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マスター:秋空稔
シナリオ形態:ショート
難易度:普通
参加人数:6人
サポート:1人
リプレイ完成日時:2015/05/01


みんなの思い出



オープニング

「新しい饅頭ですか?」
「ああ……」
 少し浮かない顔の親方さん。数日前から試行錯誤を繰り返して新しい和菓子を作っている。その表情は浮かない顔だが、その目は挑戦する勢いのある目なのです!
「まあ、食べてみてくれ」
「……いただきます」
 親方さんが作った饅頭は……少し固くて、ちょっと違和感のある香り、そして普段よりも強めの甘み。
「独創的ですね」
「素直に不味いって言え」
 親方さんに気を使う弟子に楽しそうな笑顔。
「もしかして、気にしてるのですか? ここの温泉饅頭が別に温泉とは何の関係も無いって事……」
「そうだ」
 素直に認めている親方さん。結構ある事なのですが、温泉街などで売られている温泉饅頭は温泉とは関係が薄かったりします。たいていは『温泉街で売っているから温泉饅頭』だったりするのです。
「昔、諦めたんだけどな……あの子たちを見ていたらやる気が出てな」
 親方さんの若い頃は、そんな温泉饅頭が嫌で色々工夫したそうなのですが、出来なかったようなのです。
「なんで、俺は久しぶりに若返ったつもりで新しいのに挑戦するんだ!」
「いや、親方は若いっすよ!」
 そうお世辞を言うお弟子さん。親方さんは66歳。それでも新しい事に挑戦する姿はかっこいいのです!
「ああ、そうだな!」
 お世辞に笑いながら、色々調べる親方さんなのでした。

「和菓子教室の案?」
「ああ、あの子たちから出てただろ?」
 町長さんと泉庵の親方さんがご相談中です。最近色々と前向きに挑戦しいている親方さんですが、これには実は嫌な顔。
「その顔は問題があるのかい?」
「単純な話です。利益がほとんど無いんですよ」
 親方さんが数字を出して説明します。すると教室費がかなり高くなって、温泉旅行と組み合わせるには、ちょっと難しい感じ。
「ただ……な」
 別に出してきたのは、ここ数日の売り上げの上昇グラフ。自分も含め、泉庵で働く人たちのやる気がすごい上がっているのです。それは伝統を守る事に執着していた雰囲気から、伝統を守った上で新しい物を作る事への挑戦心で溢れている様子なのです。
「あの子たちは、言葉や提案以上に何かを私たちに残してくれるのかもしれませんね」
 そう言う町長さん。最初はいつも渋い顔をしていた町長さんなのですが、最近は渋い顔が減っているのですよね〜。

「皆さん、先日の温泉街のスタンプラリー参加ありがとうございました」
 丁寧お礼を言うのは荻窪優美さん。あれから、色々と相談して、最終的には案内所のフォトフレーム看板を猫さん犬さんの温泉風景に変更して、早速スタンプラリーを開始したそうです。
「その結果が見えるのは、まだ先ですけどね」
 チェックポイントもまだ少ないのですが、定期的に更新して増やしていく事で「前もやったけど……」って人でも、またやりたくなる工夫をする事になったようです。
「皆さんに依頼です。手作り和菓子教室を考えている様子なのですが……」
 そして、次の皆さんへのご依頼のお話です。
「すでに色々と問題があるようなのですが、それでも『試しに一度開催しましょう』という事になったようなのです」
 やらない理由を考えるよりも、やる理由を考えようという町長さんの鶴の一声で決定したそうです。
「それでは、皆さんのご参加をお待ちしております」
 そう言って説明を終える荻窪さんなのでした。


リプレイ本文

●今日は和菓子教室♪
「今日はよろしくお願いします」
「こちらこそよろしくお願いします」
 まずは皆さんでご挨拶。中でも凪澤 小紅(ja0266)さんは今回の和菓子教室が小紅さんの発案だという事でとてもやる気な雰囲気です。
「ご指導をお願いします」
 そして親方さんたちに丁寧にご挨拶するレティシア・シャンテヒルト(jb6767)さん。
「今回は是非、楽しみたいわ」
「楽しんでいってくれよ」
 儚げな様子の鈴羅木昴留(jc1227)さんですけど、とても楽しみな様子です。
「優美さんも作るよね?」
「は、はぃ……」
 何時ものように挨拶するルティス・バルト(jb7567)さん。一緒に優美さんの髪の毛に一輪の薔薇を差して、あっという間に優美さんの素敵な髪飾りです。
「皆と楽しい時間が過ごせるといいな」
 そんな様子を見ながら呟く凪黄昏ひりょ(jb3452)さんなのでした。

「それじゃあ、和菓子教室を始めます」
 今日は泉庵の親方さんが先生で、他にもお弟子さんがお手伝いをしてくれます。後は、手が足りないという事で、温猫温泉の女将見習いの阿佐ヶ谷さんがお手伝いしてくれます。
「本当は餡を作るところからって言いたいところですが、そこはダイジェストの紹介にさせてもらう」
 という事で軽く図などを使って作り方の説明。普通に作ると色々大変で2〜3時間はかかりますからね。
「詳しい事はウェブでね!」
 最後にくすってするような言葉で閉めてくれます。ちなみに、ホームページでは材料の小豆を作っている農家さんから紹介されているのです。
「ふぇ〜 こんな風に作るんだね」
 神谷愛莉(jb5345)さんが好奇心な瞳で見つめています。そんな愛莉さんの姿は、白の割烹着と三角巾ととても可愛らしい姿。
「愛莉さん、可愛いですね!」
 そんな姿にいつもの表情ながらも羨ましそうな声なのは優美さん。ちょっと『小学生の配膳係』って雰囲気もありますけどね。
「そして、出来上がった材料がここにあります」
 どこかの料理番組さんのようにお弟子さんが持ってくるのは、綺麗な色とりどりの餡と色々な粉、そして練り切りに大切な求肥。
「写真、撮ってもいいか?」
 並べられた材料を早速写真に撮る小紅さん。どうやら、和菓子教室の様子をHPに紹介してくれる様子なのです。もちろん親方さんは大賛成。
「ええ、どうぞ」
「それなら、なんかこさえたれ」
 写真を撮るのならと、お弟子さんが早速、求肥と餡を手に何か作ってくれるようです。
「まあ、こんな感じで作ってみてくださいね」
 って簡単にいいながら、かるく食紅つけて……出来上がるのは桜の花の練り菓子。さらに鶯餡を使っての葉っぱを添えます。
「おおぉ〜」
 思わず驚きの声が漏れるほどの早業。そんな早業に少し自慢顔のお弟子さんなのですが……。
「でも、親方はもっと早いですけどね」
 謙遜するお弟子さんなのでした。
「それじゃあ、作ってくれ。分からない場所はそのつど説明するよ」
 という事で早速開始なのです。

●お菓子作り開始!
「難しいですね」
 早速、皆さんで餡を練って求肥を混ぜて作り始めます。細かな作業は苦手な様子のひりょさんですが、やる気は十分。楽しそうにまぜまぜこねこねです。
 求肥と餡を混ぜて作った練り切りを形成して出来上がるのは、一生懸命さが現れている桜の練り菓子。
「うん、上手にできていますよ」
 一生懸命なひりょの頑張りを丁寧に褒めてくれるお弟子さん。不器用ながらも頑張っているひりょさんを見て、むしろ刺激を受けている感じのお弟子さん。
(昔は俺もあんな感じだったな……)
 そんな瞳で見つめる手は……自分も何か作りたい、そんな雰囲気なのでした。
「おお、綺麗なのが出来上がったな」
 昴留さんが作ったのはウェディングブーケを思わせるような白い薔薇。その中に薔薇のような色づけの餡を混ぜてあります。
「思ったよりも上手に出来ました」
 ウェディングドレスのデザイナーをしていた昴留さんなので、綺麗な造形はお手の物なのでしょうか。初めてとは思えないような出来映えです。
 お隣ではルティスさんが作ったのは鈴蘭。事前に温猫温泉の周りを調べて写真まで撮ってきました。そしてレティシアさんが作ったのはスノードロップの花なのでした。

 皆さんの作る練り菓子は初めてとは思えないような出来映え。中でも経験者の小紅さんはお店で売っていても不思議じゃないくらいの素敵な出来です。
「じゃあ、猫を作ってみようか」
「はい!」
 そして皆さんが取りかかるのは、協力して作る合作な猫さん練り菓子。まずは小紅さんが座布団を作っています。
「じゃあ、俺は胴体作るね」
「それじゃあ愛莉は……」
 合作猫さんは皆さんで役割分担して作ります。
「こんな感じに作りたいのですが、どんな素材が適当でしょうか?」
「そうだな……ここらへんか?」
 レティシアさんは親方さんに聞いて、材料を選んでもらい、色のイメージに合わせて色々混ぜています。

 そして出来上がったのは、座布団に座っておすましな猫さん。最後に皆さんでお髭をいっぽん、いっぽん添えて完成です!
「いいのが出来たね」
「はい!」
 皆さん満足の出来映えで、小紅さんが写真を撮っています。
「本当に初めてかね」
 花の練り菓子にしても、合作猫さんにしても素敵な出来映えで、親方さんも驚きなのでした。
「なんだか嬉しいや」
 そんな出来上がったひりょさんの笑顔……それが、一番の思い出になりそうです。
「じゃあ、試食にしようか」
 小紅さんが写真を撮り終えたところで、皆さんで試食に移るのでした。

●皆さんの出来映えは?
「それじゃあ、試食しようか」
 一緒に用意されたのは、和菓子に合いそうな緑茶と麦茶。それも冷たいのと暖かいの両方用意されているのは、ルティスさんの気遣い。
「後は、こちら樹屋さんからの差し入れでお煎餅もありますよ」
「甘いもんだけだと、しょっぱいモンも欲しくなるからよ」
 樹屋さんの親方さんが直々に持ってきてくれました。
「それじゃあ、いただきます」
 テーブルの上がにぎやかになったところで、試食の開始です。
 自分で作った和菓子を、楊枝で一口サイズに切ってからぱくり。
「美味しい!」
 口の中でふんわり溶けるような優しい食感と、口いっぱいに広がる甘さ。そして一口お茶を飲むと、お茶の味が引き立つような、そんなお味。
「お茶も美味しいですわね」
 昴留さんの美味しい声に笑顔のルティスさん。
「甘いお菓子を食べてから、お煎餅食べるとより美味しいですよね」
 そんな感じで、皆さんで自分で作った物やお煎餅、そしてお茶を飲んでいると、待ちかねた来客さんたちの登場なのです。
「みゃ〜」
「にゃん!」
「みゃ!」
 阿佐ヶ谷さんが連れて来てくれた温猫温泉の猫さんたちです。
「ミミちゃん元気だった?」
「みゃ」
 ミミちゃんは、たたっとひりょさんの足下にだっしゅ。覚えていてくれたのでしょうか、一直線です。ひりょさんの足に顔をすりする、背中をすりすりしご挨拶。
「覚えててくれた?」
「みゃ〜」
 そんな様子に幸せそうな笑顔のひりょさん。
「みぃ〜」
 自然な動きで小紅さんのお膝に寄り添って、すりすりするヤヤちゃん。
「お膝にどうぞ」
「みぃ!」
 小紅さんのお膝にのってリラックスなヤヤちゃん。
「今日も素敵な毛並みだね……」
 一直線にだっしゅしてきたアユムちゃんに素敵ウインクするルティスさん。女の子なら「きゅんっ」ってしちゃいそうなウィンクだから、アユミちゃんも嬉しそうにしっぽがぱたぱたなのです。

「あと、こんなのも作ってみたんだ」
 そんな猫さんたちと幸せそうにしている皆さんに、泉庵の親方さんから差し入れされるのは、猫さんでも食べられるネズミ型のお饅頭。
「こっちは煎餅みたいだね」
 樹屋さんが用意してくれたのは、カリカリみたいなお煎餅。もちろん、猫さんが食べても大丈夫な鰹節を混ぜたお煎餅。
「ささ、どうぞ〜」
 レティシアさんの周りで楽しそうに遊ぶちとせちゃんたち。久しぶりの兄弟集合で元気いっぱい。
「みゃ、みゃ、みゃ!」
 両手に四つ乗っけて、レティシアさんが猫さんおやつを差し出すと整列するように横に並んでぱくり。
「みぃ、みゃ、みっ!」
 美味しかったのかな? 手の平から食べたのに、レティシアさんの手までぺろぺろが四連続なのです。
 そんな可愛いぺろぺろを後ろからぱしゃりの小紅さん。写真は可愛く並んだ四つのお尻とふりふりしっぽなのでした。

「冬に焼きたてお煎餅を食べたことがあるのですの。これからは無理でも、寒い季節ならお煎餅の見学とか体験はできない?」
 愛莉さんはお煎餅でも出来ないのかな〜と想っている様子なのです。
「ん〜 そうだな〜」
「んなの無理だろ、素人さんに……」
 ちょっと難しそうなご意見にお煎餅親方さんが何か言うところに和菓子親方さんが頭を『ポカリ』。
「相変わらずテメエは『駄目な理由』見つけんの得意だなぁ」
「なんだとぉ!」
 ちょっと喧嘩でしょうか? でも、喧嘩というよりは、仲良しさんな雰囲気。後で聞いた話では、お煎餅親方さんと和菓子親方さんは幼なじみの腐れ縁って言ってました。
「まあ、ちょっと考えてみるさ。俺もちょっと思いついたことがあるし……」
「……お前が思いついたことくらい想像できるけど、まあ俺も考えてみるさ」
 という事で冬に何かありそうな予感が今からするのでした。

「爪とぎ……わたしの背中でやってくれないかしら……気持ち良さそう……」
 猫さんたちと遊びながら、思わず呟く昴留さんです。
「猫さんの爪は痛いですよ!」
 ちょっと驚きながらの優美さんですけど、こっそりわからなくもない様子。
「じゃあ、ちょっと……です」
 昴留さんのお膝の上にジェリーちゃんを乗せて、少し離れて物陰から猫じゃらしをふりふり。
「みゃ?」
 動く猫じゃらしに気が付いて、身体を伏せてお尻ふりふり。
「あら?」
 そんなお尻ふりふりに笑顔の昴留さん。
「ぴょん!」
 そんな時に優美さんの猫じゃらしが元気に動くと、ジェリーちゃんが元気に飛びかかります。
「あっ!」
 猫さんが飛びかかるときに、爪を出して勢いを付けるのです。
「だ、大丈夫ですか?」
 爪は整えてあるから怪我は無いですけど、ちょっとぷすりだった様子。
「……素敵です」
 そんなぷすりが嬉しい様子な昴留さんなのでした。
「荻窪先輩?」
 そんな和やかな雰囲気の中でレティシアさんが優美さんを誘って何かのご相談。
「えぇぇ!?」
 驚きの優美さんですけど、悩みながらも一度退室。なにをするのかな?
「お持ち帰りですか?」
「うん、アシュのお家猫さん飼い始めたのー。その子達にあげるのー♪」
 楽しそうな愛莉さんのお答え。
「それなら、お土産で包んであげますよ」
 せっかくですからね、って事で猫さん和菓子と猫さんお煎餅を包んでくれる阿佐ヶ谷さん、いいお土産が出来ましたね。

「ヤヤちゃん食べる?」
「みゃん」
 小紅さんはヤヤちゃんをお膝に乗せて、まずは和菓子っぽい猫さんおやつを手の平の乗せて差し出すと、最初は手でぷにぷに。次は鼻を近付けてクンクン、舌を出してぺろぺろ、そしてぱくり、はむはむごっくん。
「みゃん!」
 どうやら気に入った様子で、もっとおねだりな様子。その隣ではアユムちゃんにルティスさんが「あーん」をして食べさせてあげています。
「お利口さんだね」
 ぱくりと食べたアユムちゃんをなでなでしてあげるルティスさんなのでした。

「親方さん!」
「ね、猫さんなのにゃ〜」
 しばらくしてから、戻ってきたレティシアさんと優美さん。二人は何故か猫さんの着ぐるみ。
「……」
 思わず目が点になる親方さん……と他の人たち。
「は、わわわぁ!」
 そんな沈黙に顔を真っ赤にして恥ずかしそうな優美さん。
「親方さんの猫さんの苦手意識を緩和してあげられないだとうか、と考えた結果が、こう……」
 説明するレティシアさん。なんというか、方向性が少し迷子?
「ぶはっはは!」
 沈黙の中に響くのはお煎餅親方さんの笑い声。
「なんだよ、ヤケるねぇ。テメエは慕われてんなぁ!」
 その笑い声は可愛いお二人へではなく、優しくされている和菓子親方さんへの焼き餅みたいですね。
 笑いながら和菓子親方さんへどんどんばんばんと背中を叩いています。
「ははは、そうか。色々、気を使わせてすまな……」
 背中を叩く手が強くなってむせる親方さん。
「ちげぇだろ、そこは……」
「そうだな」
 姿勢を整えて二人に向き直ってから……。
「ありがとう」
 笑顔で言い直す和菓子親方さんなのでした。
「……」
 そんなこんなで笑顔の皆さんの中で、もの凄い恥ずかしそうな顔になっている優美さん。ですが、無表情な普段と比べ、いままでに無いほど表情が出ているのですけどね。
 もしかしたら、このレティシアさんの素敵着ぐるみ作戦で一番効果があったのは優美さんかもしれませんね。

●夜は温猫温泉でのんびり〜
「もふもふ〜」
 そして、夜は温猫温泉でゆっくりのんびり。
「アユムちゃん、プレゼントだよ」
「みゃ?」
 ルティスさんはアユムちゃんに新しいリードのプレゼント。そんなプレゼントにくるっと一回転、反対に二回転。「みゃん!」
 どうやら、気に入ってくれた様子。
 そんな様子にひりょさんも猫さんたちにプレゼント。黄色いリボンにフワフワ毛糸玉。
「ちょっとアユムちゃん、いいかしら」
 ルティスさんからアユムちゃんを借りて、ウェディングベールのプレゼント。そしてルティスさんのお膝へお返しです。
「似合っているぞ」
「ありがとう、アユムちゃんも可愛いよ」
 すぐにシャッターを切る小紅さん。そこには新郎のようなルティスさんと新婦のようなアユムちゃんの姿があるのでした。
「猫用のウェディングドレスもデザインしましょうか」
 そんな素敵なアユムちゃんとルティスさんを見て、インスピレーションを感じた昴留さんなのでした。

 次の日、見送りに親方さんが来てくれました。
「昨日はありがとうな」
 ちなみに、あれから親方さんや町長さんは遅くまで反省会、という名の飲み会をしていたようです。今回ので色々分かった事も多いですが、問題点もいっぱい出ました。
「でも、このまんまじゃ『さいさん』取れないんですよねぇ……」
 そんな愛莉さんの言葉に笑って答える親方さん。
「まあ、考えてみるさ。それが俺の仕事だ」
 そう笑いながらお土産の和菓子の詰め合わせを持たせてくれました。
「また、遊びに来てくれな」
 そう言って、見送りもそこそこに帰って厨房に籠もる様子なのです。
「頑張ってください」
 背中に送る声援に手を上げて答える親方さんなのでした。
 ここは猫と温もりを共にするお宿。今回、温もりをもらったのは親方さんなのかもしれませんね。


依頼結果

依頼成功度:成功
MVP: −
重体: −
面白かった!:5人

繋いだ手にぬくもりを・
凪澤 小紅(ja0266)

大学部4年6組 女 阿修羅
来し方抱き、行く末見つめ・
黄昏ひりょ(jb3452)

卒業 男 陰陽師
リコのトモダチ・
神谷 愛莉(jb5345)

小等部6年1組 女 バハムートテイマー
刹那を永遠に――・
レティシア・シャンテヒルト(jb6767)

高等部1年14組 女 アストラルヴァンガード
優しさに潜む影・
ルティス・バルト(jb7567)

大学部6年118組 男 アストラルヴァンガード
撃退士・
鈴羅木昴留(jc1227)

大学部4年100組 女 アカシックレコーダー:タイプB