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マスター:朱月コウ
シナリオ形態:ショート
難易度:難しい
参加人数:8人
サポート:1人
リプレイ完成日時:2015/09/14


みんなの思い出



オープニング

●出来る骨

「聞いたか?」
「あぁ、聞いた聞いた」
「行ったか?」
「いやいや、おっかねぇよ」
「だよなぁ」
 今、久遠ヶ原学園の学生達の間でとある噂が日増しに広がっていた。
 元はと言えば、掲示板に張り出されたサーバント討伐の依頼が発端だ。

『骸骨姿のサーバントが出没。討伐者募集』

 最初は掲示板の片隅に貼られていたのは何となく記憶に残っている。
 その時の説明によれば、そのサーバントは力が弱く下から数えた方が早いくらいの能力だ、と言われた覚えが有る。
 数も一体だという事でその分報酬は少なかったが、かなり楽な依頼だったと記憶している。
 だが……。
「うおおぉぉッ!? 何だコイツ!」
 実際はそんな事は無かった。
 骸骨姿に細身の日本刀を抜身で持ったそのサーバントは、その時の六人相手に一歩も引けを取らない戦闘技術を有していたのだ。
 与えられた情報が誤っていたか、もしくは何らかの影響でサーバントの力が増したのか。
 今となっては噂の中に埋もれてしまったが、一つ確かに言える事はその骸骨剣士が異常に強いという事。
 これまで何度か同じ依頼が出されたものの、帰って来るのは怪我人のみであった。
 その撃退士達は口々に語る。
 曰く、凄腕だった。
 曰く、オーラが違った。
 これは流石に厳しいか、という所で、新たな依頼が出される事になった。

●卓越した剣士
 
「いやぁ、手強いですよ。今回」
 オペレータは苦汁を飲まされた顔を浮かべ、撃退士達に説明する。
「敵は骸骨のサーバント。手に日本刀を所持していた事から『骸骨剣士』と呼ばれています。
 数は一体です……が、油断はしないで下さい。報告の中には六人がかりで攻撃を躱すのがのが精一杯だった……というのも有ります」
 骸骨剣士はここより遠く離れた、暗い森の奥で佇んでいる。
 生還した撃退士は多いのでそこまでの道程を知るのは問題無いだろう。
 その骸骨剣士を見つけるのも容易い。
 森の奥地には開けた場所が在り、いつもそこで待ち構えている。
 骨の全身には土気色をした薄いボロ布のローブのようなものを羽織っており、鈍く光る日本刀を右手に提げている。
 待ち構えているというのはそのままの意味で、突然背後から! と言った奇襲を受けた者はいないようだ。
 動きが素早く、骨だからと言って力に劣る訳では無い。
 特別な魔術の様なスキルは使って来ない、純粋に刀だけで戦うサーバントのようだ。
「森から出る様子は無いのですが……このまま放って置く事も出来ないです。
 ……それとこれも帰還した撃退士からの情報なのですが、離脱する際は『火』属性の攻撃で怯ませる事が出来たとか。何かの参考になれば」
 数が一体であるのがせめてもの救いと言える。
 決着を付けて貰いたい。


リプレイ本文

●屈強たる骸骨

 頭上からの光が落ちて来ない、そんな森の奥地だった。
「猛者の骸骨ですか。どれほどのものか、お手並み拝見といきましょうか」
 目的地に到着する辺り、手元のトランプを器用に弄んでエイルズレトラ マステリオ(ja2224)は綺麗に口の両端を上げた。
 その明るめな茶髪の隣に暗所用のゴーグルで位置を確認する御堂・玲獅(ja0388)。
 二人と並行して歩を進める、飛びぬけて背の大きな獅童 絃也(ja0694)。
 少し離れた後方に、闇に溶け込めそうな黒い長袍を纏う九十九(ja1149)が三人の背を見守る。
「……そろそろ、ですね」
 ゴーグル越しに開けた地形が目に入り、玲獅が呟いた。
 出発前に過去骸骨剣士と交戦した撃退士達から聞いた情報では、開けた地形は今目の前に在るここぐらいなものだと言っていた。
 お陰で道に惑う事も突然出くわす事も無く、準備を万全にしてこの戦いに臨める。
 木々は周囲と比べれば少なく、派手に動いても支障の無い様なやや円形の地。
 その奥に、大岩が鎮座していた。
 その上に腰かけていたのは日本刀を地面に突き刺し、その柄に両手の骨を乗せて腰を下ろす一つの、一人の……いや一匹の骸骨。
 果てて朽ちたその濁った白い表面の上に、土気色のローブを纏わせ静かに獲物を待ちわびている。
 幾多もの死戦を潜り抜けて来たかの雰囲気が、死の先に置いて尚厳格な闘気として羽織っていた。
 大岩からゆっくりと腰を上げた骸骨が徐に刺した刀を抜き取る。
 刃こぼれの見える刀身が鈍い光を放った。
「……来ます!」
 玲獅は忠告と同時、創造したアウルの鎧をエイルズレトラに纏わせ、そのエイルズレトラが正面へ飛び込む。
 飛び込みざま、横に一閃した直刀が骸骨剣士の刀と交わった。
 すれ違うその瞬間、鬼道忍軍の速さを持ってして動きを目で追われていた事に、エイルズレトラは気付くだろう。
 エイルズレトラの攻撃を弾いた骸骨剣士が続けて刀を振り下ろす。
 反射的に身を翻したエイルズレトラの居た場所に、深々と剣先が突き刺さった。
 小柄な手品師の動きを見極めようと構える骸骨剣士が何かに反応し、腕を振り上げる。
 途端、先程よりも小さく、短い金属音が鳴った。
 骸骨の背後で、二つに割られた銃弾が木に刺さる。
「ふむ、言うだけはあるということか……」
 言葉の後、ガシャリと銃を傾かせる音が頭上から聞こえる。
 遠くの木の上、登っているのか……いや、あれは更にその上だ。飛んでいる。
 月光に照らされた下、悪魔の翼を顕現させた牙撃鉄鳴(jb5667)からの狙撃だ。
 その横をもう一つ影が横切った。が、冷静に見ている暇は骸骨剣士には無い。
 空を見上げれば下からはエイルズレトラの猛攻が再開する。
 幾度と斬り結ぶ内、骸骨剣士は違和感を覚えた。
 手応えは有る。が、妙に固い。
 凝らす眼球は無い、だが穴の空いた両の窪みに、エイルズレトラを纏う薄い外殻が衝撃を軽減してる事に気付く。
 最初に玲獅から与えられた鎧。それは、骸骨剣士の気を一瞬引かせるには十分だった。
 骸骨剣士の頭上に突然現れた淡い光球。
 先程横切った影の正体、麗奈=Z=オルフェウス(jc1389)の放ったものだ。
 鉄鳴が銃口と視線を目標に外さず静かに言う。
「真上だけで良いのか?」
「下から照らすとホラー感が増しちゃうしね」
 答えた麗奈が照らし出した光の中、光源を両断するように九十九から黒い弾道が放たれる。
 光に怯まされた骸骨剣士だが、刀で力強く弾き飛ばす。
 いや、これで良い。
 何せこの弾道は刀を狙ったものなのだから。
(……やれやれ、武人気質な者ならば一対一を望みたい相手だろうねぇ)
 九十九は心中溜息する。
 だがこれは飽くまで仕事だ。そしてどこぞの軍師もこう唱えている。『兵者詭道也(兵とは詭道なり)』と。
 大きく体勢を崩した骸骨剣士に、二筋の雷撃が交差した。
 骸骨剣士が攻撃に身を仰け反らせながら、一方の攻撃方向に目をやる。
 こちらを射止める金色の瞳、風圧に揺れる真紅の髪。
 ヤナギ・エリューナク(ja0006)の姿の一部。
 が、雷光に視界を塞がれた一瞬にその姿は消えていた。
 姿を消したヤナギは木陰を縦横に駆け巡る。
 相手がいくら正々堂々であろうと、こちらまで合わせてやる必要は無いだろう。
 彼には彼の流儀が有る。
(麻痺ってくれりゃ御の字だが……?)
 チラリと骸骨を見やるが、依然動きを鈍らせている様子は無い。
 もう一つの雷光の主、元 海峰(ja9628)の影もまた、光と同時に掻き消える。
 熟練の剣士であるこの骸骨には興味が有る。が、これも作戦の内。
 勝てば官軍というヤツだ。
 厄介なのは矢張り刀だけでは無い。本体の速さも油断してはいけない。
 ならばこちらもそれに対応した速さで撹乱(かくらん)する。
 常識を逸脱した海峰の動きは、確かに捉えるには難しい。
 ましてやこの多人数戦。一人二人の陽動に惑わされては思うツボだ。
 骸骨剣士は辺りを駆ける影達には集中せず、まずは目の前の確実に存在し、攻撃の届く四人の撃退士達を見据える。
 四人と一体の陰が、光球の下で激しく交わった。
 刀同士が打ち合い、弾かれ、またすれ違う。
 相手側に深く踏み込めば、麗奈、九十九の援護射撃が剣筋を鈍らせる。
 麗奈のカードを斬り払ったかと思えば、カードに紛れた鉄鳴の黒い銃弾が正確に刀へと狙いを定めていた。
 絃也へ仕掛けた一振りが玲獅自ら飛び込んだ盾によって阻まれた、その時。
 麗奈の作り出した、淡い光を放ち続けていた真上の光球が一層激しく輝き出した。
 一筋の強い光が、一人の男を照らし上げる。
 攻撃か、と身構える骸骨剣士に対し、その光の下に居たのは。
 仰々しい仕草と如何にも芝居掛かった笑みでスポットを浴びる茶髪の少年。
 エイルズレトラの奇抜な行動に、思わず骸骨剣士が気を取られる。
 その隙を見逃さない男が居た。
 黒っぽい残影が骸骨剣士の背後に迫る。
 それに気付いた時には、既に行動の余地は無かった。
 闘気の解放。身長約2メートルから滲み出る威圧感。
 何故この男に気付かなかったのか。
 何故死角への侵入を許してしまったのか。
 絃也が地面を強く踏み鳴らす。足元の土が舞い上がり、草木が騒めく。
 震脚の生み出す慣性を付けた拳が、剣士の骨に突き刺さった。
 これまで蓄積したダメージも有ったろう。
 骸骨剣士が思わず退く。
 ズグン、と重たい衝撃が骨を軋ませた。

 ……?
 ……いや、逃げ切れていない!
 眼前に迫る絃也の掌打が右肩を掠める。
 その掌を躱したとして、巨体の後ろから飛んで来たのはヤナギの雷遁。
 背後からは一撃離脱の海峰の雷蹴。
 九十九の矢を打ち払ったかと思えば、上空からも鉄鳴の銃弾が襲い来る。
 かと言って踏み込むのは容易では無い。
 麗奈のカードが行く先行く先を妨害して来るからだ。
 何より、しっかりと纏わりついてくるエイルズレトラだけでも厄介な上、例え彼を弾き飛ばしたとして玲獅がすぐに治癒を行う。
 次の攻撃地点への移動中、ヤナギは骸骨の目を見、そして感じた。
「……笑ってンのか?」
 ヤナギの見たその双眸。
 そこには赤い闘志が灯っていた。

●奴が見出すもの

 押されているとは言え、骸骨剣士の手が緩まる事は無かった。
 妨害を構わず真っ向から斬り込んだ刀の先に、エイルズレトラと絃也が構えている。
 即座に左右へ散る二人。
 足首を回転させ、骸骨剣士は片方を追う。
「……俺に来たか」
 狙われたのは絃也だ。
 強靭な骨と強靭な肉体が一進一退の攻防を繰り広げる。
 上段から下段へ、中段から上段へ。
 動きの読めない絃也の拳と肘が骸骨の動きを鈍らせ、更には虚実混ざった一撃一撃に惑う。
 しかし、なるほど……流石に何度も討伐依頼を出されただけの事はあるようだ。
 徐々に絃也の動きに対応してきている。
 突如、勢いを付けた唸る刀身が絃也の身体を二度、斬り払った。
「む……」
 だが最後の大振りが、紫紺の風を纏った九十九の射撃によって僅かに逸れる。
 上空で弾を装填し直す鉄鳴がポツリと呟いた。
「……笑ってるな」
「え?」
「そう見える」
 麗奈の問いに一言だけ答えた鉄鳴の身体が、突然急降下した。
 その理由を麗奈は視界に収める。
 骸骨剣士の刀が、力を抜いたように垂れ下がったからだ。
 武器を銀白の糸に持ち替え、骸骨剣士の背後へと迫る鉄鳴が糸を薙いだ。
 鋭く美しい糸が骸骨の骨を強打する。
 入れ替わりでエイルズレトラがカードを差し込み、瞬間身を引く。
 骸骨剣士が動き出したその刹那、カードが爆発を起こした。
 爆風を切り裂いて飛来したのは海峰の高速の蹴り。
 例えこのまま回避に専念されようと、この攻撃は止まらない。
 攻めて、攻めて、攻めまくるのみ。
 絃也の傷を玲獅が癒す間、その絃也は骸骨の手元を目で追っていた。
 刀の握りは一般的……ではない。片手だ。
 指は肉が付いていればもっと見易かっただろうが、小指と薬指で締めているようだ。
 そして『上段からの攻撃は両手で行っている』。
 玲獅に軽い目配せをした絃也が、一直線に骸骨剣士へと飛び込んだ。
 ヤナギの放った雷が、死角への道を切り開く。
 またも一歩遅れた骸骨剣士に重い鉛のような拳が入った。
 が、その拳を見るや構わず両手に持ち替え、絃也へと刀を振り下ろす。
 その両手の間。
 刀を振り下ろしきる直前、骸骨剣士の持つ刀の柄、その両手の間に絃也の片腕が割り込んだ。
 勢いの殺された刀の柄頭に、息吐く間も無く掌打が突きあがる。
 と同時、柄を押さえた腕が骸骨剣士の手から刀を払い退けた。
 体術の達人であるからこそ出来る『無刀取り』。
 手元から離れた刀が空中へと高く放り出された。
 刀の元へ後退する骸骨だが、上手く近付けない。
 最短距離で向かおうとすれば、絶妙のポイントに麗奈のカードが飛んで来る。
「さ、いっぱい搦めてあげる。まともに動けると思わないでね♪」
 妖艶に微笑む麗奈を見上げ、骸骨の動きが止まった。
 麗奈の整った顔立ちや、麗しい黒髪に見惚れてしまった訳ではない。
 海峰が骸骨を影ごと縫い止めているのだ。
 宙を舞い続ける抜身の刀は、別の人間の手元で受け止められた。
「こいつァ頂くゼ? お前ェには勿体無ェ代物だろ?」
 ニッと笑ったヤナギがそのまま加速する。
 来るか、と構えた骸骨だが、ヤナギ自体に変化は無かった。
 彼の足元以外は。
 盛り上がった柔い土塊が蹴り上げられ、骸骨の視界を塞ぐ。
 その一瞬に姿を眩ましたヤナギの手元で、鎖の垂れる音がした。

 突風。

 と思える速度で、ヤナギが骸骨を飛び越える。
 その鎖鎌が生み出した疾風の刃が、骸骨を斬り飛ばした。
 最早刀を失った骸骨に残された手段は一つ。
 体術による攻撃。
 構えを変えた骸骨の両手へ、黒い鳥の銃口が鳴いた。
「骨風情が随分手間取らせてくれたものだ」
 容赦の無い狙撃が手を打ち抜く。
 衝撃で横に飛ぶ骸骨の背後から、エイルズレトラが飛び掛かる。
 しかし、そのエイルズレトラが前方からも同時に攻撃を仕掛けた。
 これぞ奇術師、エイルズレトラのダブル・フェイス。
 逃げ場無く斬られる骸骨に、ヤナギが放つ焔の矢が降りかかる。
 炎に明らかな嫌悪感を見せ暴れる骸骨へ、今度は頭上から火の子が降って来た。
 反射的に数歩後退る。これも攻撃か?
 いや、これは……ティッ……シュ?
「苦手っていってたからどうなるかな〜ってね♪ 火傷には注意してね♪」
 楽しそうに笑みを見せる麗奈の手にはライター。
 骨の口をギュッと噛み、骸骨は悔しそうに前傾姿勢を取る。
 降参か。そう誰もが思った時、場の空気が張り詰めた。
 途端、全員が構える。玲獅は盾を掲げ直し、九十九は既に暗い紫の風を呼び起こしていた。

 麗奈の落とした火の粉が燃え尽きたその直後。
 骸骨が駆け出す。
 何処から湧くのか、その脚力が一瞬にして撃退士達との間合いを詰めた。
 だが、それも時すでに遅し。
 最初の一撃が玲獅の盾に拒まれると、九十九の矢が胴を貫く。
 矢とほぼ同時に絃也が動いた。
 溜めていた気が解き放たれる。振動する大地が今からの攻撃の重さを物語っていた。
 中距離から放たれた一打目の拳が円を描いて上段から叩き伏せる。
 踏み込みは止まらず、骸骨と同じ位置まで伏せた絃也から左肘の打撃が突き上がった。
 まだ止まらない。
 逆の足で間を詰め、右の肘撃が骨を歪ませる。
 まだ止まらない!
 大きく踏み込んだ絃也。その両の掌が、骸骨の腹部を強打した。
 流れるような一連の動作が骸骨を仰け反らせる。
 体勢を立て直す間も無く、骸骨にヤナギの鎖が巻き付き、拘束される。
 動けなくなった首元に、エイルズレトラのカードが刺さった。
 数秒、後に派手な爆発が起こる。
 首が胴体から離れ、自身の刀と同じく宙を舞った。
 その頭部が鉄鳴の正確な銃弾によって砕かれる。
 瞳の焔が何処を見るでもなく、静かに消えて行った。
 胴体も、そして刀も、頭部が消えると霧散して消えて行く。
 その様、実に満足そうに、しかし名残惜しそうに、ゆっくりと闇の中に溶けて行った。


「……手強い相手だった。まさに手練れ」
 戦闘後、玲獅が導く癒しの風によって全員を手当している最中、海峰はそう呟く。
「サーバントとは言え……」
 普段の眠そうな眼で九十九が言う。
「武を体現するのは、うち個人として敬意を表すさぁね」
「あのサーバント、一体何だったんでしょう……?」
 手当の合間、銀髪の間から紫色の瞳を覗かせ、玲獅が疑問を呟いた。
「動かないって事はなんかあるかもしれへんしね」
 そう言って、甘美な声で骸骨の居た辺りを探索しているのは麗奈だ。
「いいことにしろ悪い事にしろ確認しとかんとね。ちゃんと成仏してくれへんのも物騒になるだけやし」
 とは言え、特に何かが見つかった訳では無い。
 もし原因を探るなら、日を改めて探索した方が良さそうだ。
 調査した人間の怠慢か、実力を隠す知恵があったか……或いは出現から依頼が出される間に強化されたか。
 この骸骨が弱いという噂が立った原因を、鉄鳴も思案する。
 あの空虚な瞳に灯った焔、それをヤナギは思い出すだろう。
「止めておくか。討伐した以上依頼とは関係ない話だ」
 一通り考えた後、鉄鳴が言い放った。
 何かしらあればまた依頼が出されるだろう。元より、金にならない労力は使わないに限る。
 
 果たしてそこまでの心中を察せたかは判らない。
 だが、撃退士達はその言葉に小さく頷いた。


依頼結果

依頼成功度:大成功
MVP: サンドイッチ神・御堂・玲獅(ja0388)
 厳山のごとく・獅童 絃也 (ja0694)
重体: −
面白かった!:6人

Eternal Flame・
ヤナギ・エリューナク(ja0006)

大学部7年2組 男 鬼道忍軍
サンドイッチ神・
御堂・玲獅(ja0388)

卒業 女 アストラルヴァンガード
厳山のごとく・
獅童 絃也 (ja0694)

大学部9年152組 男 阿修羅
万里を翔る音色・
九十九(ja1149)

大学部2年129組 男 インフィルトレイター
奇術士・
エイルズレトラ マステリオ(ja2224)

卒業 男 鬼道忍軍
惨劇阻みし破魔の鋭刃・
元 海峰(ja9628)

卒業 男 鬼道忍軍
総てを焼き尽くす、黒・
牙撃鉄鳴(jb5667)

卒業 男 インフィルトレイター
甘く、甘く、愛と共に・
麗奈=Z=オルフェウス(jc1389)

卒業 女 ダアト