最終選考作品一覧

エリュシオンライトノベルコンテストにおいて、最終選考に進出した7作品を紹介いたします。
また、各イラストレイター様サイトには、コンテストの応援イラストがある場合もございます。
可能であればあわせてぜひご閲覧ください。
(五十音順、敬称略)

What-if games? 岡田播磨

イラスト:メル。


主人公のスペックが恋愛線が見えるという特殊能力以外はかなり低いので、エリュシオンを始めたばかりのプレイヤーの視点に一番近いため入門書としてうってつけ。
作品に登場するキャラクターのほとんどがエリュシオンで実在する、プレイヤーキャラクター達なので実際に交流を持てるのもポイントですね。
実在するプレイヤーキャラクターのイメージを壊すことなく、とても自然な形で御自分の作品内に取り込めているのが凄いです!
この作品を読んで世界観や登場するキャラクター達に惚れた方はどうかエリュシオンを実際にプレイしてみて下さい。
袋井 雅人様のレビューをご紹介)


グレイス・アメイジング・キャンディスター 久保田

イラスト:準


知っているだろうか?
「強者」の描写は三つに分けられる。
「強い心を持つ者」
「高き技量を持つ者」
「優れた能力を持つ者」
この三つだ。

しかし、これらを明確かつ高いエンターテインメント性を持たせつつ描き分けることは難しい。
そして「グレイス・アメイジング・キャンディスター」の作者である久保田氏は、その描き分けを高い水準で行える稀有な作家の一人に数えられる。
その描写力は、キャラの造形にも端的に表れている。
作中で登場する主人公を始めとするキャラたちは、それぞれ軸の異なる「強さ」を持っている。氏の描く世界において、強さとは必ずしも一つの軸上にプロットされるものではない。
それゆえに、彼らは誰もが「強者」であると同時に、ある意味では「弱者」でもある。
物語の終盤で下されるいくつかの決断は、酷く愚かで醜悪なものであり。
だからこそ、切ないまでに尊く美しいのだ。
くろひつじ様のレビューをご紹介)


清濁金剛! 楠原 日野

イラスト:鎖ノム


イラストの完成度のおかげもあると思いますが、
キャラクター(特に菜緒)がとてもキャラ立ちしていました。

やきもきする流れから、終盤一気に話が進んだこともあって、
エピローグ読了後も続きが気になりました。
前半若干ぎくしゃくしたところもありますが、後半につれて物語とキャラクターの魅力に引き込まれていくと思います。
(問い合わせフォームからのユーザーレビューをご紹介)


赤色散華 ―金木犀、過去の匂い― 燕乃

イラスト:Laruha


物語は「物を語る」と書きます。
その「物」には色々なもの……「状況」や「キャラクター」、「情景」などが含まれますが。
この『赤色散華』は「想い」を愚直なまでに突き詰めて、語ろうとしているように思えます。

当麻の愛情と、椿の愛情を縦糸に。
シェンナの未だ名付けざる想いと、未だ見えぬ六木の想いを横糸に。
それだけで、惹かれ合い、すれ違う物語を織り上げようとしている。
そして、それをもって血の香りと甘く苦い何かを描き出している。
私は、その清々しさに好感を覚えます。

勿論、愚直さが故に、人を選ぶ部分はあります。
「ライトノベル」とは呼べない部分を孕むのも確かです。
ですが、まず最初のページをめくってみてください。
もし、そこに惹かれるものを感じたなら。
あなたは悲しくも美しい「想い」が語られているのを見ることができるでしょう。
幻楼斎様のレビューをご紹介)


月と五芒星 ちまだり

イラスト:わたりとおる


一番文体が読みやすく、自然に物語に入っていくことができます。
セカイ系とは対照的な感じの世界観です。
キャラクターも炎属性で物理属性で情熱的な女の子と、
氷属性で魔法属性でクールな男の子と、とてもわかりやすく、
わかりやすい以上に、人間味のあるキャラクターに好感が持てます。
ヒロインが死者を悼むシーンでは心の痛みがとても伝わる描写で、涙してしまいます。
対象的に、男の子のそうならないために頑張るという前向きな言葉に勇気づけられます。
そして、天使の子が天真爛漫で可愛いのです。
また、説明の描写さえも興味深く読める書き方(どうやってそう書くんだろう?)で、
流れも丁寧で小説としてきちんと面白くできていました。
今井様のレビューをご紹介)


夏の嵐 蝉川夏哉/逢坂十七年蝉

イラスト:進藤アラタ


圧巻。さすがの知識量。しかし容量いっぱいいっぱいで書かれたのではなく、まだまだ余裕を残していることも伝わってきました。
矛盾がなく、事細かく計算されつくした展開、緻密な描写。とても読みやすい作品でした。

矛盾がない、違和感が少ない作品はとても好きです。

あと、やはり王道は良いですね。2013年はそれを再確認する機会に恵まれ幸いです。
そうじ たかひろ様の感想をご紹介)


メメントキラー ガンマ

イラスト:雀葵蘭

 美しさ、心地よさ、醜さ、汚さ、ありとあらゆる種類の快楽がこの小説……文章の中に押し込められている。それこそグリグリと。無理やり閉じ込められたそれらは読み進めるうちに雪崩出てくる。その上ライトノベルならではの表現を存分に用いながら、純文学にあるような隠れた色気まで持ち合わせているから困ったもんだ。

 そんな語りかけてくるどころか襲いかかってくるようなこの作品は、読んでいてとにかく気持ちがヨクナル。ライトノベルは嫌いだとか、ファンタジーは邪道だとか、そんなのどうでもいい。とりあえず読んでみてください。それでつまらないと思ったら、それもいい。読まなきゃ何も始まらない。
つるこ。様のレビューをご紹介)


総評

最終選考作品 総評

今回ウェブ完結のコンテストを開催するにあたり、
コンテストのあり方という点に関して、立ち上げ段階から模索をしてまいりました。
一般的に書籍デビューをする方法は現在いくつかありますが、
従来の小説大賞や知名度を武器にしての出版では補完しきれない、
応募するまでの手軽さ、一次選考における知名度だけによらない作品の選出を心がけました。

第一回エリュシオンライトノベルコンテスト、最終選考では、
同じ『エリュシオン』という世界観を根本におきながらも、
8名の作家ごとに独自の切り口を見せた作品がそろいました。

岡田播磨さんの『What-if games?』は、主人公がオンラインゲームで登場しているキャラクターという、
二次創作ノベルに近い形の制作を自ら課しての参加となりました。
一次選考で選ばれた時点ではご本人は選考ポイント0、並びに小説を完結させたことがないという
今回のコンテストを象徴する参加者ではありましたが、結果として作品を完結させただけではなく、
もっとも発想力・発展性に富んだ設定で選考時から興味深く拝見させていただきました。

久保田さんの作品『グレイス・アメイジング・キャンディスター』は最初の事件が発生してからの
流れは息もつかせぬほどスピーディーであり、序盤の驚きを維持したまま最後まで読み切ることができました。
それだけに選考時にもいい意味で非常に悩んだ作品となりました。
最後まで疲れを感じさせない、それでいて読了後の爽快感がある作品でありました。

楠原 日野さんの『清濁金剛!』 では、対象的に時間軸は比較的ゆっくり、
しかしキャラクターに大きくスポットのあたった作品となりました。
オンラインゲームライターらしく、キャラクターの描写・個性に力を入れつつ、読み終わった後の期待感を持たせてくれました。
余談ではありますがこの作品だけではありませんが素晴らしいイラストがイラストレイター様からよせられておりますので、作品とあわせてぜひご閲覧ください。

燕乃さんの『赤色散華』は今回のコンテストの最終選考でも一際異彩を放った作品でした。
オンラインゲームライターとしてのふだんの作風も、
一般的に言われている『流行』からも離れて、詩的な文章とそこから溢れ出る情景を描いた作品でした。
熱狂的なファンの方が常に作品のPRをおこなっていただけたことも印象に残っています。

ちまだりさんの『月と五芒星』では、圧倒的な文章力で決して単純とはいえない世界設定を丁寧に説明していただいた作品でした。
これが純粋な二次創作コンテストであれば間違いなく採用されていた作品といえるでしょう。
もちろん世界準拠だけではなく、特に後半の重い部分をじっくりと読ませる形はさすがでした。

蝉川夏哉 さんの『夏の嵐』では、今回のコンテストからの参加にも関わらず、
ゲーム中のイベントから物語がスタートする点にスタッフ一同驚きました。
中盤にかけての地の文が占める割合が全体的に多いながらも、話の流れとしてストレスを感じさせず
後半一気に解放する展開には引き込まれました。

ガンマさんの『メメントキラー』は、何名かで誤字チェックをした時にも話題になったのですが、
本当に目が離せない、キャラクターが濃い、ストーリーも濃い。
展開が山積みで終わるのかとハラハラする素晴らしい作品でした。
おそらく読む人を多少なりとも選ぶ作品ではありましたが、フラットなメンバーに感想を求めて
『1番面白い』と感想を述べたメンバーが多かったものがこの作品でした。

見事優勝したスライムさんの『Dear Friend』を含め、
今回が初回となる当コンテストには不釣り合いなほど、いずれも素晴らしい作品に集まっていただきました。
また、8作品だけではなく、一次選考を突破した10作品、ピックアップした作品、
応募していただきましたすべての作品にかんしまして、当コンテストにかかわっていただきまして、
まことにありがとうございました。

また、当コンテストにおいて、出版レベルそのままにイラストをご提供いただきました、
8名のイラストレイターの方も、最後まで素晴らしい作品をご提供いただきありがとうございました。

当コンテストはこれをもちまして終了となりますが、すでに第二回コンテストの開催も決定しております。
エリュシオンライトノベルコンテスト(なろうコン)では、
ジャンル制限を設けず、皆様の挑戦をお待ちしております。
第一回コンテスト作品ともども、引き続きよろしくお願いいたします。

エリュシオンライトノベルコンテスト(なろうコン)運営チームより

おかげさまでオンラインで完結する書籍デビュー支援コンテスト
『エリュシオンライトノベルコンテスト(なろうコン)』第一回に関しまして、
コンテストは無事に完結することができました。
まずは当コンテストにご応募いただいた応募者の皆様、
当コンテストを小説家になろうサイト上、SNSサイト上などで盛り上げていただいた皆様
最終選考において素晴らしい小説・イラストを作成していただいた皆様に厚く御礼申し上げます。

『エリュシオンライトノベルコンテスト(なろうコン)』
インターネット上で開催・完結するという特殊性から、
開催当初は多くても300作品程度のご応募を見込んでおりましたが、
皆様の熱意とヒナプロジェクト様、冒険企画局様、新紀元社様のご協力のおかげもあり、
外部ニュースやライトノベル系サイトにも積極的に取り上げていただいた結果、
当初の想定を大きく上回る1135作品のご応募をいただくことができました。
集まった作品も『小説家になろう』の時流をあらわしているものから、
小説家になろうはおろか、ライトノベル業界の常識からも外れた、オリジナルの設定を持っているもの。
そしてこれが初めての小説執筆であるというものまで、
作品数に応じて多様なジャンルを見ることができました。

すべての作品を読み込む都合上、
一次選考の結果発表には時間をいただくこととなりましたが、
最終選考候補に残られた方、最終選考に挑まれた方はそれだけに、
商業レベルとしても十分に通用する方が選ばれました。

コンテストを開催するにあたり、
サイト上の単純な人気に依らない形で、
純粋に『読者の興味を引き込む力を持っているか』という点を重視して選考をおこない、
多くの方にご興味を持っていただくことができたことは、
企画運営チームといたしましても今回のコンテストの意義として大きなものであったと感じております。
第一回の開催ということで、至らぬ点も数多くあり、
皆様にご迷惑をおかけした点は誠に申し訳ございませんでした。

今後は優勝しました『スライム / 栖原依夢 』様『218』様の作品の魅力をより引き出せるよう
また、最終選考に挑まれた作品を一人でも多くの方にお読みいただけるよう、
新紀元社様、ヒナプロジェクト様、担当編集の方と共に出版に向けて進んでまいります。

お問い合わせ

コンテストに関する問い合わせは下記メールアドレスまで
お問い合わせいただきますようよろしくお願いいたします。

【novel_narou@crowdgate.co.jp】

原則個別の返答はいたしかねますが、参加者様全員に周知すべき内容に関しましては、
よくある質問 にて掲載いたします。

WTRPGマスター募集

クラウドゲームスでは、オンラインゲーム『エリュシオン』で活動するライターを募集しています。
自分の生活スタイルにあわせて、報酬を得ながら文章を執筆できる活動です。
応募には試験がありますが、ご興味がある方は下記アドレスから詳細をご確認ください。

【http://www.wtrpg9.com/start/9masterform1.html】