「女将さんも優美さんも久しぶり、だね」
早速二人に挨拶するのはルティス・バルト(
jb7567)さん。その笑顔は優しく綺麗。何度かご挨拶されているのに優美さんはやっぱり恥ずかしそう。
「お久しぶりですね」
それに加えて女将見習いの阿佐ヶ谷さんは、いつもの笑顔。
「今日もまた、一段と美しい……この花も霞んでしまうようだ」
ルティスさんから差し出される綺麗な花も、ルティスさんとマッチしてとても綺麗ですよ。
「でも、せっかくだし、受け取ってくれるかい?」
綺麗な花を差し出すだけでも、実は結構難しい。そんな難しい仕草をきっちりと決めるルティスさんは素敵。
「ふふ、ありがとうございます」
それをすっと受け取り、そっとただよう香りを感じ、笑みを浮かべる阿佐ヶ谷さん。
その光景はまるで、映画の一幕のよう。それを恥ずかしいけど、目が離せない、そんなシーンなのでした。
「みゃん!」
そんな一幕にたたっと登場するのは猫さんたち。さっそくルティスさんの足下にはアユムちゃんがいつものようにリードをくわえてのご登場。
「あ、覚えてくれているんだね」
足下に一直線にだっしゅしてくるアユムちゃんに優美さんや阿佐ヶ谷さんに向ける笑顔とは違う、もう一つの素敵な笑顔。
「それじゃあ、スタンプラリー、一緒に行こうか」
「みゃん!」
そんな訳で早速ルティスさんとアユムちゃんは出発するのでした。
「みゃ〜」
お出迎え猫さんたちの中にはちとせちゃんもいました。さっそく大好きなレティシア・シャンテヒルト(
jb6767)さんのところでとてとてと近寄ってご挨拶。
「こんにちは、ちとせちゃん」
「みゃ〜」
ちとせちゃんとご挨拶するレティシアさん。ですが、今日は外でのご用事なのです。
「夜には一緒にいられますからね」
ちとせちゃんは温猫温泉の玄関までは出てきますけど、それ以上は、まだちょっと怖い様子。
「みゃ〜」
ちょっと残念そうなちとせちゃん。レティシアさんの足に体をすりすりして、抱っこのおねだり。
「いいですよ」
ちょっと甘えたい様子のちとせちゃんを抱っこしてあげるレティシアさんでした。
「私たちと一緒にお散歩してくれませんか〜?」
そんなお出迎え猫さんたちの中にしゃがんで優しく声をかけるのは愛須・セラフィーナ(
jc1239)さん。
「みゃ?」
「みゃん!」
そんな愛須さんに『遊んでくれるの?』『遊ぶの!』って雰囲気のしっぽで集まってくる猫さんたち。中にはムツキちゃんやほたる君も。
「可愛らしい猫さんがいっぱいいらっしゃいますね〜」
おっとりな感じで猫さんと遊ぶ愛須さんなのでした。
「一緒に行こうか」
「みゃ〜」
「ヤヤちゃんご一緒お願いしますね」
「みゃん」
黄昏ひりょ(
jb3452)さんはミミちゃんとKamil(
jb8698)さんはヤヤちゃんと一緒に行く様子。
そんな出発する猫さんたちを見て、ちとせちゃんは、レティシアさんの腕に顔をすりすり。
「あらあら、もしかして一緒に行きたいのかな?」
阿佐ヶ谷さんがそんなちとせちゃんの心を代弁です。
「抱っこしてあげれば大丈夫そうですね」
阿佐ヶ谷さんが説明してくれます。
「その子を抱っこだとお一人では大変ですね、よければご一緒しませんか?」
そんなレティシアさんに声をかけてきたのはひりょさん。
「そうですね、よろしくお願いします」
レティシアさんも誰かとご一緒するつもりだったので、お二人でのんびり回るようですね。
「では、私たちも行きましょうか」
「そうですわね」
リラローズ(
jb3861)さんと紅華院麗菜(
ja1132)さんも一緒に行くようですね。そんな麗菜さんの足下にはココちゃん、リラローズさんの腕にはコヒメちゃんがご一緒しているのでした。
「一緒に回ってもらえませんか?」
そんなお隣では優美さんに神谷愛莉(
jb5345)さんがご相談中。
「えっと……」
優美さんは阿佐ヶ谷さんにお尋ねすると、笑顔で指を丸めて大丈夫とのご返事。
「じゃあ、一緒に行きましょうか」
「はい!」
「いってらっしゃい」
そんな皆さんが出発する中で、おっとりで優しい愛須さんは最後まで猫さんたちのお相手です。
「そろそろ行きますか」
そう言って立ち上がると、その腕の中にすっぽりと入ってくるあったか毛玉。
「あらら?」
「あら、ケイトちゃん」
「みゃん!」
ケイトちゃんは毛糸みたいにふわふわの子。
「どうやら、ケイトちゃんも一緒に連れていって欲しいみたいですね」
他の猫さんたちも興味津々な雰囲気ですけど、他の子はまだ怖い様子。
「じゃあ、一緒に行きましょうか」
「みゃん!」
という事でちょっと予定とは違いましたけどケイトちゃんも愛須さんと一緒に出発するのでした。
「ふふ、可愛いね、キミ達も」
アユムちゃんと一緒に神社立ち寄ったルティスラさん。犬さんや猫さんがお出迎えです。でも、犬さんはしっかりしているので、アユムちゃんに吠えたりしないのです。
「大事にされてるんだろうね」
決して神社の大切な場所で爪とぎしないのです。
「さ、スタンプを押して……おみくじ?」
「ああ、こんにちはスタンプラリーの人ですね」
今日は神主さんが忙しいので、代わりに巫女服を来たお姉さんがおみくじや破魔矢や絵馬を授与してくれます。
「ええ、そうですよ。そんな貴方にこの花を……受け取ってくれるかい?」
「は、はい」
巫女さんの目が思わずハートマークになりそうな素敵ウインクと一緒に差し出されるのは、何処に持っていたのか素敵な一輪の花。
すこしぽーっとしちゃう巫女さんですが、すぐにお役目に戻ります。
「じゃあ、試しに引いてみようか」
「みゃん」
アユムちゃんを抱っこして、一緒におみくじを引きます。ちなみに、おみくじは布をそっと引くと出てくる特製おみくじ。これなら猫さんでも引けるのです。
「っと、兎吉ですね」
「これはどういう意味なのかい?」
大吉でも凶でもないくじにちょっとびっくり。
「意味は……えっと……」
今日がはじめてだから、覚えていないのはしょうがないですね。巫女さんは冊子をペラペラ開いて確認です。
「兎吉は耳が良くなるらしいです」
そんなお答え。それよりも可愛らしいおみくじ。可愛い兎の赤ちゃんの写真が入っているのでした。
「あら〜 可愛らしいおみくじですね〜」
そんなルティスさんとアユムちゃんに話しかけるのは愛須さん。ちょうど、おみくじをしている所に通りかかったようです。
「じゃあ、私もひとつ」
「はい、どうぞ」
愛須さんとレティシアさんもおみくじを引くと、愛須さんが猫吉でした。
「あらあら、可愛いですね」
猫吉の写真は可愛いスコティッシュホールドの猫さん。垂れ耳が可愛いのです。
「ケイトちゃん、どうですか?」
その写真をケイトちゃんに見せる肉球でぷにぷに、顔ですりすり、もしかして気に入ったのかな?
そんな可愛い仕草を見て愛須さんも幸せそうな笑顔になるのでした。
愛須さんと入れ違いで神社に顔を出したのはリラローズさんと麗菜さん。
「さて、何が出るんでしょうか……」
「何が出ますかしら……」
早速お二人でおみくじ。コヒメちゃんとココちゃんに引いてもらいます。
「みゃん!」
「あ、羊さんですね!」
リラローズさんは『羊吉』ですね。もふもふの羊さんの上に猫さんが乗った可愛らしい写真がセットです。
「麗菜さんはどんな動物が出ましたか?」
「私は狐吉でした」
狐吉はしっぽもふもふの狐さんがお稲荷さんを食べている写真でした。
「みゃ〜」
「あら、コヒメちゃんも引いてみますか?」
そんな感じでとても楽しそうなお二人でした。
そんなお二人の側ではKamilさんがヤヤちゃんと一緒に絵馬に願いを込めていますね。どんなお願いなのかな〜。
絵馬を奉納したKamilさんは、次に泉庵でスタンプぽんっです。
「いただきます」
そして、いただいたお饅頭と一緒にお茶を飲んでいます。
「可愛いですね」
お饅頭は猫さんの顔が描かれていてとても可愛いです。そんなお饅頭をぱしゃりと写真に残して、ぱくり。
「美味しいです」
「それは良かった」
ちょうど様子を見に来たのはこの泉庵の親方さん。だけど、一歩距離が離れているのは、まだ少し猫さんが怖い様子。
「大丈夫ですよ」
ヤヤちゃんをしっかりと抱っこするKamilさん。
「ああ、すまないね」
少しは慣れたかもしれない親方さんだけど、ヤヤちゃんからちょっと距離を取っているのです。
「肉球饅頭、何てあったら可愛いな」
ふと、ヤヤちゃんの肉球を見て思わず呟くKamilさん。
「肉球か……」
そんな呟きが聞こえたのか親方さんが何か考えている様子。おもむろにスケッチブックを取り出して軽くペンを走らせて……出来上がるのは肉球の形のお饅頭の絵。
「……ちょっと違うかも……です」
そんな親方さんにヤヤちゃんの手を取って肉球を見せるKamilさん。
「っと、そうだな」
ちょっとだけびっくりした親方さんだけどしっかり抱っこしているから大丈夫。じっとしているヤヤちゃんの肉球をスケッチする親方さんなのでした。
そんな親方さんがスケッチしているところにレティシアさんとひりょさんが日傘を手に優雅に歩いています。
「……あの絵もいいな」
主に日傘を手にしているレティシアさんをスケッチ。
「レティシアさん、そのまま振り返ってもらえませんか?」
そんな親方さんに気がついたひりょさんはちょっとお願いします。
「こうですか?」
日傘を手に振り返る姿は見返り美人という雰囲気。
「いいね」
そんなレティシアさんの胸に抱かれたちとせちゃんと一緒にスケッチ。振り返って現れたちとせちゃんに親方さんがびっくりしたのはここだけの秘密ですけどね。
そのスケッチしている姿をひりょさんは、記念にとパシャリ。
「この写真、お店に飾ってはどうですか?」
「それは恥ずかしいな」
そんなひりょさんの提案に頭を掻きながら照れる親方さん。ですが、その写真は胸の奥が暖かくなるような、そんな写真なのですけどね。
そんな皆さんの様子を見ながらおっとりと膝の上のケイトちゃんをなでなでしてる愛須さんなのでした。
「はい、チーズ」
パシャリと写真撮影完了。フォトフレームで写った愛莉さんと優美さんは……やっぱりちょっと変な感じ。
「ちょっと……恥ずかしいです」
微妙な顔の優美さん。
「そうですね……んー、露天風呂で猿さんや鹿さんと一緒に入ってる方が温泉町っぽいかも」
「それ、いいですね」
言われて、さっそくスケッチブックを取り出して軽くラフ絵を描く。
「こんな感じですか?」
「んー……後はお猿さんの頭にタオルでも乗せましょうか?」
そんな感じで二人でフォトフレーム案を考えていると、ちょうど他の皆さんと合流です。
「猫さんと一緒に写真が撮れるようなフレームがあってもいいかも?」
「人間用に猫の着ぐるみな感じのフレームはどうでしょうか?」
「カップル猫の看板もいいですわね」
そんな感じで皆さん色々と提案してくれます。そんな話をしながら、案内所のお隣のお土産屋さん・ぬくもりでは、皆さんで豆腐田楽に舌鼓を打っています。
「大人の方ならお酒が飲みたくなる感じかもですね♪」
「ふむ、お酒に合いそうです」
そんなリラローズさんやレティシアさんのご意見。さらに皆さん色々とお土産を買うのでした。
「おやつサイズのラーメンって無いのですか?」
「あるよ」
ちょっとお腹が空いてきたところで温泉ラーメン・ぽかぽかに立ち寄った愛莉さんと優美さん。
色々と臨機応変にラーメンを作ってくれるお爺さんなのです。
「じゃあ、二つお願いしますね」
「あいよ、ミニラーメン二つ」
愛莉さんと優美さんでラーメンスナックと一緒にミニラーメンで二人仲良くおやつなのです。
そんなラーメンスナックですが大人気の様子。
「これはサクサクとした食感がとても素敵ですわね」
さらに麗菜さんは、軽くラーメンに浸して食べていますね。猫さんでも食べられるように薄味なので、ちょっとしたアクセントになってさらに美味しいのです。
「セルフでシーズニングをかけて味にバリエーションをもたせるのも良いかもしれませんね」
リラローズさんも美味しそうに食べていますね。
「はい、あーん」
「いただきますわ」
リラローズさんのあーんに答えて麗菜さんがスナックをぱくり。
「お返しですわ」
麗菜さんからのお返しはちょっとラーメンに浸した熱々のをふーふー。
「あーん」
「ふふ、皆で食べると、もっと美味しいですね」
もちろんココちゃんやコヒメちゃんも一緒に「あーん」です。
「にぃ〜」
みなさんが笑顔になる素敵スナックです。
「……どれ、こんなのかな?」
そんな皆さんを見ていて、早速何か作ってくる店主さん。それは魚のいい香りのする粉。
「煮干しとゴマを混ぜてみたんだ」
そんなのまですぐに作っちゃう店主さんは、とても楽しそうな笑顔なのでした。
「このお菓子……」
猫さんたちが美味しそうに食べる姿に興味津々のレティシアさんが質問します。
「そうさな……」
そんな言葉を待ってたのでしょうか、楽しそうにお話する店主さん。
「やっぱり無駄にするのは嫌だからな」
大切に育てられた小麦粉で作る麺。なので、こんなちょっと食べられるものを考えたのです。
ちなみ、さくさくのコツは温泉水をちょっと混ぜる事だそうです。
「まあ、前に来てくれた君たちの友達からヒントをもらったんだよ」
そう笑って教えてくれるました。そんなお話を楽しくしながら、ひりょさんは足下でぽか君と遊ぶミミちゃんを見てくれていました。そんな楽しそうに遊ぶミミちゃんとぽか君にメロメロなひりょさんなんでした。
スタンプラリーを終えて、段々と皆さん温猫温泉に戻ってきます。
「……で、これ何処に出したら良いんでしょ?」
スタンプラリーを終えた愛莉さん。冊子に押された肉球スタンプ六つ。
「はい、じゃあここで景品と交換です」
景品として差し出したのは、この前優美さんが作っていた毛糸で作ったキーホルダー。
「本格的に始まったら、こんなのじゃないですけどね」
「いえ、うれしいです」
自分で作ったもので喜んでくれるのは嬉しいもの。そんなうれしさをちょっと隠して照れてしまう優美さんなのでした。
「ただいま」
「みゃ〜」
他の皆さんも戻ってきましたね。皆さん猫さんを抱っこしながら、スタンプ提出です。
「おかえりなさい」
「ガイドブックがあればいいですよね」
レティシアさんからのご提案は、可愛いイラスト付きのガイドブック。それをメモする優美さん。
「課題としては……そうだね、にゃんこの体力、かな?」
ルティスさんの腕の中で安心した顔でお眠なアユムちゃん。
「沢山あるいたもんね」
優しく頭を撫でるルティスさんの手に気持ち良さそうなアユムちゃんなのです。後はゆっくり温泉に入ってのんびりしてくださいね。
ここは猫と温もりを共にするお宿。街は段々と変わっていくのかな?