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マスター:牛男爵
シナリオ形態:ショート
難易度:易しい
参加人数:8人
サポート:1人
リプレイ完成日時:2015/05/10


みんなの思い出



オープニング


 4月も終わりに近付き、クラブの勧誘活動も徐々に落ち着きを見せてきた。
 この時期になってもクラブに所属してない新入生はおおかた帰宅部員だし、いくらクラブの掛け持ちは自由といっても所属できる数には限度というものがある。
 そんな次第で、この時期の勧誘活動は労力のわりに成果が少ない。あるいはまったく成果がない。

 その日もまた、ひとりの少女が必死になって部員を勧誘していた。
 外見年齢10歳ぐらいの、元気そうな褐色肌の女の子だ。
 名前はカルーア。一見ただの学生に見えるが、じつはこの少女は使徒(シュトラッサー)。しかも人間界に下っておらず、天界の力をバリバリに使える。──もっとも、使えるからといって強いとは限らないが。すくなくとも人類の敵であることは間違いない。
 そんなカルーアが久遠ヶ原学園に在籍しているのには、理由がある。上司の指示で、久遠ヶ原の情報をさぐるよう潜入調査を命じられたのだ。

 彼女が調査をはじめて、約1年。
 その間に、さまざまな情報を得た。
 アパートの近くのスーパーでは、夜8時になると惣菜の半額セールが始まること。
 某カレーショップでは、ルーの追加が一回だけ無料でできること。
 なにより得がたいのは、『らあめんジロー』の呪文めいた注文方法の秘密だった。
 どれもこれも、人間界を征服するうえで非常に重要な情報だ!
 そんなカルーアが、つい最近になって知ったこと。
 それは、『焼肉はすごくおいしい』という事実だった。
 そこで彼女は立ち上げることにしたのだ。──そう、『焼肉部』を!
 いまカルーアは、その部員をあつめようと躍起になっているのだった。

「新入生のみなさ〜ん! 焼肉部に入りませんか〜! 焼肉は、とってもおいしいのですぅ〜! みんなでたのしく、毎日焼肉パーチーしましょう〜! 焼肉を愛するみなさんの入部を、おまちしておりますぅ〜!」

 ただ集まって焼肉を食べるだけの部活動だが、興味を持つ生徒もいないことはない。
 しかし詳しく話を聞いた生徒たちは、例外なく立ち去ってしまうのだ。
 理由はいくつかある。たとえば、正式なクラブとして学園に承認されていないこと、したがって部費も部室もないこと、調理器具も何もないこと、カルーア自身はビタ一文所有してないこと……などなど。
 ようするにカルーアのやっていることは、『毎日焼肉を食べさせて。もちろんみんなのお財布で♪』と訴えているも同然だった。同然というか、それそのものだった。
 これでは誰も入部するはずがない。『入部』という以前に、そもそも『部』にすらなってないのだ。

「ふぅん……? 苦労してるみたいだね?」
 カルーアの背後から、ひとりの少女が声をかけた。
 とくに改造したりもしてない、ごく標準の高等部の制服姿。容姿も平凡で、特筆すべき点はない。
 彼女の名前は、佐渡乃明日羽。学園屈指のサディストである。
 カルーアとは、これが初対面だ。

「そうなのです。ぜんっぜん部員が集まらないのです。おねえさん、入部してくれるですか?」
「入ってあげてもいいけど……私は焼肉よりも、あなたを食べたいかな……?」
 明日羽の手が伸びて、カルーアの頬をなでた。
「はわ……っ!? だだだ、だめなのです! この身はご主人様に捧げたのです! 変態おことわりなのです!」
 とっさに跳びのき、身構えるカルーア。
 それを聞いて、明日羽はニヤリと微笑んだ。
「ご主人様って、天界の天使でしょ? 人間界に下ってない使徒が、こんなところで部員の勧誘してていいの?」
「はふぇぇ……ッ!? ななな! なぜ、そのことををを……っ!?」
「それぐらい、見ればわかるよ?」
「ここっ、こうなれば……始末するしかないのです! 覚悟しやがれです!」
 カルーアは右手にヨーヨーを、左手にケンダマを取り出した。
 それが彼女の武器なのだ。

「まぁ落ち着いて? 私はあなたの敵じゃないよ?」
「ウソつけです! 撃退士は天魔を狩るのが仕事なのです!」
「声が大きいよ? 自分でバラしてどうするの?」
「はぅあ……っ!?」
 うろたえるカルーア。
 これでどうして今まで誰にも正体がバレなかったのか不思議だが、まさかこれほどマヌケな使徒が潜入してくるなどと、だれも思うまい。
 実際のところ明日羽は『見ればわかる』などと言ったが、ハッタリだ。見ただけで使徒の正体を判別することなどできっこない。

「そんなことより、いまは部員をあつめるのが優先だよね?」
 明日羽が話題を切り替えた。
 カルーアは大袈裟にうなずく。
「それはそうなのです! 焼肉部の未来がかかってるのです!」
「じゃあ、どうすればいいか……みんなに訊いてみる? 久遠ヶ原ではね、なんでも『依頼』できるんだよ?」
「そんなお金、カルーアは持ってないのです!」
「私が出してあげるから大丈夫だよ? カルーアちゃんは、みんなにいじられる役だけ務めればいいから、ね?」
「ふえ……っ!?」
 明日羽の怪しい笑顔に、カルーアはブルッと震えた。
 が、すでに時おそし。
「……ということで決まりね? ちょっと、そこのヒマそうな人たち。この子の相談に乗ってあげてくれる?」




リプレイ本文




「話を聞いていれば……無一文で焼肉だと?」
 様子を見かねて、パウリーネ(jb8709)が声をかけた。
「あらリーネちゃん。この子の相談に乗ってくれる?」
 明日羽がカルーアの頭をぽんぽん叩いた。
「金がないなら自給自足すればよかろう? 畑で野菜を作り、丹精こめて牛や豚を育て……そして食う。きっと多分おそらく、物好き数名くらいは入部するはず」
「カルーアは今すぐ焼肉したいのです! 野菜も無用なのです!」
「焼き林檎おいしいよ?」
「そんなのクソまずいのです!」
 この発言は、確実にパウリーネの機嫌を損ねた。

「部費がないなら、現地調達すればいいんですよ」
 当然のように、雫(ja1894)が言った。
「現地調達、です?」
 首をかしげるカルーア。
「はい。機材も何もないという話ですが、たとえば焼き網は……工事用の金網を綺麗にすれば転用可能ですね。燃料は……そのへんの木を切り倒して乾かせば問題なし。食器は……木の枝などを加工すれば使えます」
「なんだかワイルドなのです!」
「肝腎の食材は……近くの海から海産物を、獣肉は野山に出かけて調達。そこらへんのカラスやスズメ、ハトなどを捕獲するのも良いでしょう」
「カラスを食べるですか!?」
「はい。ハトはフランス料理でも使われる食材ですし、カラスなど高級食材扱いですよ。スズメは可食部が少ないですが、とても美味です。とくに冬場は絶品でした」
「そんなお肉が、そこらへん歩いてるですか!? すぐ捕まえてBBQです!」
「慌ててはいけません。肉は熟成させたほうがおいしいので、パーティーの数日前に狩っておくほうが得策です」
「それじゃダメなのです!カルーアは今すぐ焼肉したいのです! でも、そこらへんのハトとか食べられるのは、いいこと聞いたです!」
 久遠ヶ原島からハトやスズメが消えたら、雫のせいだ。

「うぅん……あの騒ぎは……」
 カルーアの様子を見て、月乃宮恋音(jb1221)は悟った。
 どうやら先日自分が焼肉に誘ったのが原因らしいと。
「どうしました、恋音。……ややっ、あれは佐渡乃さん! とても危険な予感がしますよ!」
 恋音の隣にいた袋井雅人(jb1469)が、顔色を変えた。
 その予感はもちろん的中するので、みんな覚悟を決めよう。
「まぁとにかく……話を聞きましょうかぁ……」
「見えている地雷を踏みに行く! さすがですね! 私もつきあいますよ!」
 そう言ってる雅人が、歩く地雷みたいなもんなので……まぁ、うん……。

「あのぉ……話を聞いてたのですけれどぉ……」
「あっ! 焼肉のおねーさんなのです!」
「えとぉ……うぅん……」
 完全に『焼肉のお姉さん』扱いされて、困惑する恋音。
 だが、すぐに体勢を立てなおして話を進める。
「ええと、カルーアさん……クラブを作るには、書類が必要なのですけれどぉ……手続きは済ませましたかぁ……?」
「書類とかイミフなのです!」
「でしたら、私がやりましょうかぁ……? カルーアさんは、署名だけで結構ですぅ……」
「全部まかせたです! それより焼肉なのです!」
「では場所を替えて……焼肉を食べながら、相談しましょうかぁ……」
「そうするのです!」
 勝利のガッツポーズをとるカルーア。
 だが、そこへ雅人が口をはさんだ。
「待ってください、カルーアさん! 働かざるもの食うべからず! なので私は、この依頼の前に別の依頼でディアボロを退治してきましたよ! 労働のあとに食べる焼肉こそが至高の美味なのです!」
「変態は黙ってろです!」
「アバーッ!?」
 カルーアの巨大剣玉が、雅人の●玉に命中した。
 おっぱい揉まれた恨みは忘れてないぞ!

「じゃあ私も、とっておきのお肉をごちそうするわね」
 話を聞きつけた満月美華(jb6831)が、壺漬けカルビ片手に走ってきた。
「ふぅん……おいしそうな肉だね?」
 妖しく微笑む明日羽は、カルビではなく美華の肢体を見つめている。
「もちろん。とてもおいしいお肉ですわ」
「それはたのしみだね?」
 着実に何かのフラグが!

「待って! お金はどうするんですの?」
 通りすがりの咲魔アコ(jc1188)は、最初から祭りに便乗する構えだった。
 そう、そもそも金がないから焼肉できないという話だったのだ。
 そこへひょっこり顔を出したのは、玉置雪子(jb8344)
「明日羽先輩の話だと、これは『依頼』ですよね? だったら、3000久遠支給されますよね? 全員分あつめれば、七輪と炭と食材くらいは用意できる希ガス」
 それは名案!
 と思いきや──

「七輪? 炭? 食材? なに言ってるの!? まずは酒よ! なにがなくとも酒よ! 焼肉に酒は不可欠でしょう!? 日本酒、焼酎、ビール、ウイスキー、ワイン、ウォッカ、テキーラ、ジンにラム……ロックにお湯割り、ソーダ割り、レモンもほしいわね。……肉ぅ? いいのよ、そんなの後回しで!」
 えらい剣幕で、アコがまくしたてた。
 一同の視線が集まる中、彼女は続ける。
「でも、いっぱい飲むなら明日羽ちゃんの協力が必要なのよねぇ……オマケとはいえ、肉も炭火で焼きたいし……ねぇ明日羽ちゃん、お金出してくださる?」
「かわりに何かしてくれるの?」
「お酒が飲めるなら、なにをしてもよくてよ。……あ、でも後払いでいいかしら? ああいうのは、お酒が入ってるほうが楽しいに決まってますもの、ね?」
「ふふ……約束したよ?」
 にんまり笑って、明日羽はアコの胸元に札束をつっこんだ。

「では、資金が確保できたところで……場所を決めませんかぁ……? とくに希望がなければ、先日と同じ公園で
「待った! 希望はある! 私の話を聞け!」
 恋音のセリフを遮って、桜花(jb0392)が光の速さで走ってきた。
 一体なにごとかと、目を見張る撃退士たち。
「公園で焼肉なんて近所迷惑! この季節だと花粉症とか虫刺されとかあるし! ここはいっそ、カルーアの部屋でどう? いや別に、幼女の部屋が見たいわけじゃないからね! そこで股間おさえてる変態と一緒にしないでね!」
「カルーアの部屋せまいのです。窮屈なのですよ」
「そこが! そこがいいんだよ! よし決まり! 幼女のお部屋で肉欲を満たそう!」
 あっというまに話は決着した。
 いま気付いたけど、この依頼って変態しかいないな……。
 あ、いつものことか……。


 ともあれ会場が決まり、パウリーネ、雪子、アコ、雅人の4人は買い出しに。
 恋音は創部に必要な書類を取りに行き、あとの5人はカルーアの部屋で準備をすることになった。
 が──
 この買い出し班は、少々問題だった。

「酒! 酒! なにはなくとも酒よ!」(アコ)
「林檎だ……みな林檎を食べるのだ」(パウリーネ)
「みなさん、野菜を食べましょう!」(雅人)
「雪子、お肉は食べないですしおすし」(雪子)

 買い物カゴに次々放り込まれる、酒と林檎と野菜。
 雪子は少食なので、どれだけ肉を買い物カゴにシュゥゥゥーッ!超!エキサイティン!すればいいかわからないため、自腹で豆腐と鰻のひらきを買っている。これで焼き豆腐と蒲焼きを作る予定なのだ。……って、おい! だれか! 肉を買え!
「だって雪子、あんまりお肉食べられないですしおすし。雪子だけ野菜炒めパーティーじゃないですかー! やだー!」
 だれかに何か言われたわけでもないのに、大声でわめく雪子。
 肉が駄目なのは、寿命が短い関係で胃腸も徐々に弱ってきているせいだ。
『あたしオムライス食べられないんですぅ、ヒヨコさん死んじゃう……><』とかいうキャラ作りとはワケが違う。
「……あ、でも鶏肉ならヘルシーでサッパリしてて食べやすいんジャマイカ?」
 ちょうど串に刺さってて食べやすそうな鶏肉を見つけて、雪子は買い物カゴに放りこんだ。
 言うまでもないが、それは焼き鳥だ。

 ──結果、購入したもの。
 大量の酒。リンゴ。野菜。焼き鳥。豆腐。鰻。
 これらをかかえて、買い出し班はカルーアの部屋へ向かうのだった。



「お肉が……お肉がないのです!」
 レジ袋の中身を見て、カルーアは叫んだ。
『あ、そういえば……』みたいな顔で、おたがいを見つめる買い出し班。
「ふざけんなです! もういちど行けです!」
「大丈夫。ここにカルビがありますわ」
 おお、まさかこんな形で美華の所持品が役に立つとは!
「こんなんで足りるかです! とっとと買ってきやがれです!」
 残念、まるで役に立ってなかった!

 そんなこんなで無駄な二度手間のすえ、ようやく焼肉パーティーが始まった。
 ちなみに6畳のワンルームである。そこに10人の男女が集まると、かなりの人口密度だ。
 よく見れば男は雅人だけで完全にハーレム状態だが、一番うれしそうなのは桜花さん。
 雫、雪子、パウリーネ、カルーアの美少女4人をはべらせて、まさに酒池肉林状態だ。
 ……あれ? これって桜花をたのしませるための依頼だったっけ?
「焼肉部……太りそうだしお金かかりそうだし、入るつもりなかったけど……これなら体験入部してもいいかも!」
「本当なのですか!」
「うんうん。だからここにおいで。お姉さんの膝の上に」
「おやすい御用なのです!」
 誘われるまま、桜花の膝の上で焼肉を食べるカルーア。

「そういえば、部員が足りないのでしたよねぇ……私でよければ、名前をお貸ししますが……?」
 こまめに肉をひっくりかえしながら、恋音が言った。
「だれでも歓迎なのです!」
「では、知人にも声をかけてみましょう……幽霊部員としてなら、名前を貸してくれる方がいるかもしれません……」
「なら私も入部しますわ」と、美華。
「おぉ……満月先輩も、焼肉部員ですかぁ……」
「まぁ焼肉は好きだし。それにしても、このお肉。本当においしいわね」
 ごはん茶碗片手に、焼けた肉を片端から食べる美華。
「みんなー、野菜もちゃんと食べないと駄目ですよ!」
 めずらしくマトモなことを言って、雅人は焼きトウモロコシをかじっていた。
 それは野菜じゃなくて穀物だが、こまかいことは気にするな。

「野菜なんてどうでもいいのですわ! それよりカルーアちゃん、私にお酒を注いでくださる?」
 アコが手にしているのは、洗面器サイズのドンブリだった。
「そんなの自分でやれです!」
「あら。部長になるのでしたら、それぐらい当然ですわよ? 人間界の礼儀ですわ」
「そ、そうなのです!?」
 あわててドンブリにウォッカを注ぐカルーア。
「そうそう、肉を焼くのも部長さんの仕事よ?」
「そ、そうなのです!?」
 あわてて肉を焼くカルーア。
「そして、給仕といったらやっぱり『これ』よね!」
 アコは従兄に借りたメイド服を取り出すと、無理やりカルーアに着せた。
「はうぁああ……っ!?」
「まぁよく似合ってるわ。ほらほら、がんばりなさい部長さん♪ そこの肉、焦げてるわよ。よく見なさい。トロいわねぇ」
「これが部長の仕事なのです!?」
「そうよ。……うん、良いお酒ね。お肉もおいしい。やっぱり焼肉は人に焼かせるに限るわね」
 サドい笑顔で肉をほおばり、酒をあおるアコ。

「私もお酒が足りません。注いでください、部長さん」
 アコに負けぬ口調で、パウリーネが命令した。
「は、はいっ!」
 あわてて撃退酒をグラスに注ぐカルーア。
「肉も取ってきてください。気が利かない子ですね。言っておきますが私は塩派なので。タレなんか持ってきたらブチ殺しますよ?」
「はわわ……!」
「そうそう、そんなことより焼肉部の話でした。いっそ焼肉部改め林檎部でも設立したらどうです? とても楽しいのではないかと思いますよ。毎日焼肉は不健康ですが、毎日林檎は健康的。なにより林檎派が増えるのは喜ばしいです。さぁ林檎を食べましょう?」
 酔った勢いで、焼き林檎をカルーアの顔面に押しつけるパウリーネ。
 ジュウウウッ!
「あちひぃぃぃッ!」
 林檎型の焼き印を押されて、カルーアは床を転げまわった。
「まぁ大変。やけどには林檎が効きますよ」
 焼きたて熱々の林檎を選んで、メイド服の中につっこむパウリーネ。
 ジュウウウッ!
「ひゃちィィィっ!?」
 まるでイジメだが、これは林檎をクソまずいと言われたことへの正当な報復だ。

「うぅん……これでは、焼肉部の助言どころでは……」
 書類を手にしたまま、恋音は呆然と佇んでいた。
「そんなの、もういいじゃない。それより恋音も一杯どう?」
 当然のように撃退酒を持ってくる美華。
「しかし、これは一応『依頼』ですし……」
「堅苦しいこと言わずに! ほらほら、飲んで飲んで! 私も飲むから!」
「では……一杯だけですよぉ……?」
 いっせーので、同時に撃退酒を飲もうとする美華と恋音。
 そこへ、雅人が飛び込んできた。
「待ってください! 危険が危ない!」
 どぐしゃあああっ!
 地震みたいに揺れるアパート。
 そしてお約束どおり膨張した恋音と美華のおっぱいが、雅人をサンドイッチして押しつぶしたのであった。

「お、おそろしいのです……!」
 あまりのことに、震えるカルーア。
「大丈夫。私が守るからね?」
 下心丸出しで、桜花が頭を撫でた。
「そうですよ。私が守りますからね?」
 雫もカルーアの頭を撫でる。
 どうやら彼女も酔っぱらってるようだ。

「よし、カルーア、雫、雪子! いまこそ服を脱いで、サンチュを体に乗せるんだ!」
 桜花は唐突にワケのわからないことを言い出した。
 どうやら彼女も酔っぱらって……はいないようだ。これでシラフだから恐ろしい。
「なに言ってるお? アタマおかしいのかお?」
 焼き鳥をかじりながら、雪子が基地外を見るような目を向けた。
「私は正常だ! いいか、裸体にサンチュを乗せて、その上から焼肉とタレをかけて口だけで食べるんだ! 焼肉でも女体盛りができるってことを、いまこそ世に知らしめるんだよ!」
「そんなの自分でやれお」
「わかったよ! じゃあ私がやるよ! カルーアは部長だから付き合ってね!」
「あひえええっ!?」
 桜花は自ら制服を脱ぎ捨てると、圧倒的支配力でカルーアのメイド服を剥ぎ取った。
 そして、みごとな女体盛り焼肉2人前が完成!

「さすが部長ですね」
 雫がカルーアのXXXを鉄串で突き刺した。
「あひぇぇぇ!?」
「桜花も綺麗ですわ。……ああ、なんて猟奇的♪」
 アコはドンブリ酒を飲みながら、鑑賞モード。
「どんどん食べて! おかわりもあるよ! みんなの肉欲を存分に満たすんだ!」
 自らの胸にカルビを盛りつける桜花は、完全にどうかしていた。
「じゃあ、アコちゃんにも同じコトしてもらおうかな? なんでもするって言ったよね?」
 と、明日羽。
「ふ……女に二言はありませんわ!」
 アコは躊躇なく脱衣すると、3皿目の女体盛りになった。
 というわけで──


 美華と恋音は超乳化現象で自重に押しつぶされ、雅人は下敷きになり、
 3皿の女体盛りを、明日羽と雫とパウリーネが容赦なく突っつきまわし、
 雪子はマイペースに鰻丼を作って食べるのだった。
 これが、記念すべき焼肉部最初の活動記録である。




依頼結果

依頼成功度:成功
MVP: 歴戦の戦姫・不破 雫(ja1894)
 肉欲の虜・桜花(jb0392)
 大祭神乳神様・月乃宮 恋音(jb1221)
重体: −
面白かった!:7人

歴戦の戦姫・
不破 雫(ja1894)

中等部2年1組 女 阿修羅
肉欲の虜・
桜花(jb0392)

大学部2年129組 女 インフィルトレイター
大祭神乳神様・
月乃宮 恋音(jb1221)

大学部2年2組 女 ダアト
ラブコメ仮面・
袋井 雅人(jb1469)

大学部4年2組 男 ナイトウォーカー
チチデカスクジラ・
満月 美華(jb6831)

卒業 女 ルインズブレイド
氷結系の意地・
玉置 雪子(jb8344)

中等部1年2組 女 アカシックレコーダー:タイプB
大切な思い出を紡ぐ・
パウリーネ(jb8709)

卒業 女 ナイトウォーカー
鋼鉄アイドルSGB006・
咲魔 アコ(jc1188)

大学部1年61組 女 ナイトウォーカー