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マスター:牛男爵
シナリオ形態:ショート
難易度:易しい
参加人数:8人
サポート:6人
リプレイ完成日時:2014/06/26


みんなの思い出



オープニング

 ここに、ひとりの悪魔がいる。
 自称IQ256の天才策士である彼は、人間界を征服するため今まで多くのディアボロを製作してきた。
 彼が最初に作ったのは、二足歩行する巨大なゴキブリ型ディアボロだった。
 人類が何より恐れる動物をモチーフにすることで、恐怖による支配を狙ったのだ。
 しかし、撃退士たちは一般人のようにゴキブリを恐れはしなかった。ごく一部の者はオシッコちびるぐらい怯えていたが、おおかたの撃退士たちは多少キモがりながらもラクラクとゴキボロを殲滅してしまったのだ。
 あきらめきれない悪魔は何度となく試行錯誤をくりかえし、ときには数人の撃退士を戦闘不能に追い込むこともあったが、結果から見れば惨敗を積みかさねただけだった。ついでに言うと、戦闘不能になった撃退士たちは例外なく自爆しただけだった。

 やがて、天才策士の彼は気付いた。ただキモいだけでは撃退士に勝てないという事実に。
 そこで彼は、発想を逆転させることにした。恐怖で人類を支配するのではなく、かわいさで人類を籠絡しようと。
 熟考のすえ彼がモチーフとして選んだのは、猫だった。
 これは悪くない選択だったと言えよう。実際、この猫型ロボット……もといディアボロと戦った撃退士の多くは、あまりのかわいさに自我を失ってメロメロ状態に陥った。
 完勝だ! ……と、そのとき悪魔は思った。
 が、ひとりの撃退士によって、この猫型ディアボロは無惨に蹴り殺されてしまったのだ。

 しかし、ここで悪魔は究極の答えにたどりついた。
 それは、おっぱい型ディアボロ!
 ……まぁ結果は言うまでもないだろう。中にはディアボロをほったからして百合百合プレイに走る撃退士もいたりと、ひどい戦いだった。というか、戦いになってなかった。
 それでもなお諦めずディアボロの研究開発をつづける彼は、まさに馬鹿……いや、研究者の鑑だった!

 そして彼は今日、あらたな着想を得た。
 それは、布団!!
 日々だれもがお世話になっている、あの『ふとん』だ!
 かけてよし! かぶってよし! まるまってよし!
 三拍子どころか全拍子そろった、完璧なアイテム!
 まさに全人類に愛されている、究極兵器だ!
 そう。たしかに猫やおっぱいは強い。かなりの愛され系だ。しかし、中には猫やおっぱいが嫌いな人だっている。その点、布団にはそういうことがない! 布団が嫌いな人など、どこにもいない! ……なに、ベッド派? 知らん!

 ──というわけで、この悪魔は作り上げてしまったのだ。まさに悪魔の兵器と呼ぶべき……おふとん型ディアボロを!
 その寝心地といったら、とても言葉では言い表せない。
 ふかふか、もふもふ、ほっこほこ!
 最高級羽毛布団もかくやというほどだ!
 多分この悪魔は、布団屋を開業したほうがいいと思う。

 ただ、ひとつだけ問題があった。
 この移動力ゼロ攻撃力ゼロ防御力ゼロのディアボロを、どうやって撃退士の前に立たせるか。……いや寝かせるか。
 まさか、路上に布団を敷くわけにもいかないだろう。
 となれば、撃退士たちを呼び出すしかない。布団が敷いてあっても不自然ではない場所に──



 こうして、久遠ヶ原学園に一通の挑戦状が送りつけられ、依頼として斡旋所に公開されたのであった。
 決闘の場は、とある温泉宿。
 悪魔が借り切った一室に、おふとんディアボロが待ちかまえている!
 おいしい夕食と、美容に効く温泉も待ってるぞ!



リプレイ本文



「いぇー! 温泉+ディアボロとか私得ですー! しかも相手はまさかの『動かない、害を与えない、何してもいい』の三拍子そろった天魔! これは全力で研究せざるを得ません!」
 旅館に向かう道中で、アクア・J・アルビス(jb1455)は鼻息荒く声を上げた。
 生物学の専門家である彼女にとって、天魔は興味深い研究対象。今回の依頼は絶好の機会だ。
「攻撃も防御もしないディアボロって……なんか、作った人に心当たりあるなぁ……Gとか、おっぱいとか……」
 難しい顔で眉間に指をあてるのは、少年少女愛好家の桜花(jb0392)
「うーん……この悪魔さんは一体なにがしたいんでしょうね……」
 島原久遠(jb5906)が、素朴な疑問を投げかけた。
 無論、答えられる者はいない。
「ねぇ、もしかして……宿が予約されたときの連絡先を調べれば、問題の悪魔の居場所がわかるってことは……ないかしら?」
 いつになく真面目な顔で言うのは、藍星露(ja5127)
『まさか』の可能性に、全員の注目が集まった。

 数秒の沈黙。
(まさか本当に!?)と思いながら、星露は収拾をはかることにした。
「ま、まあ、それは後で確かめるとして……とにかく楽しむわよっ。おいしい和食、美容にいいっていう温泉を!」
「……そ、そうですねぇ……。まさか本名や住所をさらして旅館を予約する悪魔がいるとは思えませんし……」
 月乃宮恋音(jb1221)が、自信なさげに応じた。
 口ではそう言ったものの、ときどき恐ろしく頭の悪い天魔がいることを彼女は知っているのだ。
「そうじゃ。遠慮なく楽しむのじゃ。じつは妾の実家も温泉旅館。とても懐かしいのじゃ」
 子供らしからぬことを言うのは、八塚小萩(ja0676)
 外見年齢6歳の幼女だ。くりかえす、6歳の幼女だ! やったね桜花!
「そうよね。たまには戦いを忘れて、ゆっくりできる依頼も悪くないわ」
 いつも不機嫌そうな鬼灯アリス(jb1540)だが、今日は大好きな温泉が待っているので上機嫌だ。
 もっとも、最近受けた依頼は海水浴とか料理コンテストとかなのだが……。
 まぁ、ゆっくりできる依頼はいつ受けても良いということだ!
「いやー、本当にただひたすら温泉旅館を堪能できるなんて、素敵な依頼ですねー」
 はははっ、と脳天気に笑うのは、袋井雅人(jb1469)
 今日は気楽な温泉旅行ということで、おおっぴらに恋音とイチャつく予定だ。爆発しろ。


 やがて一行は旅館に到着。女将が出てきて……
「小萩! はやく温泉! 一緒に温泉!」
 物凄い勢いで桜花が……
「こっちだよ! さぁおいで! 流しっこしようね! 前から後ろから!」
 小萩は特に抵抗も……
「女の子同士、仲良くしようね! 大丈夫、私はロリコンじゃないから! ただ子供を守りたいだけ! 露天風呂で天魔に襲われたら大変だし! だんじてロリコンじゃないよ!」
 ……って、ほとばしりすぎだよ、このロリコンの人!
 描写させてくれ!
「よかろう。いざ突撃じゃ」
 シャンプーハット片手に、廊下を走る小萩。
 そのまま脱衣所に駆け込むと、二人そろってキャストオフ!
 小萩の水着は黒猫褌だ。後ろは完全な紐である。女子用のを着るようにとは言われなかったので、問題ない。胸も髪で隠れるから問題ない! 強引!
「さあ小萩、ここに座って。背中とか背中じゃないところとか洗ってあげる」
 泡立てたタオルを手に、鼻血を流す桜花。
「遠慮なく洗ってもらうのじゃ」
 ちょこんとイスに座った小萩を、背後から桜花が!
「ひゃあっ……くすぐったいような、心地いいような……」
 ぴくんと反応する小萩。
 洗い終えたら、攻守交代。
「次は妾の番じゃ。背中も胸もおなかも、すみずみまで洗ってあげるのじゃ♪」
「あはああああ……」
「どうじゃ。気持ち良いであろう? 同居人にいつもしておるからのう。こうすると褒めてくれるのじゃ♪」
 と言いながら、桜花の耳たぶをハムハムする小萩。
 ちなみにこのとき、他の撃退士たちはまだ宿帳を記入してるところだった。
 桜花と小萩の二人だけ、時間の流れかたが違う!
 強大な変態力は、時空をもゆがめるのか!?



 さて、ここは客室。真剣な顔で布団を見つめるのはアクアだ。
 彼女にとって何より優先されるのは、天魔の研究。温泉など後回しだ。
「どこから見てもお布団ですねぇ……。では水をかけてみましょう」
 阻霊符を使い、ヤカンの水をぶっかけるアクア。
 だが、反応はない。
「つぎは、お布団っぽく干してみましょう」
 言いながら、アクアはベランダに布団を干した。
 さらに布団叩きでパンパンしてみるが、やはり反応なし。
「完全にお布団ですね……。これが天魔だとは……。ちょっと武器でツンツンしてみましょう」
 炎熱の鉄槌で軽くブン殴るアクア。
 ぼふっと綿毛が飛び散る。
「本当に生きてるのでしょうか、これ……」
 首をひねりながら、あれこれと実験をつづけるアクアであった。



 カメラを温泉に戻そう。
「小萩ぃぃ……」とか「桜花殿ぉぉ……」などと絡みあってる二人は完全に蔵倫違反なので、置いといて。
「うぅ……なんとなく、また育っているような気がしますよぉ……」
 桜色のビキニを身につけた恋音は、Wカップの胸を両手で隠していた。日本代表もこれぐらいBIGになればいいのに。
「恋音は本当に綺麗ですよねー。まあ私は恋音の外見の美しさよりも、内面の優しさと強さに惚れたんですけどね〜」
 と言いながら、雅人は恋音のおっぱいを鷲づかみにした。
 発言と行動が一致してないが、いつものことだ。
「うぅ……恥ずかしいのですよぉ……」
「恥ずかしがる必要などありません! さぁ座ってください。背中やおっぱいやおっぱいを洗ってあげます!」
「自分で洗いますぅぅ……」
「遠慮せず! すべて私に任せてください!」
「ひあぁぁぁ……!」
 というわけで、この二人も蔵倫違反に。


「騒がしいわね……。温泉は、もっと静かに味わうものよ」
 アリスは白のワンピース水着で、ゆっくりと湯に浸かっていた。
 なんだか最近こればかり着ている気がするが、淑女の正装なので仕方ない。
「そのとおりよね。じっくりとお湯に浸からなければ、美容効果も台無しよ」
 星露も十分に温泉を堪能していた。
 が、いちばん堪能してるのはアクアだ。
 なんと彼女は日本酒を持ちこんで、一杯やりながら湯に浸かっているのだ。
「はふー。極楽ですー。今日は口うるさい弟もいませんし、思いっきり羽を伸ばすのですー」
 かなりの伸ばしっぷりである。
「はぁ……この貧弱な体が若干情けないです……」
 そんな女性陣から少し離れたところで、久遠は恥ずかしそうに入浴していた。
 病人みたいに青白い体は、たしかに貧相だ。
 しかし、この温泉の効能で一夜のうちに色黒マッチョに!……なったらイヤだな。



 さて。ひと風呂あびたところで、待望の夕食だ。
 刺身、天ぷら、鮎の塩焼き、茶碗蒸し、筑前煮……etc
 良くも悪くも、いかにも旅館の食事といった品が並ぶ。
「恋音、ここのお料理はどうですか? 私たちが料理をする際の参考にできるよう、しっかりと味を確認させてもらいましょうね」
 と言いながら、イカ天(イカの天ぷら)をかじる雅人。
「どれも、なかなかのお味ですよぉ……」
 料理自慢の恋音も、太鼓判を押した。
「これがただで食べられるとは……つくづく、この悪魔さんは何がしたいのか……」
 久遠は首をひねるばかりだ。
「まぁ、深く考えずに楽しみましょう」
 星露は、無駄にエロい動作で茶碗蒸しを口に運んだ。
「そうですよー。おいしい料理に、快適な温泉。そして無抵抗のディアボロ。最高のバカンスですー」
 笑顔で日本酒を飲みまくるアクアは、本当に嬉しそうだ。
 一応、天魔退治の依頼なんだけどね、これ。
「はい、小萩。あーんして。あーん」
 桜花は何も考えずに小萩と戯れていた。
 言われたとおり刺身をあーんした小萩が、涙目になる。
「ふぐ……っ! わ、わさびがツーンときたのじゃ……!」
「だ、大丈夫!? ……はっ、わさびで鼻がツーンとしてるってことは……人工呼吸が必要だね!」
 なにかと理由をつけて人工呼吸したがる桜花さん。
 まぁ相手は小萩なので問題ない。



 夕食後、久遠はゲームコーナーに足を運んでみた。
 古めかしいレトロゲームの筐体が10台ほどあり、古い円盤キャッチャーも置いてある。
 そこに、50cmぐらいありそうなぬいぐるみが入っていた。
「これは熊、ですかね……? なんだか間の抜けた顔ですが、かわいいです。救出してあげましょう」
 百円玉を入れてアームを操作すると、うまい具合に熊を引きずって2ついっぺんに獲れてしまった。
 うれしいはずなのだが、いまひとつ久遠の心は躍らない。
「きっと、義兄さんが一緒だったら……もっと楽しいんでしょうね……」
 さびしげに呟くと、久遠は熊らしきものを両脇にかかえて部屋へ戻った。
 寝るには早い時刻だが、布団型ディアボロ──通称ボロ布団を見ていると、つい心惹かれてしまう。さわるとふかふかだし、お日様の匂いまでするのだ。
 気がつけば、久遠はいつのまにか布団の中に入っていた。
 熊と一緒に布団に入ると、想像以上に暖かく……
「義兄さんに、ぎゅってされてるみたいです……」
 そう呟きながら、久遠は眠りに落ちた。


「それじゃあ私たちは一緒の布団で寝ましょうか。布団は寝るためだけのモノじゃありません! 寝る前にたっぷりとHなことをしまくりますよー!」
 堂々と宣言して布団に入る雅人がいた。
「うぅ……天魔なのですよねぇ、これ……」
 どう見ても布団とはいえ、恋音には抵抗感があるようだった。
「大丈夫! 安心してください! 恋音の貞操は私が守ります!」
 力強く断言して、恋音を押し倒す雅人。
 どう見ても、『守る』側ではなく『奪う』側である。
 まぁ、あとは自由にイチャついてくれ。早く爆発しないかな。


「さぁ寝ようか、小萩。おいで。暖かくてふかふかだよ?」
 布団の中から手招きする桜花は、当然のように鼻血を流していた。
 ふつうの人なら逃げるところだが、小萩は平気で添い寝する。
「ん……桜花殿は良い匂いがするのぅ……。それに、柔らかくて暖かいのじゃ……まるで母上のようじゃ……」
 すやすやと寝息をたてながら、桜花の胸に顔をうずめる小萩。
 布団とおっぱいの心地よさに、小萩はすぐ寝てしまう。
「うふふ……小学一年生の幼女が、私の手の中に……うふえへひひ……」
 小萩の頭や尻を撫でまわす桜花。
 最初から最後まで、この調子か。


「じゃあ……満を持して天魔に挑むわよ」
 キリッと敵を睨みつける星露。
 そして、いそいそと布団にくるまる。
(それにしても……これを作った悪魔、次は胸を揉みまくるディアボロを作るかと思ったけど……予想が外れたわね。……はっ! もしかして、ただの布団と見せかけて、実はこれが……!? で、でも、この心地よさには……抗えない……zzz……)
 ちなみに、この間30秒。
 ボロ布団の催眠効果は抜群だ。
 ──が、やがて星露はピクンピクンしはじめる。
「……あっ……!? だ、だめ、そんな強く揉んじゃ……! いや、跡がついちゃうぅ……。ひんっ! さ、先っぽは弱いから……あんっ! つねっちゃ……吸っちゃ……やぁぁ……!」
 布団の中でもぞもぞしながら妖しげなことを口走る星露。
「……ああっ!? うそ……そんなところまで……!? ああ、許して、そこは……ああああああっ……!?」
 いやいや、こっちこそ許してください! 蔵倫! 蔵・倫!
 ていうか、ボロ布団は1ミリも動けないからね!? ぜんぶ星露のソロプレイだよ!?




 そんなこんなで、皆が寝静まったころ。
 アリスは寝床を抜け出して、温泉へと向かった。
「こんな時間に入ってる人なんていないだろうし……のびのび満喫させてもらうわ」
 予想どおり、露天風呂に人の姿はなかった。
 一応水着を着て、湯に入るアリス。
「そういえば、この温泉の効能って美容だけなのかしら……。背とか胸とかが大きくなったり……ないとは言えないわよね?」
 だれもいないことを再確認すると、アリスはセルフマッサージをはじめた。
 貧しい胸をどうにか揉んでみたりと、無駄な……もとい涙ぐましい努力をするアリス。
 揉めるほどないだろと地の文でツッコミたいところだが、どうやらこう見えても揉めるだけの大きさはあるらしい。まぁ主張するのは自由だ。
 ほかの人が来ないので、行けるところまで行ってしまうアリス。
 おかげですっかり体力を使い果たした彼女は、部屋に戻ると一瞬で睡魔の手に落ちた。






 ──翌朝。
「やらかしたのじゃ……」
 盛大におねしょした小萩は、布団を見つめて赤面していた。
「大丈夫だよ。これ布団じゃないから。天魔だから」
 フォローになってるのかわからないことを言って慰める桜花。
「うう……っ、証拠隠滅! 天魔滅すべしじゃ!」
 小萩は刀を抜くと、ボロ布団を真っ二つにした。

「んん……朝から騒がしいわね……」
 星露が目をさますと、浴衣は乱れまくって半裸状態だった。
(あ、あれは夢……? そ、そうよねっ。あんなの現実で起こり得るわけが……! そ、それにしても……凄かったわ……」
 頬を赤らめて目を潤ませる星露。
 どんな夢を見たかは、とても言えない。

 その横では、アリスが愕然とした表情を浮かべていた。
「あ……ありのまま、いま起こったことを話すわ。『私はお布団に潜り込んでいたと思ったら、いつのまにか眠っていた』 な……何を言っているのかわからないと思うけど、私も何をされたのかわからなかった……」

 それを聞いた久遠が、こくりとうなずく。
「俺も同じです……気がつくと朝でした。なんでしょう、このボロ布団。魅惑の能力でもあるんでしょうか? 寝るつもりはなかったんですが……なんだか倒してしまうのがもったいない気も……いえ、倒さなければ材料にされた方も浮かばれませんね。幸せな眠りをありがとうございました。あなたの眠りが安らかでありますように……」
 そこまで言うと、久遠は銀数珠を手に取った。

「あのぉ……まってください……。じつは生け捕りにして研究機関へ送ろうと、これを用意してきましたぁ……」
 恋音が取り出したのは、阻霊符付きの布団圧縮袋だった。
「でも、天魔のお持ち帰りは禁止されてるのですー」
 と、アクア。
「いえ……完全に無害な天魔を、すぐ研究施設へ運ぶのであれば……」
 などと言ってる間に、ボロ布団は跡形もなく消えていた。
 そう、彼らの命は一夜限り。朝と同時に消滅してしまうのだ。
「お、おぉ……これは計算外でしたぁ……。しかしこうなると本当に、なんのために作られたのでしょうねぇ……」
 いまさらながらに問いかける恋音だが、答えられる者はいなかった。
 たぶん、MSにも答えられない。

 ともあれ。心行くまで温泉旅館を堪能した撃退士たちは、晴れ晴れとした顔で家路につくのだった。




依頼結果

依頼成功度:成功
MVP: ●●大好き・八塚 小萩(ja0676)
 あたしのカラダで悦んでえ・藍 星露(ja5127)
 能力者・アクア・J・アルビス(jb1455)
重体: −
面白かった!:5人

●●大好き・
八塚 小萩(ja0676)

小等部2年2組 女 鬼道忍軍
あたしのカラダで悦んでえ・
藍 星露(ja5127)

大学部2年254組 女 阿修羅
肉欲の虜・
桜花(jb0392)

大学部2年129組 女 インフィルトレイター
大祭神乳神様・
月乃宮 恋音(jb1221)

大学部2年2組 女 ダアト
能力者・
アクア・J・アルビス(jb1455)

大学部8年305組 女 アストラルヴァンガード
ラブコメ仮面・
袋井 雅人(jb1469)

大学部4年2組 男 ナイトウォーカー
能力者・
空木 アリス(jb1540)

卒業 女 バハムートテイマー
撃退士・
島原 久遠(jb5906)

大学部1年171組 男 陰陽師