.


マスター:ArK
シナリオ形態:イベント
難易度:易しい
参加人数:25人
サポート:3人
リプレイ完成日時:2012/08/17


みんなの思い出



オープニング

 ねえ、毎年思うけど、夏休みの宿題どうしてる?
 学生やってる以上避けては通れない道とはいえ、本当げんなり。
 みんなもそうでしょ?
 特に自由研究とか、せめてテーマくれないと難しいったらありゃしない!
 でも、まあ、自分が楽しく遊びながら出来るのはないか、って秘蔵資料を漁ってみたのよ。
 そしたら――見つけたの。まだ実験していない、秘薬のレシピを!
 これ、作ってみようと思うのだけどどうかしら? 面白そうな薬よ?
 夏休みの自由研究にしつつ、うまくすれば別のことにも使えるかもしれない一品ね。
 でもそのためには――


●研究室は大忙し
 ここは久遠ヶ原学園研究棟の一室。生徒が夏休みに入ったからとはいえ、職員もそうとはいかない。特にここ、研究棟の職員らは今日も研究に勤しんでいた。
 そんな空気も読まず、いつもの調子で大貫薫(jz0018)入場。
「先生様先生様♪ 私のお願い、聞いてくださいな♪」
「ダメです」
 甘えるような声で下手に出るも、問答無用で一蹴。
 そんな先生とはライゼ(jz0103)。薫には目もくれず作業を続けている。
「せめて即答せずに聞いて下さいませ! 頼れるのが先生様くらいなんですよー!!」
 一度で引き下がるほど素直でない薫は、尚も食い下がる。
「‥‥聞くだけでしてよ?」
 冷静に考えれば今ここでねられる方が困る――ライゼは作業を続けながらも、話は聞くことにした。
 それによると、夏休みの自由研究として『とある薬』を調合したい。ただ、その材料はどうにも特殊で、学園外、下手したら海外に行かなくては採取出来ないモノもありそう。
 そんな時、ある情報筋からライゼ先生の温室――
「ダメです」
「はやっ! まだ肝心な部分を伝えてませんよ!?」
「なんとなく解るので、ダメです」
 回避を試みたものの、なんだかんだで互いに冷静さを欠き、始まってしまった押し問答。 だがここは厳かな研究室。研究中の職員も多く居るわけで、
「「「話が長くなるようでしたら外でお願いします」」」
 と、薫共々追い出されてしまうのであった。


●休憩所は諦め気味
「‥‥諦めてお聞きしましょうか」
「先生様、そこは『改めて』だと思いますのですが‥‥」
 同じ棟内にある休憩室で、丸机を挟み、向かい合うライゼと薫。
「夏休みに自由研究として変わったクスリを調合しようと考えていまして。材料とかはこの紙に」
「――拝見させて頂きましょう」
 ライゼは紙切れを受け取ると、目を走らせた。所々擦れながらも辛うじて読み取れる程度に、料理のレシピに似た、材料や作り方、注意事項が書かれている。
(『あたまのよくなる薬』、ですか。基礎となる材料は特に貴重なものではないですし、問題ないでしょう。ですが、この効能――)
 薫の目からライゼが何かを悩んでいることは見てとれた。だが何も言わず、背筋を正して返答を待つ。
 ダメだったら噛み付こう――程度の事は勿論考えている。
 ややあって、
「まあ、よいでしょう。わたくしの温室を開放致します。製薬については理科実験室をお使いなさい」
 返答は是。
「ぃやった!」
 思わず立ち上がり、歓喜する薫。慌てて座りなおす。
「そこまで喜んで頂けるならこの決断も幸い。ただ、いくつか注意事項がありますわ、それが守れるならのお話です」
 ――経過の一部始終をまとめ、わたくしにも提出すること。
 過去にも似たようなことがあった気がしなくもない。


●求めるは悩める勇者!
 夏休みの自由研究でお困りの方!
 とある薬の調合を、共同課題にしませんか?
 内容は材料採取から服薬感想レポートまで一通り。
 なんと出不精の貴方も安心! 全て学園内で行なえます。
 未来の新薬が貴方の手でできちゃうかも!?
 興味のある方は、中等部1年大貫薫まで☆


リプレイ本文

 こんなはずではなかったのに――‥‥誰かがそっと、呟いた。


●自由研究の思い出
 歳相応の学生達が自由研究に挑む中、飛びぬけて貫禄を漂わせる男がひとり。
(俺もガキの頃は悩んだもんだなぁ‥‥ドリルとか書き取りとかはパパッっと終るんだが、やっぱ最後まで唸るのが感想文とか、こういう)
 綿貫 由太郎(ja3564)は素材を煮ながら昔を振り返っていると、突如鍋が泡立った。
「っと、あぶねぇ」
 慌てて火を弱めると、寸で吹きこぼれを免れる。鍋の中身を覗けば赤と緑の斑模様。
「‥‥なんか飲んだら逝けそうな色してんなぁ。ま、俺が飲む訳でもなし」
 若返りの薬でも出来たなら、いい儲けになるんだろうが。そんな考えが浮かぶも、成果を手元に残せないのではしようもない。
 ――適当に提出して帰ろう。由太郎は薬を早々提出し、理科室実験室を後にする。次はどこへ往こう?

 のちにこの薬を確認した者は言う。
 まるで若返ったかのように飛んだり跳ねたり大はしゃぎ――せずには居られない辛さであった、と。


●みんな知ってる?
「どうせならおいしい薬がいいよね、秋桜さん!」
 六道 鈴音(ja4192) は、隣で素材の下拵えをしている水城 秋桜(ja7979)に同意を求める。卓の上には色とりどりの素材。
「そうじゃね! おいしい方がええねっ! ‥‥っ! て、指切れたぁ! うち皮むき苦手じゃけ‥‥」
 話に気を取られたのか、うっかり手を滑らせる秋桜。指先にぷくっと血が滲む。
「あ、大丈夫!? 確かこの辺に皮むき機が――あった!」
 いくつか引き出しを開けてみると、目的の物はすぐに見つかる。
「その指じゃ水は沁みるよね、とぐのは私がした方がいいかな。いためるのお願い!」
「うう、お願いじゃけぇ。」
 雑菌が入ったら大変、と鈴音は救急箱を使い、秋桜に応急手当を施した。

 ひとくちサイズに切った素材を茹で、あるいは炒め。味の調整にいくつかのスパイスを加えて煮込むこと半刻。
「そろそろいいはずじゃけぇ」
 秋桜が熱に気をつけ、そっと鍋の蓋を持ち上げると、隙間から親しみのある臭いと湯気が沸き立った。覗き込めば、茶黄色のどろりとした液体がボコボコと緩やかに沸騰している。
「こっちも大丈夫。少し芯が残るくらいでいいよね」
 一方、鈴音が確認した鍋の中身は白一色。双方を容器に盛り付ければ完成!
「えへへ、これでもっと頭脳明晰になっちゃったらどうしよう〜!」
 効果が現れた時のことを考え、頬を緩ませる鈴音に、
「きっとモテモテじゃね! せーので、いただきますじゃけ」
 自信たっぷりの推測で応じる秋桜。
 ふたりは二色を合わせてスプーンで掬い取り、食し――笑顔を浮かべる。
「うん! おいしいカレーだね!」
「これで暑さも乗り越えられるじゃけ!」
 ふたりが作り上げたのはどこからどうみても、味も含め、紛う事なきカレーであった。
 頭がよくなる――かは不明だが、夏バテ対策としての効果はあることだろう。


●密着調合24時
 厳選した七色の素材に七つの鍋。
「正確な効果を計るにも、なるべく不純物は取り除かなくては‥‥」
 ひとつひとつ丁寧に状態を確認していくのは、極めて真面目な印象を受ける新田原 護(ja0410)。
「さーて、どうなることやら」
 平山 尚幸(ja8488) が持ってきたのは茄子に石榴、紫陽花。とりあえずそのまま鍋に突っ込み、火にかける。あとは丸一日煮込むだけの簡単な作業、と思った途端アクビがでた。
「ふぁ〜‥‥あとは寝てればいいかな? あ、でも空焚きにならないようには注意しないとダメか」
 流石に席を外すのは宜しくないだろう。尚幸は鍋の前に椅子を置き、浅い眠りを挿みながら経過を見守ることにする。
「‥‥こちらは持久戦といこうか」
 対する護は手間を掛ける。沈殿物は都度取り除き、火加減を調整しながら水量を管理。長い戦いの始まりだ――。


●現実は、七つの効果の果てにある?
「この素材、いったいどうなってる、なの‥‥」
 橋場 アトリアーナ(ja1403)は素材の吟味をしているのだが――手に取ってみた素材は、引けども引けども終わりが見えない。
「あははっ、でもこー、ほんまもんの魔法使い気分になってきへん?」
 赤白、黄、と不思議な形状の素材を手に、亀山 淳紅(ja2261)はにこにこと笑う。
(もし、魔法使いがいたら、童話のようにどんな願いでも叶えてくれるのでしょうか‥‥? もしそうなら、私はもう誰も、大切な人が傷つかない世界を――)
 メイド服に身を包む氷雨 静(ja4221)は、真摯な願いを込め丁寧に薬を煉る。
「にしても、何が出来るか楽しみだな〜。レシピも曖昧だし――よし。これとこれ、それからこれも入れてみようかな」
 滅炎 雷(ja4615) は直感第一。ノリと勢いで選び抜いた三色の素材を鍋に投げ入れた。直後水が真っ黒に染まるも、特に驚かず、興味深そうにただ見つめる。
「何か面白いことが起こったりしないものか」
「ですよねー。せっかくの実験ですし、面白いものを作りたいですねー?」
 日谷 月彦(ja5877) の言葉に、櫟 諏訪(ja1215)は緑の巻き毛を揺らしながらにこりと答えた。
 どちらも提示された色の素材のうち殆どを使って調合。互いにレシピの解釈を話し合いながら楽しげに作業。
 そんな様々な音が賑やかに鳴り響く中、――ぽつり、ぽつりと掠れた声が聞こえる。
「どうせなら、む――なる薬を。――が大きくなる――を‥‥」
 声こそ小さいものの、込める願いは誰より大きく。
 Rehni Nam(ja5283)は青白い光を身に纏い、包丁を一閃。瞬く間にひとくちサイズ、同質量に切断されてゆく緑のピーマン。
「これで、あとは煮込むだけです。きっと灰汁もでるでしょうからちゃんと取らないと」
 正確には料理ではないのだが、Rehniをはじめ、多くの者が料理にも似た手順を取っていたりする。

 僅かに刻は過ぎて。誰もが懸命に、それぞれの想いを込めた薬が仕上がる。
「せっかくなので、みんなでランダムに飲みませんかー?」
 そんな提案をしたのは諏訪。
「異存ありません」
「そやな、それも楽しそうや!」
 静や淳紅も同意し、特に異議を唱えるものもいなかったことで、次は手段が相談される。
 その結果、不正防止として中身が見えないよう細工の施された7つの容器が並び、中には各員が作成した薬を注いでいった。
「記念、といいますか、記録用の撮影準備もばっちり‥‥です」
 服用前、服用後の変化を捉えようと、アトリアーナは自前のデジタルカメラを構える。自身についてはRehniに撮影してもらう。
「好きなのを選ぶといい。フフ‥‥不不不‥‥」
 シャッフル担当・月彦は不吉な笑みを浮かべながら、目にも留まらぬ速さで容器を並び替え、皆に差し出す。
「どれに、しようかな‥‥。よし! これにしよう、どんな薬か楽しみだよ!」
 雷が、最初にひとつを選び抜くと、後は一気に貰い手が決まった。
「では」
「「「かんぱーい!」」」
 一斉に服用。
 最初に訪れた変化は、実験室全てに及んだのではないか、と思えるほど眩い閃光。
 光が弱まり、または目が慣れてきた頃、光の中で起こった変化が露になり、一同刮目する。
 まずは光の発生源。それは諏訪の――渦巻くアホ毛の先端。
「いやはや。眩しいと思いましたらこんなことになってましたとはー」
 例えるならチョウチンアンコウ。アトリアーナにより『艶めく髪』の念が込められたものだとか。
「きた‥‥なの‥‥!」
 夢の成長期再び、そのアトリアーナは歓喜する。足がつった様な、引き伸ばされる様な痛みはあれ、関係ない。『背が伸びた』のだ。程度で表すなら、調合した雷と同じ位。
「これで、あとはもう少し胸が育てば‥‥大人の仲間入り、なの‥‥」
 アトリアーナは視点の高さを満喫しながら、他の様子を観察しに向かう。
「な、なんだろう‥‥む、むねがおもい‥‥」
 対してどうしたものかと、己の身体の変化に困惑するのは雷。衣服の上からでも確認できる胸元のふくらみ。
「あれ? 雷も胸がふえたのです?」
 同じく上半身に変化を表していたRehniが、それまでの大喚起、笑顔から疑問へと表情を変える。
「あ、うん‥‥流石に見る勇気はないんだけど」
「私のでしたらほーきょー剤と念じてつくったものですが‥‥どちらかの薬が嘘をついている!?」
 同じ効果を念じたものが居るなら可能性もあるだろうが――と、ふたりが揃って首を捻った時、変化は起きた。
「レ‥‥レフニー‥‥その身体‥‥!」
 慄く雷。それ以上口にするのはとても憚られる、といった表情で、開いた口がふさがらない。
「どうしたです? ‥‥って、ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!」
 視線を落としたRehniの戦慄。敵に襲われてもこのような悲鳴は出ないだろう、誰も聞いたことがない悲鳴であったという。
 一部始終を目撃していた雷の視点によると――胸は徐々に成長をみせていた、まるで全身から脂肪が寄り集まっていくかのように。そして、ぼすっと平らに――胸が消えた。後に残ったのは余分な脂肪が存在しない、見事な筋肉質の身体。
「胸が減ったぁぁぁぁ!!!」
 ――だがRehniは筋肉が問題なのではない。誰の薬だ、と泣きながら犯人探しに乗り出す。
 雷の飲んだものが『胸の大きくなる薬』であり、Rehniのものは『マッスルになる』――というもの。当事者はこのRehniの前に名乗りでることが出来るのであろうか――? いや、出てきてしまった。
「おや、レフニー! その身体は!?」
 月彦は聞いた者全てが、思わず『聞き惚れてしまいそうな声』を伴って現れた。音楽好きの月彦にとっては願ってない効果だろう。
「どうやら僕が作ったのを引き当――ゴフッ」
 だがこの発言は悪かった。感動を共感できぬまま月彦轟沈。
「レ、レフニー様、どうか気をお静めになって下さい‥‥!」
 ただならぬ様子に、これといって変化の見えない静が割って入る。
「ヒ、ヒサメ‥‥さん‥‥うぅ‥‥」
 静は泣き出すRehniを優しく抱きしめて頭を撫でた。
(おそらく、私は自分の薬だったのでしょう。残っていたらレフニー様に差し上げられたのに‥‥)
 効果がどう出るかはともかく、このような事態にはならなかったはずだ。静は『傷薬』を願ったのだから。実感が無いのはそのためだろう。
「なぁ、これホント、薬はいってるん? 出てこないんやけど‥‥」
 逆さにしても薬が出てくる気配が無い、と淳紅が阿鼻叫喚を繰り広げる仲間に尋ねる。
「あー、それは自分のですねー。中で固まっちゃったんでしょうかー? 入れ物の相性悪かったですねー」
 質問に応じたのは諏訪。そして鍋に残った薬を差し出す。
「ん、ジャムなん?」
「はい、パンもありますよー」
 七色に輝くジャムを一切れのパンに塗り、淳紅は食した。
「うん、普通においし――!?」
 発した声は美しく。思わず歓喜しかけ、輝きだす髪。続いて全身が引き締まったり伸びたり膨らんだり、全身を襲う不思議な感覚。
「な、何が起きたん!?」
「えーっと、みなさんの素材ちょっとずつ頂いたのでー‥‥もしかしたら全部混ざってでたのでしょうかー‥‥?」
 そういえば、と思い出す諏訪。他の仲間の様子をみるに、確認されている全ての効果が現れているのは確実だろう。
「こ、これ喜んでいいん!? 悲しんでいいん!?」
 反応に困るとはまさにこのこと。淳紅は誰よりも複雑な表情で効果への対応を悩むのだった。

 こうして調合からそれぞれの死因――失礼。試飲まで確かに記録されました。
 尚、いづれの効果もおよそ1時間でなにもなかったかのよう、元通りになったそうです。


●沈み溶ける心
(いつもお世話になっている先輩のためにも、きちんとしたお薬を‥‥あ、でも、‥‥はぁ――)
 牧野 穂鳥(ja2029)はレシピこそ暗記したものの、いざ作業となるとどこか上の空。時折力なくため息を漏らしている。
「お前の作るものなら安心して飲めるな!」
 ふと顔を上げた瞬間に目があって、応援してくれる黒葛 琉(ja3453)にも、
「‥‥あ、はい。風呂敷でしたよね」
 穂鳥の反応は的を射ない。
「今仕上げてしてしまいますので、もう少し、お待ち下さい」
 極めて毒々しい色の素材が鍋に投げ入れられると、じゅっ、と音がし、もくもくと白い煙が上がった。
(大丈夫、だよな‥‥?)
 穂鳥を心配するのと同じくらい、自分への気付けも込め、琉は祈る。
 その十数分後。
「どのような効果になっているかはわかりませんが、どうぞ」
 澱んだ紫の液体を丁寧に差し出す穂鳥。表面は波もなく穏やか。鍋から上がった煙はなんだったのだろう、と思えるほどに。
「こういうのって、魔術とかそういうのに関わるのか‥‥?」
「いいえ、手ぬぐいです」
 琉の質問に、ただ薬を見つめながら応じる穂鳥。だが相変わらず会話は成立していない。
「ん、じゃ‥‥いただ、く――? ‥‥!?」
 口を近づけた途端、眩暈に襲われる琉。これ以上近接させてはいけない、と自分の中で警鐘が鳴り響いている。しかし見つめる瞳があることは忘れない。
「な、なかなか美味そうだな‥‥!」
 と、どこか引きつった笑顔を浮かべてから覚悟を決め、一気に呷って――盛大に咽る。
「せ、先輩!」
 その様子に、流石の穂鳥も己が意識を覚醒させ、慌て駆け寄る。
「だ、ダイジョウ‥‥ブ、一気に飲んだから、咽、た――ダケダヨ?」
 笑顔は崩さないものの、琉の額には薄ら脂汗が浮かんでいた。これは一大事。
「ご、ごめんなさい。口直し作り直してきます‥‥!」
「あ、チョット、待っ‥‥」
 普通の水で十分だから。そんな琉の嘆願は穂鳥に届かない。再び鍋付近であがる煙。今度は、黒い。
(――もう少し頑張ろう、彼女の為にも――)
 その想いだけが琉の意識を現世に留めさせていた。

 挫ける心薬。込められた穂鳥の心がそうであったのか、薬は人の心をどん底まで沈ませるものであったという。


●忍ばない危機
「自由研究終わってなかったから来てみたはいいんだけど――」
 時間経過と共に、実験室のあちこちで発生し始める阿鼻叫喚時々歓声に、嫌な予感がしてならない唐沢 完子(ja8347)はぽつり呟くが――そんな完子の鍋もド緑に沸騰していたりで、他とたいしてかわりなかったりする。
「ん〜‥‥これでいいのかなぁ‥‥」
 三神 美佳(ja1395)は適当な植物を選んでは煮込み、
「黒と白はこのくらい煮ればいいかな、っと。次は、んー‥‥上澄みを捨てて」
 澄んだ部分を破棄、新たな植物を加え、さらに煮詰める。完成までもう一息。
「アハハハハァ♪ これを機会に薬剤師でも目指しましょうかしらァ〜」
 乱痴気騒ぎも大好物、と黒百合(ja0422)は雰囲気にのって楽しそうに哂う。
 つくるは、自身を表す色の様。深い闇のように黒く濁る鍋と、鮮血を彷彿させる紅色の鍋のふたつ。
「この、沸騰具合なんて、まるで血の池の再現‥‥♪ 見てるのもなかなかに楽しいわァァ♪」
 人次第ではエグいと感じることもあろうが、悪戯好きも相成って、黒百合には愉しめる余地があった。
 そんな同じ卓の仲間たちを、完子は分厚い植物辞典を盾に、横目で覗き見。
(大丈夫‥‥よね、他のよりは。それにしても誰に飲んでもらったものか――ん?)
 服薬までが依頼とはいえ、自分で飲む気は起きない。どうしたものかと辺りを見渡すと――飲ませられそうな相手を、見つけた。

「大貫殿丁度いいところに」
 レポートの為、卓を渡り歩く大貫薫(jz0018)を神凪 宗(ja0435)が呼び止める。
「色々と違った方向に進んでいる、という顔をしているな」
「ええ、まあ‥‥面白い効果が出てるのは確かですけど」
 『あたまのよくなる薬』は出来ていない。歯切れの悪さと浮かない表情を見ればなんとなく解る。
「ではコレを飲んでみるといい」
 宗は自信を感じさせる声で、薄ら黄金色の液体を差し出した。
「わ、もしかして神凪先輩が一番乗り!? 確認済んでるんですね?」
「ああ、勿論」――しているわけが無い、等とは口にしない。
「先輩ならやってくれると信じてた!」
 にこやかに感謝を述べながら、試験管の中身を一気に呷る薫。コレが罠だった。
 飲み終えたところで、宗がまったく関係のない話題を振る。毎年6月くらいに起こるイベントのひとつ。
「ところで先日のドレス試着時の感想等聞いて見たいところだが」
「え、あ? こちらこそ御誘い頂――けてとっても嬉しかったとか、言えるわけないじゃない!?」
 薫の頭に疑問符が浮かぶ。適当な社交辞令を返すつもりだったが、口から出たのはこの通り。
「なるほど、念じたものの通りか微妙なところだが‥‥薬の効果の実感はあるか?」
「どんな薬を飲ま――されても怒ったりしないからどんどん持ってきてくれていいんだからね!」
 宗が続けていくつか尋ねるものの、薫は否定の言葉が紡げないようで。――宗曰く、ツンデレ薬? 反応は微妙にムラがある。

「ねえ、ちょっと――」
 渡りに船! 質問攻めから解放されるものかと思った薫であったが、
「聞こえたんだけど、薫試飲してくれるのよね? ちょっと見た目、青菜汁っぽいけど、身体にはいいはずよ」
 違った。声を聞きつけた完子が、是非試してと緑の薬を差し出したのだ。強烈な青臭さが周囲に広がる。
「飲みた――くて飲むわけじゃないけど飲んであげるのよ!」
 多分飲みたくない、と言いたかったのだろうが身体も言葉も否定してくれず、いっきに飲み干す薫。
「いい飲みっぷりじゃない! おかわりも作ってあるの、持ってきてあげる!」
 と卓に戻る完子。止める声は、ない。
「みゅ! これも飲んでみてくださいぃ♪」
 様子を見ていた美佳も上目遣いで嘆願。まだ青菜汁より飲めそうな色をしているが。
「だから飲み――たいと思ってたのよ! ありがとう!」
「ちゃんと味見してみたけど飲めないものじゃなかったわぁ、ウフフ、これもどぉぅぞ♪ ちょっと赤い塊が浮いてるけど気にしないでェ〜♪」
 さらにもうひとり。黒百合が空気にさらされた血液のように、赤黒く変色した薬をもってくるものだから、4種類の薬を体験することになる薫。最初が強烈な青菜汁だったおかげか、後半の味はわからず、正直救われたとのこと。
 効能としては――
「上書きや混合発生は無いのか? それとも念が足りず効果がなかったのか――ああ、代わりに記録しておいたので安心するといい」
 勧められるままに飲み続ける薫に代わり、宗が経過の記録をとっていたのだが、読み返してみるとまるで罰ゲームが有様だった――。


●ふたつの呪い
 同じ素材を使う者として場を共用するふたり。
「うふ、これでもし、あたまがよくなっちゃったら♪ うふふ、ふふっ」
 一方は先に控える進級試験を妄想しつつ、怪しい笑みを浮かべるエルレーン・バルハザード(ja0889)。
「‥‥これ(呪い)を気にしてるヤツいないんだな‥‥」
 もう一方はレシピの一文字を指でなぞり、唸りを上げる麻生 遊夜(ja1838)。目の前のエルレーン同様、どこを見ても気にする素振りを見せる者はいないことが怪訝でならない。自身は既存のレシピを当てにせず、危険性の少なそうな植物を選出したつもりだが――
「これ(呪い)のことだよね‥‥? 大丈夫だよ。こういうのは信じる心が大切だし。すてーきな、おくすりに、なぁ〜れっ♪ それっ!」
 エルレーンは必死に祈る。むしろ効果があってくれなくては困るのだ。
「‥‥信じるってこの、ノロいを、か?」
「‥‥え? マジナい、じゃないの?」
 声に出して確認し合うと――読みが違った。
「っ、もしかして、心情読み取りどころか漢字の読みもあぶない!?」
「い、いや。そうか、そういう読みもあったな‥‥」
 直面した事実に慌てるエルレーンと、自分が違うのかもと悩みだす遊夜。互いに考えれど答えは出ないまま。

「まじ無いのよ‥‥」
 ぐったりと疲れた様子で唐突に卓の下、エルレーンの足元から這い出すように現れる薫。
「あ、丁度よかった。薫と一緒に飲もうと思って。頭がよくなるようにたくさん祈っておいたよ、ふふっ♪」
「げ」
 鼻先に笑顔で突きつけられるエルレーンの薬。逃げてきたはずの薫は――まだ断れず、泣く泣く飲む。
 すごく、すーすーして、あちこちの粘膜、目が、鼻が、喉が痛い。
 同じく口にしたエルレーンも、目じりに涙を滲ませ悶えた。頭すっきり効果以前、刺激に問題あり。
「依頼主にバルハザードさんも‥‥大分苦しそうだが大丈夫、か‥‥?」
 そこへ香り付け用の果実を手にした遊夜が戻ってくる。
「大丈夫じゃないから飲んで、みて‥‥」
(‥‥それは人に勧める言葉としてどうだ)
 使った割合は違えど、素材は同じはず。飲んでもさほど変わるまい、と遊夜。せっかくなので果汁を絞り、新鮮な香りを堪能してからひとくち――口にするなり、咽る事すら無くばったり倒れた。
「え、ええ、っと、涙は出るけど昏倒するほどの刺激はなかった、よね?」
 おどおどと心配気に覗き込むエルレーン。大丈夫、脈はある。
「‥‥個人差もあるかもしれないし、そればかりは――」
「‥‥もったいないからコレも飲んでおいてもらおう、か」
 さりげなく、残っていた薬の全てを遊夜の喉に流し込んだふたり。これ以上悪くなることはないだろう、多分。


●嘗てを識る者
「以前似たようなことがあった気がしなくもないですが‥‥」
 どうでもいいや、と溜息混じりに呟く清清 清(ja3434)。片手鍋が満杯になるほど素材を詰込み、長いこと火にかけ続けている。
「残しても面倒くさい‥‥これもいれてしまいましょう」
 と、更に茶色い根野菜投入しようとして――気付いた。
「‥‥これは、人面でしょうか? 色といい形といい、マンドレイク‥‥?」
 根の表面に醜く歪む顔のような凹凸があることに。
「鳴かせたらやっぱり死ぬんでしょうか? ‥‥ま、無用な心配です。潰してしまえばいいだけですし」
 引抜く時に上げる奇声の逸話、それは呪いの定番。だが清は一片の迷いなく指に力を込め――
「ひゃわん!」
 くしゃっ、と根が潰される音と共に、かわいらしい悲鳴が聞こえた。だが植物が鳴く訳もなく、
(ああ、隣の‥‥。ま、ボクには関係ないですね。この薬もどこの誰が飲むか知ったことではありません)
 清は声の方向に目を向けることもなく、根を鍋に投げ入れるのであった。

 こうして仕上げられた薬は、とても気力を削がれる、けれどもまだマシ系。と評される。


●言霊に込める想い
 と、いうことで発声元のお隣さん。
「かえで姉、かえで姉、かえで、ねぇ〜♪」
 忍者少女レナ(ja5022)は、甘える猫の仕草ですりすりと、
「はわ、ひゃう‥‥、ちょ、ちょっとレナちゃぁん‥‥!」
 黒髪の眼鏡少女、山岸 楓(ja4520)に抱きついて頬をすり寄せていた。
「そ、そんなにされると、こ、こぼしちゃうからぁ〜」
 くすぐったいのを我慢するような声で抵抗する楓。
 対するレナは聞こえているのか聞こえていないのか、お構いなしに抱きついてくるが、その度に手の中の液体が、たぷんと揺れて、楓の眼鏡を僅かに濡らす。一時は進学も危ぶまれた楓、もし薬の効果が本物なら、と祈り続けた3時間。無駄にすることは出来ない。
「んっ‥‥い、一緒に頑張ろうって約束したでしょっ!」
 一度喉をならしてから、少し力強く言い放つ楓。守り抜きたいモノがここにある。
「ひゃ、か、かえで姉が怒った‥‥!? ご、ごめんなのだっ。大好きなのだ嫌わないでなのだ!」
 大きな音に驚いて跳ね起きた猫のように、身を震わすレナが慌てて謝る。
「あ‥‥怒鳴って、ごめんね? 私のお薬もこれを混ぜれば完成だから、ね。大丈夫。レナちゃんのも、飲ませてくれる、よね?」
 流石に言い過ぎたかも、と楓は手早く最後の仕上げをすませ、薄ら青く、泡弾ける液体をレナに差し出す。
「う、うん! かえで姉をいっぱい想って調合したのだ!」
 レナも楓が怒ってないと分かるや、満面の笑みを浮かべ、小さな小瓶を交換に手渡した。
 それはレナが調合し終えていた薬。素材に宿る言霊は『百合な楓の初恋』――他意はない、らしいが。
「それじゃあ一緒に、いただきます」
「ます、なのだ!」
 ふたりは互いの成果物を同時に飲み干す。
 だが、誰が言うまでもなく、保障のしようがない味に顔をしかめそうになって――相手に見せまいと耐えてから数分。
「なんだろう‥‥身体が、顔が火照ってきたような‥‥」
 レナの薬の効果が楓に現れだしたのか、
「あ、あれれ‥‥かえで姉がすっごくキレイなのだ‥‥」
 楓の薬の効果がレナに現れだしたのか。互いににこにこと笑いあうこと、にこんだ時間。

 のちに他の者が確認したところ、それぞれに血行促進幻覚作用があると判明。
 特に女の子同士以外で飲まないこと、と謎の注意書きが付け加えられるのであった。


●真相への到達者
「あたまがよくなるって、結局はどういう意味でなんだろうな」
 床に胡坐をかいて座り込み、最初に渡されたレシピを凝視して悩むは紺屋 雪花(ja9315) 。
「あたまのよく鳴る‥‥、あたまの欲生る‥‥。あー! わっかんねぇ! とにかく作ってみりゃいいよな」
 良薬口に苦しという言葉を信じ、刺激の強い素材を集め、雪花は作業に取り掛かる。
 その隣で、雪花の言葉も耳に入らないほどの集中力を発揮し、
(これは絶対ぐっすり眠れる薬、ぐっすり眠れる薬‥‥!!)
 いつになく真剣な取り組みを見せる高虎 寧(ja0416)。偏りがないよう、事前に丁寧にすり鉢で全ての素材をすり潰し、よく混ぜる。
(丸ごと投入したって出汁とるようなものだし、成分の全部溶け出すかも怪しいじゃない)
 原型を留めないペースト状の混合物を沸騰する湯の中へ。満遍なく広がる色。
(よっし、あとはどうみても味がおかしそうだから‥‥オレンジジュースでも絞るか)
 まるっと素手絞り。撃退士ならお手の物。
「よっし! できたー!」
 時同じく、雪花が歓声を上げる。そういえば、と様子を窺う寧。
「この上澄みを飲めばいいんだよな! ――って苦ッ!」
 服用しづらいものを選んで煮込んだのだから、当然のこと。雪花は口にした途端咽かえる。が、飲んでしまったものは戻らない。
「あ、頭の中に声が‥‥! 声がきこ――」
 それはどこか彼方、川の向こうから雪花をよぶ声。コッチニオイデヨ、と響いて止まない。
(やっぱり頭の鳴り響‥‥)
 しばらく悶えてから、ぱったりと動かなくなる雪花。気絶したようだ。
「うちが求める眠りとは違うわね。さて、材料が違うから大丈夫だと思うけど」
 極めて冷静に、終始見守っていた寧は自分の薬と向かい合う。こども用の内服薬にだって飲みやすいよう風味がついている。本来の味をごまかし、安全に飲む。更に一般にいわれるグレープフルーツほどではないが、効果を高める可能性もある組み合わせのはず。
「‥‥? 心なしか眠気さっぱり、頭がすっきりしたよーな? まあ、プラシーボ的なのかもしれないけど。さて、読書でもしながら少し待ちましょうか」
 この、寧の想定はほぼ的を射ていた。
 一時的に激しく高められる脳力。それは薬の効果だ。
 では効果が切れたあとはどうなる?
「ん‥‥あー‥‥眠、‥‥くぅ――」
 煮込み時間と同等の時間が経過した頃、手にしていた本が床に落ち、まもなく寧の心地良い寝息が実験室に響きはじめた。
 ――副作用。
 薬の効果で強制的に覚醒されたものの、切れれば一気に負担が表れるのだ。脳の休息、しばらく目覚めることもない深い眠り。
 曰く『一夜漬け用緊急薬』。眠くない時間を使って勉強しろとのことらしい。服用タイミングを誤れば試験中に居眠り、等ということもあるだろう。諸刃の薬だ。
 こんな真相も、作り上げたのが寧であったばかりか、しばらくの間ともに眠りにつく――‥‥。


●密着調合24時(再)
 理科実験室に篭って24時間と少しが過ぎた頃。護は7つの鍋の液体を混ぜ、薬を完成させた。
「混じり気のない純粋な7種の上澄みからなる液体‥‥これでいいはずだ」
「こっちも完成、っと。よく冷え固まってゼリーになっちまったけど」
 勘任せながら、同じく24時間を共に挑んだ尚幸も成果物も冷蔵庫から持ち出した。
「では依頼人、服用するので記録してもらえないか?」
 レポート編集していた薫を呼び出してから、護と尚幸は薬に口をつける。
「これといって味はほとんどない、な」
「こっちはちょっとしょっぱい石榴ゼリーだなぁ」
 ――問題はなさそう、と記録されかけた時、
「む――!?」
 護の耳からぼふっという爆発音と共に、白煙が盛大に噴出。
「はぁ!? お、おい、だ、大丈夫か!?」
 当然驚く尚幸だが、意外にも反応はすぐ返って来た。
「――ああ。なんだ、参加者か? 今日は宜しく頼む」
「‥‥は? 何を言って」
 真顔で、今初めて顔を合わせた相手であるかのように挨拶をしてくる護。何かがおかしい。
「違うのか? ならいい。ああそうだ、作業に24時間ほどとりたいのだが可能か? 材料はあそこから採ればいいのか?」
 確認事項を口にしながら、護は素材が残る卓へと向かう。そんな護の背を見つめ、
「おいおい、まさかとは思うが」
「爆発の衝撃で記憶が‥‥?」
 尚幸と薫はまさか、と顔を見合わせるが、その『まさか』。
 護は24時間前と同じ素材を選出し、7つの鍋を用意しだす。ふたりが「実験は既に終わった」と説得を試みるも「記憶にない」の一点張り。

 こうして、再び24時間をかけた実験が繰り返されたとか、されなかったとか。
 ‥‥――おくすりは、用法用量をご確認のうえ、正しくお使い下さい。


依頼結果

依頼成功度:大成功
MVP: Drill Instructor・新田原 護(ja0410)
 先駆けるモノ・高虎 寧(ja0416)
 夜闇の眷属・麻生 遊夜(ja1838)
 撃退士・黒葛 琉(ja3453)
 二律背反の叫び声・唐沢 完子(ja8347)
 美貌の奇術師・紺屋 雪花(ja9315)
重体: −
面白かった!:19人

Drill Instructor・
新田原 護(ja0410)

大学部4年7組 男 インフィルトレイター
先駆けるモノ・
高虎 寧(ja0416)

大学部4年72組 女 鬼道忍軍
赫華Noir・
黒百合(ja0422)

高等部3年21組 女 鬼道忍軍
凍気を砕きし嚮後の先駆者・
神凪 宗(ja0435)

大学部8年49組 男 鬼道忍軍
┌(┌ ^o^)┐<背徳王・
エルレーン・バルハザード(ja0889)

大学部5年242組 女 鬼道忍軍
二月といえば海・
櫟 諏訪(ja1215)

大学部5年4組 男 インフィルトレイター
名参謀・
三神 美佳(ja1395)

高等部1年23組 女 ダアト
無傷のドラゴンスレイヤー・
橋場・R・アトリアーナ(ja1403)

大学部4年163組 女 阿修羅
夜闇の眷属・
麻生 遊夜(ja1838)

大学部6年5組 男 インフィルトレイター
喪色の沙羅双樹・
牧野 穂鳥(ja2029)

大学部4年145組 女 ダアト
歌謡い・
亀山 淳紅(ja2261)

卒業 男 ダアト
十六夜の夢・
清清 清(ja3434)

大学部4年5組 男 アストラルヴァンガード
撃退士・
黒葛 琉(ja3453)

大学部9年38組 男 インフィルトレイター
不良中年・
綿貫 由太郎(ja3564)

大学部9年167組 男 インフィルトレイター
闇の戦慄(自称)・
六道 鈴音(ja4192)

大学部5年7組 女 ダアト
世界でただ1人の貴方へ・
氷雨 静(ja4221)

大学部4年62組 女 ダアト
ファーストコンタクト・
山岸 楓(ja4520)

大学部2年40組 女 インフィルトレイター
泥んこ☆ばれりぃな・
滅炎 雷(ja4615)

大学部4年7組 男 ダアト
ゴッド荒石FC会員1号・
レナ(ja5022)

小等部6年3組 女 鬼道忍軍
前を向いて、未来へ・
Rehni Nam(ja5283)

卒業 女 アストラルヴァンガード
人形遣い・
日谷 月彦(ja5877)

大学部7年195組 男 阿修羅
トラップは踏み抜くもの・
水城 秋桜(ja7979)

大学部7年186組 女 鬼道忍軍
二律背反の叫び声・
唐沢 完子(ja8347)

大学部2年129組 女 阿修羅
猛る魔弾・
平山 尚幸(ja8488)

大学部8年17組 男 インフィルトレイター
美貌の奇術師・
紺屋 雪花(ja9315)

卒業 男 鬼道忍軍