したらどうなのォ……?」
 黒百合は、ものものしい防毒マスクを着用してプールに下りてきた。
 そのただごとでない様子に、身をすくませる撃退士たち。
 すると黒百合は、景気よく塩素剤をばらまいて辺り一面を消毒しはじめた。つづいて、蛋白質を分解する次亜塩素酸ナトリウム系の洗剤もぶちまけてから清掃開始。高圧洗浄機に回転ブラシを装着するという力技で、一気にプールの汚れを消し去っていった。


 だが、そのとき。
 周囲の密林から、原始的な太鼓のリズムが湧き上がった。
「これはまさか……全裸のアマゾネス軍団の襲撃!?」
 シリアス顔で言う雅人。
 なんで全裸指定なのかは謎だ。まさか半脱ぎのロマンがわからん男だとは思わなかったよ。コスプレものなのに全部脱がしちまう監督と同じか、やれやれ。

 そういうわけなので、なぜか猫耳を装備した半裸のアマゾネス軍団が襲いかかってきた。
 ひどい茨城弁で何を言ってるのかわからないが、どうやら『聖地から出ていけ』みたいなことが言いたいらしい。
「いいでしょう。受けて立ちますよ!」
 雅人が光纏した。
「あれ? もしかして、ここが釘バットの出番じゃねぇ?」
 ハッと気付くネフレン。
「とりあえず、戦闘態勢をとりましょうか」
 春樹は戦闘要員に乾坤網をかけた。
「あぶないときはライトヒールしてあげるから、がんばってね〜」
 セラフは前線に出る気はないようだ。
「重傷の場合は学園に搬送しますよ!」
 キリッと顔を引きしめる明斗。
 そこへ、「ウラーーー!」とか叫びながら突入してくる茨城アマゾネス。
 だが、塩素の匂いに耐えかねた彼女らは即座に180度回転して逃げて行くのだった。
 以上! はじまる前に戦闘終了!
 ラキスケなんてなかった!

 こうして無事に原住民の襲撃を退けた撃退士たちは、滞りなくプール掃除を完遂。
 みごとに依頼をやりとげた。
「うん、綺麗になった! あとは目一杯遊ぼう! たくさん働いたあとは、おなかがすくね! おっちゃん! ラーメンちょうだい!」
 としおは脇目もふらずにプールサイドのラーメン屋へと駆け込んだ。
 うん、言わなかったから誰も知らなかったと思うけど最初から存在してたからね、このラーメン屋。
 その名も、元祖九州じゃんがら……もとい、じゃんぐるらあめん!
 じつはアマゾネスが『聖地』と呼んでいたのは、この店のことだ! のれんに『聖地』って書いてあるし!


 こんな無茶苦茶な後出し設定アリかよ……と誰もが思うが、『ジャングルにラーメン屋はありません』とか書いてなかったし! あったんだよ! 密林の奥地に! ラーメン屋が!
 話は以上! あとは自由にプールで遊ぶだけ……
 ではなかった! そう、あの爆破魔が残ってる!
「くっくっく……みんなすっかり安心してやがる。だが、ここからが俺のターン! この誰にも需要のないプールを、地上から完全に『掃除』してやる! どいつもこいつもプールと一緒にあの世逝きだぁー! 俺の辞書に『慈悲』の文字はない!」
 ラファルは躊躇なく起爆装置を押した。
 が──プールの周囲に仕掛けたはずの爆弾が起動しない!
 なんと、黒百合がこっそりと信管を抜いて処理していたのだ。
「ならば……俺自身の全火力で葬り去ってやる! 全砲門展開! フアイエエエエッ!?」
「……私にも慈悲はない。吹っ飛べ」
 ラファルの装備が火を噴く寸前。桜花のデッキブラシ(16t)が後頭部に叩きこまれた。
 きれいなスイングで、場外ホームランされてしまうラファル。
 これはもう天罰と言うしかなかろう。
 みごと! 黒百合と桜花の連携で、いつもの爆破オチは回避された! おめでとう!


 だが、みんなすっかり忘れていた。
 神削が最初からずーーーっと釣り糸をたらしていたことを。
 さぁここで、ついに彼の釣竿が弧を描く!
 いざ、ダイスロールの時間だ! 6面ダイスを振り、出た目で獲物が決まる!

1:美味な大物の魚
2:爆破オチ用超高威力爆弾
3:爆破オチ用超高威力爆弾
4:爆破オチ用超高威力爆弾
5:爆破オチ用超高威力爆弾
6:参加者の内の誰かの水着

 どうせだから3つぐらい振ってみよう。
 ──結果、3、4、6。

 ちゅどおおおおおおんん!×2

 あまりに予想外の方向からの爆破オチに、だれも対処できなかった。
 こうして秘境のプールは瓦礫の山に埋もれ、密林に静寂が訪れたのであった。
 すべてをやりとげて倒れた神削の背中に、としおの褌がパサリと落ちてくる。
 それはまるで映画のワンシーンのように美しかった──




依頼結果

依頼成功度:成功
MVP: 赫華Noir・黒百合(ja0422)
 パンダヶ原学園長・下妻笹緒(ja0544)
 歴戦の戦姫・不破 雫(ja1894)
 奇術士・エイルズレトラ マステリオ(ja2224)
 花々に勝る華やかさ・染井 桜花(ja4386)
 釣りキチ・月詠 神削(ja5265)
 大祭神乳神様・月乃宮 恋音(jb1221)
 ラブコメ仮面・袋井 雅人(jb1469)
 ペンギン帽子の・ラファル A ユーティライネン(jb4620)
重体: −
面白かった!:13人

赫華Noir・
黒百合(ja0422)

高等部3年21組 女 鬼道忍軍
パンダヶ原学園長・
下妻笹緒(ja0544)

卒業 男 ダアト
歴戦の戦姫・
不破 雫(ja1894)

中等部2年1組 女 阿修羅
奇術士・
エイルズレトラ マステリオ(ja2224)

卒業 男 鬼道忍軍
ラーメン王・
佐藤 としお(ja2489)

卒業 男 インフィルトレイター
おかん・
浪風 悠人(ja3452)

卒業 男 ルインズブレイド
凛刃の戦巫女・
礼野 智美(ja3600)

大学部2年7組 女 阿修羅
花々に勝る華やかさ・
染井 桜花(ja4386)

大学部4年6組 女 ルインズブレイド
釣りキチ・
月詠 神削(ja5265)

大学部4年55組 男 ルインズブレイド
パンツ売りの少女・
焔・楓(ja7214)

中等部1年2組 女 ルインズブレイド
鉄壁の守護者達・
黒井 明斗(jb0525)

高等部3年1組 男 アストラルヴァンガード
大祭神乳神様・
月乃宮 恋音(jb1221)

大学部2年2組 女 ダアト
撃退士・
ユキメ・フローズン(jb1388)

大学部7年291組 女 阿修羅
微笑みに幸せ咲かせて・
秋姫・フローズン(jb1390)

大学部6年88組 女 インフィルトレイター
真紅の赤薔薇・
アメリア・カーラシア(jb1391)

大学部7年7組 女 インフィルトレイター
ラブコメ仮面・
袋井 雅人(jb1469)

大学部4年2組 男 ナイトウォーカー
ねこのは・
深森 木葉(jb1711)

小等部1年1組 女 陰陽師
ペンギン帽子の・
ラファル A ユーティライネン(jb4620)

卒業 女 鬼道忍軍
優しき強さを抱く・
ユウ(jb5639)

大学部5年7組 女 阿修羅
あなたへの絆・
蓮城 真緋呂(jb6120)

卒業 女 アカシックレコーダー:タイプA
揺れぬ覚悟・
神谷春樹(jb7335)

大学部3年1組 男 インフィルトレイター
蒼色の情熱・
大空 湊(jc0170)

大学部2年5組 男 アカシックレコーダー:タイプA
撃退士・
愛須・セラフィーナ(jc1239)

大学部4年3組 女 アストラルヴァンガード
鯉人募集中!・
ネフレン(jc1467)

大学部1年25組 男 アカシックレコーダー:タイプB
オリーブオイル寄こせ・
ローニア レグルス(jc1480)

高等部3年1組 男 ナイトウォーカー